基本情報技術者試験 午前免除(修了試験) の講評 ~2019年7月28日実施


2020-03-04 更新

対策講座の講師として、誠に勝手ながら、2019年7月28日(日)に実施された 基本情報技術者 午前免除試験(修了認定に係る試験) の講評をさせていただきます。

今回受験された人は振り返りの題材として、今後受験される人は対策の資料として、参考にしていただければ幸いです。

 

過去問題の再利用率は、やはり 100% だった

私の対策講座では、受講者に「午前免除試験では、過去問題の再利用率が 100% なので、とにかく過去問題を練習してください」と伝えています(本試験では、70% 程度です)。

はたして、今回の試験もそうだったのでしょうか? ドキドキしながら全問をチェックしてみると、「うわっ!」

以下の問 7 だけは、過去の基本情報技術者試験に出題されたことがありません。多くのスペースを占めていて、とても目立つ問題です。

まるで、出題者が「どうだ! 100% 過去問題の再利用はないぞ!」と言っているかのようです。この問題の正解は、ウです。

問 7 (令和元年 修了試験 7 月)

次に示すユークリッドの互除法(方法 1, 方法 2 )で,正の整数 a , b の最大公約数は,それぞれ m と n のどちらの変数に求まるか。ここで, m mod n は, m を n で割った余りを表す。

方法 1 方法 2
m m
m n
n m
n n

この問題のテーマは、最大公約数を求める「ユークリッドの互除法」というアルゴリズムです。

ユークリッドの互除法は、基本情報技術者試験の出題範囲にも含まれていますが、もっと簡単なフローチャートが出題されます。

 

たとえば、以下は、平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前問 7 です。

ここでは、「大きい方の数から小さい方の数を引くことを、両者が等しくなるまで繰り返す。等しくなった値が最大公約数である」というアルゴリズムを使っています。この問題の正解は、エです。

問 7 (平成 31 年度 春期)

次の流れ図は,2 数 A ,B の最大公約数を求めるユークリッドの互除法を,引き算の繰返しによって計算するものである。A が 876 ,B が 204 のとき,何回の比較で処理は終了するか。

ア 4  イ 9  ウ 10  エ 11

実は、先ほどの高度な(割り算の余りを求めることで、引き算の繰り返しを効率的に行う、というアルゴリズムを使っています)ユークリッドの互除法の問題は、基本情報技術者試験ではなく、応用情報技術者試験の過去問題の再利用なのです。

たとえば、平成 27 年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問 6 に、まったく同じ問題が出題されています。

 

いいわけになりますが、私の「午前免除試験では、過去問題の再利用率が 100% なので、とにかく過去問題を練習してください」という説明は、決して間違いではありません。

ただし、より正確に言うと、

「午前免除試験では、基本情報技術者試験の過去問題の再利用率がほぼ 100% なので、とにかく過去問題を練習してください。
1 問くらい見たことがない問題があるかもしれませんが、それは応用情報技術者試験の過去問題なので気にしないでください」

です。

1 問ぐらいできなくても、ほとんど合格には影響しないと思いますので、本当に気にしないで OK でしょう。

 

対策講座で取り上げた問題の的中率は、まあまあの約 36% だった

私の対策講座では、以下の 2 つの資料を受講者に配布し、問題演習と解説を行っています。

はたして、これらの資料で取り上げた過去問題は、今回の試験でどの程度出題されたのでしょうか?

  1. ヤマをはった年度の午前問題 1 回分( 80 問)
  2. よく出る問題と用語 Top 100( 100 問)

またまたドキドキしながら全問をチェックしてみると、以下の結果になりました。

全部で、16 問 + 13 問 = 29 問

が的中しました。試験に出題された全 80 問中の 29 問ですから、約 36% です。これは、まあまあの的中率でしょう。

今後、機会ありましたら、ぜひ私の対策講座にご参加ください(ちょっと宣伝です)。

  1. ヤマをはった年度の午前問題 1 回分( 80 問)・・・ 16 問が的中!
  2. よく出る問題と用語 Top 100( 100 問)・・・13 問が的中!

 

自分の苦手分野を知って重点的に学習しよう

今回の試験で残念な結果になってしまった人は、あと何問できれば合格だったのでしょうか? おそらく、あと 5 問程度という人が多いのではないでしょうか。

それでは、どうしたら、その 5 問ができるようになるでしょうか?

 

自分の苦手分野を知り、その分野の過去問題を重点的に学習すればよい のです。試験に出題される分野と問題数は、いつもほとんど同じなので、苦手分野を克服すれば必ず得点がアップします。

以下は、今回の試験の問題を、分野別に示したものです。自分が正解できた問題に○を付けてみてください。

試験は、正解が 60% 以上で合格なので、60% に満たない分野が苦手 ということになります。次の試験に向けて、その分野の過去問題を数多く学習してください。

分野 問題番号
情報の基礎理論 問1 問2 問3 問4
アルゴリズム 問5 問6 問7 問8
ハードウェア 問9 問10 問11 問21 問22 問23
ソフトウェア 問12 問13 問16 問17 問18 問20
システム構成 問14 問15 問19
マルチメディアと
ヒューマンインタフェース
問24 問25
データベース 問26 問27 問28 問29 問30
ネットワーク 問31 問32 問33 問34 問35
セキュリティ 問36 問37 問38 問39 問40 問41 問42 問43 問44 問45
開発技術 問46 問47 問48 問49 問50
マネジメント系 問51 問52 問53 問54 問55 問56 問57 問58 問59 問60
ストラテジ系 問61 問62 問63 問64 問65 問66 問67 問68 問69 問70 問71 問72 問73 問74 問75 問76 問77 問78 問79 問80

※マネジメント系とストラテジ系は、全体で 1 つの分野にしています。

 

用語、仕組み、計算、常識でも、苦手を知っておこう

試験問題の内容は、どの分野でも、


「用語の意味を知っていれば解ける問題」
「仕組みがわかれば解ける問題」
「計算ができれば解ける問題」
「常識的な判断で解ける問題」

に分類することができます。

私の対策講座に参加された受講者の中には、

「用語を覚えるのが苦手です」
「仕組みを理解するのが苦手です」
「計算問題が苦手です」
「常識的に判断すればわかるといわれても、その判断が苦手です」

という人たちがいます。これらの苦手を克服することも、得点をアップするために重要です。

 

以下は、今回の試験の問題の内容を、「用語」「仕組み」「計算」「常識」に分類したものです。

先ほどと同様に、自分が正解できた問題に○を付けてみてください。いかがでしょうか?

 

データベースやネットワークといったテーマ別の苦手分野だけでなく、問題の内容に対する苦手分野もある ことがわかったでしょう。

この苦手を克服するには、教材の説明を読むことをお勧めします。「用語の意味を覚えるぞ!」「仕組みを理解するぞ!」「計算方法をマスターするぞ!」「常識的な判断をするための基礎知識を習得するぞ!」という意識を持って、じっくりと丁寧に読んでください。

問題の内容 問題番号
用語の意味を知っていれば解ける問題 問10 問11 問12 問14 問15 問17 問19 問20 問22 問23 問24 問25 問26 問29 問30 問33 問35 問36 問38 問39 問40 問41 問42 問45 問46 問47 問49 問50 問51 問56 問57 問59 問61 問64 問65 問66 問67 問69 問71 問74 問75 問76
仕組みがわかれば解ける問題 問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問21 問27 問28 問32 問37 問43 問44 問48 問52 問77
計算ができれば解ける問題 問9 問13 問16 問18 問31 問34 問53 問54 問63 問72 問78
常識的な判断で解ける問題 問55 問58 問60 問62 問68 問70 問73 問79 問80

 

以上、対策講座の講師として、誠に勝手ながら、試験問題の講評をさせていただきました。

無事に合格できた人、おめでとうございます。

残念な結果になってしまった人、次回の午前免除試験に必ず合格してください。

 

いずれにしても、最終的なゴールは、10 月に開催される本試験ですので、これからもコツコツと地道に学習を続けてください。

皆様のご健闘をお祈り申し上げます。

 

label 今後の対策はこちらの連載をぜひご活用ください

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連載目次close

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『プログラムはなぜ動くのか』(日経BP)が大ベストセラー
IT技術を楽しく・分かりやすく教える“自称ソフトウェア芸人”

大手電気メーカーでPCの製造、ソフトハウスでプログラマを経験。独立後、現在はアプリケーションの開発と販売に従事。その傍ら、書籍・雑誌の執筆、またセミナー講師として活躍。軽快な口調で、知識0ベースのITエンジニアや一般書店フェアなどの一般的なPCユーザの講習ではダントツの評価。
お客様の満足を何よりも大切にし、わかりやすい、のせるのが上手い自称ソフトウェア芸人。

主な著作物

  • 「プログラムはなぜ動くのか」(日経BP)
  • 「コンピュータはなぜ動くのか」(日経BP)
  • 「出るとこだけ! 基本情報技術者」 (翔泳社)
  • 「ベテランが丁寧に教えてくれる ハードウェアの知識と実務」(翔泳社)
  • 「ifとelseの思考術」(ソフトバンククリエイティブ) など多数

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