ネットワークスペシャリスト試験ガイド 難易度や合格のしやすさ | 令和元年 秋期試験にむけて
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに精通したプロフェッショナルの資格です。ネットワークの専門家として、ITストラテジストやシステムアーキテクト、ITサービスマネージャなどの担当業務を支援します(下図参照)。
もくじ
受験者層から見た試験の特徴
今や、情報セキュリティに関する“知識”が全てのITエンジニアに必須のものとなり、それを誘導する目的なのでしょう、情報処理技術者試験でも情報セキュリティのウェイトが高くなっています。
そんな情報セキュリティの知識を習得する時に、避けては通れないのが “ネットワーク”に関する知識です。
したがって、ネットワークに関する知識と、情報セキュリティに関する知識は、同じタイミングで習得していくのがベストですね。
どちらを先に受験するのかは、ネットワークの基礎知識があるかどうかで決めればいいと思います。
例えば、応用情報技術者試験を受験する時にしっかりとネットワークの勉強をして、レベル3の基礎が出来上がっている人は情報処理安全確保支援士を先に、そうでない人はネットワークスペシャリストを先にというように考えるとか。
いずれにせよ(どちらを先にするのかはさておき)、この2区分は連続で受験することをおススメめします。
ちなみに、ネットワークスペシャリスト試験の応募者のうち、ネットワークエンジニア(ネットワーク技術支援という業務分類の方)は、ここ数年、約6分の1です。2割もありません。ほとんどの受験生が、一からネットワークの知識を覚えているのでしょう、専門分野外でも十分合格を狙えるでしょう。
難易度や合格率
ネットワークスペシャリスト試験の最大の特徴は、 “知識次第”で合否が決まるという点だと思います。
いわゆる解答テクニックというようなものが、他の高度系の区分ほど必要ないんですね。
論文系の試験や情報処理安全確保支援士試験のように “国語力” を磨く必要もありませんし、同じテクニカル系でも、データベーススペシャリスト試験のように “パターン化された(最短時間で解答するための)解答手順” を覚える必要もありません。
ひたすら “知識を暗記”していくだけで十分合格を狙えます。
ある意味、”ガチンコ勝負”になります。
そもそも “通信” がテーマなので、プロトコルやルールという「誰かが決めたこと」が問われているだけですからね。覚える以外無いのです。考えて出てくるものでもありませんし。
したがって、 難易度や合格する確率は、「今のネットワークの知識」にかかっています。
普段から仕事でネットワークを扱っているネットワークエンジニアや、ネットワークに興味を持って日経NETWORKなどの専門誌・専門書を読んでいる人にとっては、それほど難しい試験ではないでしょう。
逆に、そうでない場合でも、それ相応の「覚える時間」さえ確保できれば十分合格を狙えるというわけです。
2019年度 春期試験 受験者からみたネットワークスペシャリスト試験
もしも、あなたが2019年4月21日に春期試験を受験していたのなら、その時に勉強した “知的資産” の有効活用を考えましょう。
活用できれば、それだけ勉強時間も少なくなりますからね。多忙な社会人にとって “勉強する順番” はとても重要です。
それに、自分自身のキャリアを考えるうえで、ネットワークスペシャリスト試験と他の試験区分との関係性も知っておくことは “損” にはなりませんから。
春期の受験区分 | ネットワークスペシャリスト試験との関連(★3つで評価) |
---|---|
AP
(1) 応用情報技術者 |
(合格しやすさ:★ おススメ度:★★★)
このルートは、レベル 4(高度系)の最初の試験にネットワークスペシャリスト試験を選択する人でしょう。 高度系の最初は、情報処理安全確保支援士試験の方が良いのかもしれませんが、ただその場合、ネットワークの基礎知識が無いと恐ろしいほどの勉強時間が必要になります。 しかも試験対策本には、ネットワークの基礎知識が “知っている前提” で省略されているのが普通です。 そのため、ネットワークの基礎知識が無い場合は、先にネットワークスペシャリスト試験を視野に入れて、ネットワークスペシャリストの試験対策本を使って、しっかりとネットワークの基礎知識を付けておく方がいいのかもしれません。 高度系の午後Ⅰや午後Ⅱ試験対策は、 “一からの習得” になるので、合格のしやすさは低いかもしれませんが(つまり時間がかかりますが)、先を見た戦略としてはおススメです。急がば回れですね。 |
SC
(2) 情報処理安全確保支援士 |
(合格しやすさ:★★★ おススメ度:★★★)
ネットワーク系の知識が必須だと考えている人は、春に情報処理安全確保支援士、秋にネットワークスペシャリスト試験と計画しているかもしれません。その場合、このルートになるのでしょう。 先に説明した通り、 “この 2 区分を一つと考える” のはいいことなので、おススメです。さらにこのあと、翌春 = システム監査技術者、翌々秋 = ITサービスマネージャという順で広げていくといいでしょう。 “合格のしやすさ” の観点からもおススメです。 情報処理安全確保支援士で学習したネットワークの基礎知識や、午後Ⅰや午後Ⅱの記述式試験の解答テクニックは、そのまま活用できるからです。 あとはネットワークスペシャリスト試験にだけ出てくる知識をピックアップして覚えていけばいいので、学習時間が少なく済むと思います。 |
AU
(3) システム監査技術者 PM
(4) プロジェクトマネージャ |
(合格しやすさ:★★ おススメ度:★★)
論文系の試験からは、同じ論文系の試験の方が効率よく学習が進められます。テクニカル系に舵を切るとしても情報処理安全確保支援士の方が妥当かもしれません。 そういう意味で “おススメ度” は低くなります。 合格のしやすさの観点からも、あまりおススメできません。 春期に習得した “午後Ⅰの記述式解答テクニック(時間配分や、問題文の読み方等共通のテクニックとして使える部分)” などは有効なので、データベーススペシャリスト試験や、応用情報技術者試験よりはましですが、ネットワークの知識を一から覚えていく学習に変わりはありません。徹底的に暗記する時間があるかどうかで決めましょう。 |
DB
(5) データベーススペシャリスト ES
(6) エンベデッドシステム |
(合格しやすさ:★ おススメ度:★★★)
この 2 区分からネットワークスペシャリスト試験を受験する場合には、応用情報技術者試験からこの試験を受験するのと同じように考えなければなりません。 高度系の区分ではあるのですが、これらの区分の試験勉強で培ったノウハウは、あまり再利用できないからです。 ネットワークの知識はもちろんのこと、午後Ⅰ・午後Ⅱの記述式に関する解答テクニックも、(ほぼ別物だと考えて)新たに一から学習すると考えておいた方がいいと思います。 |
FE
(7) 基本情報技術者 SG
(8) 情報セキュリティマネジメント |
(合格しやすさ:- おススメ度:★)
レベル 2 のこの 2 つの試験区分から、レベル3の応用情報を飛び越してレベル4に挑戦する場合、合格は不可能とは言いませんが “かなりの勉強時間” が必要になるのは間違いありません。上記の応用情報技術者試験後に準備する以上に時間がかかるでしょう。 したがって、何かしらこの資格を必要な理由がある場合以外はおススメできません。 |
合格者に聞く!
資格の価値や勉強時間など学習方法
勉強方法や勉強時間
このあたりは、今後の記事にご期待ください。
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高度試験対策研修 KOUDO 初公開!
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
-
- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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