情報処理技術者試験の新傾向 DX に対応する資料・動画まとめ

三好康之
2022-01-11 公開

第 4 次産業革命関連技術（ AI 、ビッグデータ、 IoT ）などの新技術の活用、及びデジタルトランスフォーメーション（ DX ）の取組みが進展したことに対応し、情報処理技術者試験で「第 4 次産業革命関連技術（ AI 、ビッグデータ、 IoT ）などの新技術への対応」が公表されたのは、コロナ禍突入の直前 2019 年（令和元年） 11 月 5 日でした。

その最初の適用時期にあたる 2020 年（令和 2 年）の春期試験は、初の中止になってしまいましたが、その年の 5 月の「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」の施行を挟み、再開された 2020 年（令和 2 年）の秋期試験からは、どの試験区分でも DX や新技術に関する出題一色になっています。

特に、その変化が大きいのが IT ストラテジストとプロジェクトマネージャですが、他の試験区分でも DX や新技術についての知識は、今後必須だと考えておいた方がいいでしょう。

前例（過去問題）がまだまだ少ない今なら、基礎的なことしか問われません（論文は経験を書くので、この限りではありませんが）。そのため、今ならさほど難しいことは問われません。そこそこ簡単です。

ただし、 DX や新技術に関する知識の補充は、試験対策本には期待しない方が賢明です。それよりも IPA が公表している資料を活用することをお勧めします。 IPA は、情報処理技術者試験を主催している機関なので試験との整合性は完璧です。しかも、 IPA の資料に目を通しておけば、利用中の試験対策本がどれくらい今後の新たな切り口に対応しているのかも判断できますからね。

そこで今回は、 IPA が公表している「デジタルトランスフォーメーション関連」の資料の中で、情報処理技術者試験対策に有効なものをいくつかご紹介します。

特定の試験区分にフィットする資料は、また別の機会で紹介するとして … 今回は、全試験区分共通のものを紹介しますね。

情報処理技術者試験対策で使える DX 関連資料 ( IPA 公開)

DX 白書 2021　日米比較調査にみる DX の戦略、人材、技術 （ 2021 年 12 月 1 日）: 2018 （平成 30 年） 5 月に立ち上がった「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」から 3 年半の情報を全て詰め込んだ総集編。 400 ページ弱ありますが全部読む必要はなく、情報処理技術者試験の新規問題になりそうなキーワードは網羅されていそうです。もちろん、具体的な設計技術やプログラミングまでは書かれていませんが、全区分の午前問題や、 IT ストラテジストやプロジェクトマネージャ試験なら午後対策にも有益です。ほぼ、これだけでいけるという資料です。
YouTube 動画「デジタルトランスフォーメーション（ DX ）ってなんだ」
YouTube 動画「なぜ今デジタルトランスフォーメーション（ DX ）？」: いずれも、わずか 3 分ほどの動画ですが、情報処理技術者試験における DX の解釈を明確に示してくれています。実際に、論文添削をしていても…「それは、このテーマに合う事例ではない」と、よく指摘しています。おそらく、会社の中での定義とは微妙にずれているのでしょう。どちらが正しいというのはさておき、情報処理技術者試験での解釈の正解は、この動画の中にあります。 3 分程度なので、認識のずれがあるのか無いのかを確認するだけでも有益でしょう。チェックして損はありません。
IPA の「お役立ちコンテンツ一覧」: DX 白書 2021 も、 YouTube 動画も…実はこのサイトでまとめてくれています。上記のやだけでは不安だという人や、時間的にも余裕があるという人は、このサイトで興味のある記事や、「これは出そうだぞ」というリンクを辿ってみてはいかがでしょう。