情報処理技術者試験の出題見直しで令和2年 (2020年) 春期試験 はどう変わる?


2019-11-06 公開

それでは、ここで、令和元年11月5日に公表された「情報処理技術者試験に関する「人材像・出題範囲・シラバス等の改訂」」が、実際の各試験区分にどのような影響があるのかを検討していきましょう。

試験問題への変化の予測も含めて、次のようにまとめてみました。

なお、午前Ⅱの問題で、セキュリティの問題が重視されるというのは 前の記事 で確認ください。

(1) 基本情報技術者試験はどう変わる?

今回の変更はありません。

ただし、前回の令和元年の秋試験からの変更は、平成 31 年 1 月 24 日及び令和元年 5 月 27 日に既に発表されています。

次のように大きく変化するので、受験する人は、しっかりとチェックしておきましょう。

逆に考えれば、今回の変化が大きく新たな用語の追加が公表されていますから、新規の問題も十分予想できるということです。今回追加される新たな用語はこちら(シラバスの変更点)を確認。

  • 午後問題の構成や配点を見直し
  • 午後の選択問題のソフトウェア開発(プログラム開発言語)で、COBOL を廃止し Python を追加
  • 応用数学、新技術( AI 、IoT 、ビッグデータ、ブロックチェーン、RPA )、アジャイルの問題を追加もしくは強化(出題が増えると思われる)

(2) 応用情報技術者試験はどう変わる?

今回の変更はありません。

ただし、基本情報技術者試験と同じタイミング(令和元年 5 月 27 日)に既に変更点が発表されています。変更の観点は基本情報技術者試験と同じです。今回追加される新たな用語はこちら(シラバスの変更点)を確認。

  • 応用数学、新技術( AI 、IoT 、ビッグデータ、ブロックチェーン、RPA )、アジャイルの問題を追加もしくは強化(出題が増えると思われる)

(3) プロジェクトマネージャはどう変わる?

今回は変更はありません。

ただし、プロジェクトマネージャ試験も、前回試験以後に一度変更されています(その内容は こちら。令和元年 6 月 24 日公表)。試験要綱が Ver.4.3 になった時の変更点です。

 

その内容は、簡単に言うと「プロジェクトの目的の重要性アップ」です。

つまり、そのプロジェクトは何のために行い、その成果物で何を達成したいのか? それをよく考えていこうというものですね。

通常は、企業等で利用する情報システムの開発プロジェクトなので、具体的には、経営に寄与するようITストラテジストの視点も持っておこうというものだと考えればいいでしょう。

 

おそらく、試験問題が大きく変わることはありません。したがって試験対策も従来通りで問題ありません。

ただ、”プロジェクトの目的”(与えられた納期、品質、コストを守るというプロジェクトの目標ではなく)を重視するのは本来的に当たり前のことで、PMBOK ® の第 6 版でも強化されている部分です。

そういう意味では、意識しておくことは必要でしょう。

可能であれば、経営戦略と個別プロジェクトの関係に関しては理解しておくことをお勧めします。

(4) 情報セキュリティマネジメントはどう変わる?

シラバスが改訂されましたが、特に大きな変更点はないと思われます。

(5) 情報処理安全確保支援士はどう変わる?

試験要綱の変更点を見ると、かなり大きく変更されたように見えますが、これは分類・体系化の変更やその表現レベルのもので、過去問題と大きく異なる問題が作成されるとは考えにくく、そのため試験対策も変化はないでしょう。

実際には大きな変更はないと考えておけばいいと思います。

 

ただし、今回、「情報処理安全確保支援士試験(レベル4)」シラバス 追補版(午前Ⅱ)Ver.3.0 が公表されたほか、11 月下旬にはシラバスの改訂版が発表される予定です。

おそらくその時には「変更点」をまとめた資料も公開されると思うので、それにはしっかりと目を通しておきましょう。

予想ですが、新規のワードがそこそこ追加されているはずなので、その用語をしっかりと調べて理解しておけば、新規の問題にも対応可能だと思います。

(6) エンベデッドシステムスペシャリストはどう変わる?

今回、結構大きな変更が行われました。IPA から公表されているのは次のようなものです。

  • 午前Ⅱ試験の出題分野について、「中分類21:ビジネスインダストリ」を出題対象に追加しました。ビジネスインダストリは、民生機器・産業機器などIoT関連知識を含む分類です。
  • 午後Ⅰ試験で出題する3問の選択方法・配点割合について、「問1必須(40点)、問2~3から1問を選択(60点)」から「問1~3から2問を選択(各50点)」に変更しました。
    IoTの活用の広がり、システムの多様化などを踏まえ、テーマに対する選択の幅を拡大しました。

IoT 関連の問題が増えると思われるので、そこに関しては過去問題だけではなく、実用書などからの情報収集が必要になると思います。

(7) データベーススペシャリストはどう変わる?

大きな変更はありません。

セキュリティ部分が強化されるというのは、平成 26 年度から想定されていたことなので、特に今回何かしら変化があるものだとは思われません。

とはいえ、データベースのセキュリティに関しては、情報漏えいの観点から必須のものなので、

  • SQL の GRANT 命令
  • DBMS のセキュリティ機能
  • セキュリティ関連法規

などは押えておく必要があるでしょう。

これまであまり出題されていないので、令和 2 年の試験では出題される可能性が高いかもしれません。

(8) システム監査技術者はどう変わる?

大きな変更はありません。

セキュリティ部分が強化されますが、以前から「セキュリティ監査」は試験範囲に入っています。

とはいえ、午後Ⅰや午後Ⅱでは、これまでそれほど頻繁にセキュリティ監査の問題が出題されていないので、次回の試験では出題の可能性が高いと思われます。

したがって、試験対策には過去の視点を盛り込んでおいた方がいいでしょう。

  • 午後Ⅰの過去問題のうちセキュリティに関するものには目を通しておく
  • 午後Ⅱの過去問題のうちセキュリティ監査に関する問題を想定しておく
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