情報処理技術者試験を受験し続けたことで良かったこと


2020-11-06 公開

インタビューに応じていただいた方

中居 博 さん

略歴
1988 年に IT 企業に入社。以来、主に化学企業向けに、様々な IT プロジェクト(生産管理システム開発から ERP 導入、 IT インフラの構築など)を、日本国内に加えて海外(主に東アジア)まで手を拡げる。
保有資格
  • 情報処理技術者試験 システム監査技術者
  • 情報処理技術者試験 システムアナリスト
  • 情報処理技術者試験 プロジェクトマネージャ
  • 情報処理技術者試験 アプリケーションエンジニア
  • 情報処理技術者試験 ITサービスマネージャ
  • 情報処理技術者試験 情報セキュリティスペシャリスト
  • 応用情報処理技術者
  • 第一種情報処理技術者
  • 第二種情報処理技術者
  • HSK(漢語水平考試)4 級

(インタビュアー: 三好康之)

 

Q. 情報処理試験に幅広くチャレンジした理由はなぜですか?

端的に言えば… “仕事で楽をしたかった” からです。

きっかけは、今から 30 年くらい前になるのですが…私が 20 代のころに読んだ日経 IT プロフェッショナルの記事でした。

IT 企業で働く 20 代前半から 50 代までの約 2 万人の IT エンジニアに、 「今どんな仕事をしているか?」をアンケート調査したもので…そこには、まだ若かった自分には、思いもよらないことが書いてあったのです。

  • 20 代前半はプログラミングの仕事(いわゆるプログラマ)が多い
  • しかし、 20 代後半から30代にかけて、システム設計の仕事(いわゆるSE)の割合が増えていく
  • さらに、 40 代になるとプロジェクトマネジメント(いわゆるプロマネ)の仕事に変わっていく

要するに、 IT 企業では年齢ともに役割が変わるし、それぞれの役割で求められる能力・知識も変化していくということが書かれていたわけです。今から考えれば、当たり前のことなのですが、 20 代前半の私には…とても新鮮な発見でした。

そして、この記事を読んだ時に、私は…

「役割が変わったとしても苦労しなくて済むよう(あとから楽できるよう)、将来必要になるだろう知識を、先手先手で勉強していこう!」

と決意したのです。

その手段としては、プログラマ、システムエンジニア、プロジェクトマネージャなどキャリアに応じた資格区分のある情報処理技術者試験が最適だと考えました。

まずは、 SE 向けの資格区分(アプリケーションエンジニア(現:システムアーキテクト)を、次に、 PM 向けの資格区分(プロジェクトマネージャ)を狙いました。その合間に、テクニカル系(ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリスト、情報セキュリティ関連など)に挑戦するという感じです。

 

Q. 今振り返って、幅広く情報処理技術者試験にチャレンジして、よかったことはありますか?

必ずしも、受験した資格区分の全てに合格しているわけではありませんが、その都度、勉強したことは仕事で役に立っています。

他にも、次の 3 つの点で良かったと考えています。

    情報処理技術者試験を受験し続けたことで良かったこと

  • 海外出張が増えた
  • 提案のレベルが上がった
  • 社外で講演の場が増えた

 

Q. 海外出張が増えたというのは、どういうことですか?

私は、学生の頃から「将来は、グローバルな仕事がしたい、世界を飛び回るビジネスパーソンになりたい。」と思っていました。海外にとても魅力を感じていたのです。

その夢を叶えてくれたのも “資格” でした。

2010 年から 2019 年までの 10 年間で 64 回海外渡航しました。その内 50 回が中国です。渡航の目的は、オフショア開発と、顧客の海外拠点向けの IT インフラ導入の 2 つです。

ご存じのとおり、海外出張には多額の経費が掛かります。それ以上の収益が見込めなければ実現しません(海外旅行ではないので 笑)。そのため、所属企業でも、海外を担当する要員はかなり絞りこまれ…希望する誰もがなれるわけではないんですね。

有利なのは、幅広い知識と経験を持っている人、いわゆるゼネラリストとか、マルチ人材とかいう類のものです。システム開発の知識に加え、セキュリティやネットワークなどテクニカルな面もわかり、プロジェクトマネジメントのお作法も押さえている…という感じです。

“海外” というと…言語(その国の言葉)が重要のように思われますが、いくら言葉が流ちょうに話せても、やはり重要なのは “話す内容” ですからね。

私は、そのような “マルチな人材” を目指して、いろいろな情報処理試験にチャレンジし、海外で仕事をするという働き方を実現したのです。

もちろん…海外出張は待っていても来ないので、自ら案件を創出してきたのですが…その時にも資格取得を通じて学んだことが役に立っています。

2010 年ごろの中国は、まだ、プログラマの人件費が日本の半分以下でした。しかも中国は日本の 10 倍以上の IT 人材が居ます。そこで、中国でオフショア開発ができる企業を活用すれば、日本の半分以下のコストでシステム開発を実現でき、圧倒的な利益を出すことが可能だったので、比較的難易度の低い開発案件を切り出しては、オフショア開発での活用を提案しました。

 

Q. これが、提案のレベルが上がったというメリットにも通じるわけですね

そうですね。常に、プラス α の価値を提案に盛り込むことを意識するようになりました。

お客様から求められたことだけに答えるではなく、お客様が思いつかない重要なことを提案に盛り込もうという思考になったわけです。

これにより、お客様から認められ、受注の確度が確実にあがりました。

この思考のきっかけになったのは、システムアナリスト(現 IT ストラテジスト)試験のおかげです。

システムアナリスト試験は、結局、 6 回目にようやく合格したのですが、5回も落ち続けていた頃の思考は…今から考えると、顧客に提案するという考えはなく、顧客から言われたことを「どうやって作るか( How to )」ということばかり考えていました。

しかし、試験に落ち続けるうちに…「何のために( Why )」という目的志向が重要だと気付いたのです。

システムアナリスト試験に合格後、ある戦略コンサルティング会社の IT アウトソーシング案件の提案の機会があり、寝る間も惜しんで提案をまとめ、受注できました。コンサルティング力のある会社に私の提案が認められたのは、私にとって一番の思い出です。
  
 

Q. 社外での講演の場が増えた点について聞かせてください

はい。

社内では若手相手に話す機会があり、できるだけワクワクする刺激を与えるような話を心掛けているのですが、だんだん欲が出て、社外でも講演したいと思いはじめました。

そんな矢先、ふと母校を訪問した際に、出身研究室の先生に、私の情報処理技術者試験への取り組みや考えについて話したことがきっかけで、母校の大学で講演することになったんです。

IT スキル形成の講演です。

ありがたいことに、その恩師が引退後もずっと、講演の機会が続いています。

残念ながら、今年は、コロナの影響でリモート講演になってしまいましたが…今年もお話を頂きました。

おわりに

私は、今、ある程度自分の理想とする働き方が出来ています。それは、今振り返ってみると 20 代の頃に…情報処理技術者試験と向き合い、受験し続けようと決めたことが良かったのかなと…今振り返ってみて、そう思います。

もちろん、資格取得だけが役に立ったわけではありません。資格取得を通じて得ることのできた知識や、その知識を使ってみようと考えて試行錯誤したことの方が大きかったと思います。

知らないものを気付かせてくれた。

情報処理技術者試験に取り組まなければ、知見は広がらなかったと思います。

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