システムアーキテクト 試験の特徴と難易度


2020-12-18 公開

この資格の前身は昭和 46 年に誕生した “特種” という資格です。特種の頃は、(今の試験区分の)システムアーキテクトだけでなく、 IT ストラテジスト、プロジェクトマネージャ、 IT サービスマネージャまで、広範囲をカバーしていました。しかも最高峰です。平成 6 年の改革までの 23 年間…ずっとトップを走ってきた IT エンジニアの憧れの人気資格だったのです。その後、受験者数が 3 万人を超えることもあったのですが、ここ 10 数年の受験者離れは止められず、平成 26 年度以後は 9 千人を割り込んでいます。全盛期の 3 分の 1 です。

受験者層

システムアーキテクト試験は「論文試験に初挑戦する」という受験者が多いのが最大の特徴です。いわゆる “SE” を対象にした試験なので、応用情報技術者試験を合格した次に位置付けられるからです。高度系区分は初めてであったり、論文(論述式試験)が初めてだったりする受験者が多いのです。

したがって、普通に “SE(上流工程担当)” が受験するので “経験者” が多い試験区分だと言えるでしょう。

難易度

前述の通り、受験生が「高度系区分は初めて」であったり、「論文(論述式試験)が初めて」であったりするため、難易度はそれほど高くはありません。

普段、ユーザとコミュニケーションを取りながら上流工程を担当している SE 経験者の場合、論文対策次第だと思います。

ただ、経験者が多いため、未経験者にとっては難易度が上がります。市販されているテキストには載っていない “ちょっとした設計ノウハウ” や “論文のネタになりそうな事例” を入手することが難しいからです。

合格に必要な対策の概要

この試験は、午後Ⅱの論文次第だと思います。 “情報処理技術者試験の論文” の癖を正確につかんで、しっかりと準備することができるかどうかですね。

というのも、午前Ⅱや午後Ⅰで問われていることは、レベル 3 の応用情報技術者試験とそんなに変わらないからです。

もちろん対策は “自分自身の経験” によって大きく異なります。次の経験がない場合、その疑似経験レベルで構わないので、知識を会得しておく必要があるでしょう。

  1. 開発工程(要件定義、基本設計や外部設計、システムテスト、移行)の経験
  2. 販売管理、生産管理、財務会計など基本的な業務知識

業務知識に関しては、簿記 3 級レベルの会計知識や販売管理業務の知識が問われることがあります。したがって、民需系(産業系)のシステム開発を担当していて、販売管理システムや生産管理システムに精通している人は問題ありませんが、そうでなければ(普段は別のシステムを担当しているのであれば)、最低限、これらの知識を勉強しておきましょう。

後は、論文で必要になる “文章力” です。国語が得意だったり、小説を書いたりしていたりするといいのですが、そうでなければ、これを機に自分の “文章力” と向き合いましょう。

これまでの情報処理技術者試験のキャリアが活かせるか?

最後に、これまでの情報処理技術者試験のキャリアが活かせるかどうかを説明しておきます。情報処理技術者試験を “点” ではなく “線” で考えている人は参考にしてください。

過去の受験区分 合格しやすさとおススメ度
(1)
SMIT サービスマネージャ

(合格しやすさ:★★おススメ度:★★★

IT サービスマネージャ試験の合格者が、次にシステムアーキテクト試験に挑戦するのは、かなりおススメです。というのも、今後はアジャイル開発の比率も増え、いわゆる DevOps が求められるようになります。 IT サービスマネージャをシステムアーキテクト試験よりも先に受験する人は、普段 “運用” に携わっている人だと思います。その場合、開発者の視点を持つことは重要。午後Ⅰの解き方も午後Ⅱの開発者側の視点も異なるので、合格は少々難しくなりますが、それも含めておススメです。

(2)
AUシステム監査技術者

(3)
STIT ストラテジスト

(4)
PMプロジェクトマネージャ

(合格しやすさ:★★★おススメ度:

これらの 3 区分は、システムアーキテクト試験よりも難易度は高くなります。特に、論文の学習をしてきたことは大きな強みです。午後Ⅰの解き方(特に問題文の読み方)が異なるので、その違いを意識して午後Ⅰを仕上げれば比較的簡単に合格できるでしょう。但し、キャリアのステップアップを考えれば IT ストラテジスト試験に挑戦するのが王道。時間をかけられない中、確実に合格を目指す場合にはおススメですが、しっかりと時間が取れる場合は IT ストラテジストがおススメです( IT ストラテジストの合格者を除く)。

(5)
DBデータベーススペシャリスト

(合格しやすさ:★★★おススメ度:★★★

この区分は、全試験区分の中で最も細かいレベルでの業務知識が必要となる区分です。また、データベースの論理設計はシステムアーキテクトの行う設計分野と被っている部分もあります。したがってここで販売管理や財務会計の業務知識と設計スキルを高めることができたなら、後は文章力だけを意識するだけで構いません。おそらく午前Ⅱ、午後Ⅰはもう仕上がっているはずです。したがって合格のしやすさもおススメ具合も MAX です。

(6)
NWネットワークスペシャリスト

(7)
ESエンベデッドシステムスペシャリスト

(8)
SC情報処理安全確保支援士

(9)
AP応用情報技術者

(合格しやすさ:★★おススメ度:★★

これらの区分から、秋にシステムアーキテクト試験を受験するのは普通の選択です。午前Ⅱの勉強方法は変わりませんし、ある程度知識のストックも出来ていると思います。しかし、午後Ⅰ、午後Ⅱのいずれもシステムアーキテクト試験の特徴を踏まえた学習をする必要があります。

(10)
FE基本情報技術者

(11)
SG情報セキュリティマネジメント

(合格しやすさ:おススメ度:

この 2 区分はいずれもレベル 2 です。レベル 3 の応用情報を飛び越してレベル 4 に挑戦する場合、合格は不可能ではありませんが、合格するには “かなりの勉強時間” が必要になります。何かしらこの資格を必要な理由がある場合以外はおススメできません。

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