システムアーキテクト 学習計画と対策


2021-12-14 公開

システムアーキテクト試験の合格を目指して、まずは学習計画を立案しましょう。

この試験は、時間区分(午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱ)ごとに別々の対策が必要です。それぞれ問われているポイントが異なるため、試験対策も別々に考えなければなりません。

時間区分 問われていること 対策の方針
午前Ⅱ
問われていること

応用情報技術者試験の午前問題とさほど変わりはない。幅広い知識が問われる。

対策の方針

過去問題と同じ問題が出題された時に解けるようにする。

午後Ⅰ
問われていること

最も多いパターンは、問題文に登場する企業の要求事項や制約に対して、どう設計するか?という問題。様々な業種・業務について問われるが、販売管理や生産管理が多い。他に、少ないながらも、システムテストや移行の問題もある。

対策の方針

時間を計測して過去問題を解く練習をして下記を習得する。

  • 問題文を速く読解する方法
  • 図表別の読み方・解き方

また、業務知識(特に、販売管理や生産管理業務)を身につけるのも有効。
システムテストや移行の問題は、午後Ⅱでも問われるので、併せてチェックする。

午後Ⅱ
問われていること

次の 4 つのテーマが問われる

  1. 要件定義
  2. 設計(上流工程)
  3. システムテスト
  4. 移行
対策の方針
経験のあるテーマ
何をどう表現すればいいのか?を学び、その表現方法を意識する。
経験のないテーマ
システムテストや移行なら午後Ⅰの過去問題を参考にしてもよいが、要件定義や設計は実務書を読んで仕上げるしかない。

合格するために必要な要素の確認

まずは、合格するために必要な要素(現状の知識や経験)のチェックです。次の 4 つのポイントは大丈夫でしょうか?

  1. 次の経験はあるか?
    • 要件定義工程
    • 設計(上流工程)
    • システムテスト(計画立案と実施)
    • 移行(計画立案と実施)
  2. 販売管理業務と生産管理業務に関する知識はあるか?
  3. 午後Ⅰの解答テクニック・解答スピードは十分か?
  4. 午後Ⅱ論文で何を表現したらいいのか?は理解できているか?

システムアーキテクト試験に合格するために必要な知識は、前述の通り、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱで異なります。

午前試験

午前試験をクリアするためには幅広い知識が必要です。したがって、まずは過去問題を使ってどのような問題が出るのか?を把握して、ひとまず解けるようにしなければなりません。とは言うものの、応用情報技術者試験の午前問題とさほど変わりはないため、クリアしている人は、同じ方法で現状維持できれば大丈夫です。

午後Ⅰ試験

午後Ⅰ試験をクリアするには、 SE としてシステム設計をした経験があれば、イメージできるでしょう。また、問題文の中に記載されていることを解答に使うことが多いので、問題文の状況を短時間で正確に把握する “読解力” が重要です。その時に必要になるのが業務知識です。特に、販売管理や生産管理業務がテーマになることが多いので、その知識を身に着けると短時間で解答できるでしょう。

午後Ⅱ試験

午後Ⅱ試験をクリアするには、午後Ⅰ試験とは異なる知識が必要です。同じ設計フェーズの問題でも、どのようにモジュール分割したのか?とか、どのような操作性を設計したのか?とか、視点が異なっているケースが多いのです。したがって、過去問題に目を通して、何が問われているのか?を把握することが重要です。

学習計画立案のための基本的な考え方

学習期間を最大 6 ヶ月間と考えて、その着手等をまとめたのが下図です。


この記事を読んだ時点での残りの期間によって、どこまでできるかは “差” がでますが、順番は次のように考えることをお勧めします。

looks_one午後Ⅱ問題文の読込み

システムアーキテクト試験は、「システムアーキテクトの経験はあるけれど、論文試験は初挑戦」の受験生が多いため、論文の準備に最も時間をかけることが対策の基本です。

そこで、まずは午後Ⅱの過去問題に一通り目を通しましょう。この試験は、(古くは “特種” と呼ばれる時代がありました)平成 6 年の “アプリケーションエンジニア” が前身ですが、試験センターのサイトから入手できる平成 16 年以後の問題で構いません。

過去問題に目を通して、「何が問われているのか?」、「何をアウトプットしないといけないのか?」を把握しながら、自分の今の知識や経験で「どの問題なら書けそうのか?」、「書けそうな問題がどれくらいあるのか?」などをチェックします。

looks_two実際に論文を書いてみる

そして、最も書けそうな問題を 1 問選定し、実際に 2 時間手書きで書いてみて、手ごたえをチェックします。

特に初めての論文試験という受験生は、実際に 2 時間かけて手書きで書いてみるのが一番です。少なくとも、「今受験したら 2 時間で何文字書けるのか?」、「どこで手が止まったのか?」などは把握できますし、うまくいけば「課題」も見えるかもしれません。まずはやってみることです。

そして、 2 時間を超えても、何時間かかっても構いませんから 1 本仕上げましょう。

その後、サンプル論文と比較したり、添削できる人に添削を受けながら「表現」にズレがないかを確認します。問われているケースと内容にズレがないか、具体的かどうか、(数値等を使っていて)客観性があるか、一貫性があるかなどです。

知識や経験がある問題には、自分の中にあるものを出すかどうかだけの違いです。「もっと具体的に書いた方が良い」と分かった時に、「じゃあもう少し詳しく書こう」となりますよね。答えはあるものの、単に “表現しなかっただけ” なので、ここを先に片付けるわけです。合格するための “表現” が理解できれば、その後、その “表現” ができるかどうかで、改めて過去問題をチェックし、次に書けそうな問題で同様にシミュレーションします。

なお、最初の 1 本には(スケジュールの図のテーマ 1 で書いている通り) 1 ~ 2 か月かけても構いません。ゼロを 1 にするフェーズなので、時間はかかりますし、かけるべきです。 2 つ目のテーマ、 3 つ目のテーマと進むにつれ、 1 本あたりにかける時間は短くなりますから大丈夫です。

他方、知識も経験もない(したがって書けそうにない)問題は経験することが難しいため、知識を身に着けて、その知識で書ききれるように準備します。この時の優先順位は、次の試験で出題されそうなテーマから順番に準備します。

午後Ⅱ対策の考え方はこのような感じです。ポイントは、できるだけ早くから着手することです。午前Ⅱや午後Ⅰを優先して午後Ⅱを後に回すと、最終的に論文だけが仕上がらなくなってしまいますからね。

looks_3午後Ⅰ対策

ある程度午後Ⅱ対策が進んだら、午後Ⅰ対策にも着手します。

システムアーキテクト試験では、午後Ⅰと午後Ⅱでは、問われることが ほぼほぼ 違います。プロジェクトマネージャや IT サービスマネージャのように、同じようなことが問われません。

午後Ⅰ試験では、要件にしたがって設計できるかどうかや、業務知識があるかどうかなど細かい部分が問われます。

但し、やるべきことは他の試験区分と同じです。

午後Ⅰ試験は “時間” との闘いなので、時間内に解けるかどうかを、過去問題を活用して確認していきます。

安定して合格点を十分超える点数が取れている場合は問題ありませんが、そうでない場合は、時間を十分にかければ解ける問題なのか、それとも時間をいくらかけても解けない問題なのかを切り分けます。前者の場合は、システムアーキテクト試験の午後Ⅰ問題を速く解く方法を身に着ける練習を行い、後者の場合は不足する知識を覚える練習を行います。

looks_4午前Ⅱ対策

最後に、午前Ⅱ対策です。

午前Ⅱ対策は、試験直前に一気にやると効率がよいので、試験直前 1 ~ 2 か月前から着手し、過去問題を解けるようにしましょう。

システムアーキテクト試験の午前Ⅱも、他の試験区分同様に独立性が高く、午前Ⅱ対策を進めていても午後Ⅰや午後Ⅱに役立つことはほとんどありませんし、問題数も少ないので直前でも十分間に合います。

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