システムアーキテクト 午後 2 論文対策 出題予想 トップ 5 |2022 年度
いよいよ試験まで 1 か月となりました。いかがでしょう、学習は進んでいますか?
この時期、本気で試験の合格を目指している方にとって、自分のこれまでの対策が順調かどうかはとても気になるところですよね。
そこで今回は、過去問題の中から “目を通しておいた方が良い” 問題を何問かピックアップしたいと思います。その問題とは、ズバリ次の 5 問です。
- 優先順位1
- 平成 29 年 問 2「柔軟性をもたせた機能の設計について」
- 優先順位2
- 平成 28 年 問 2「情報システムの移行方法について」
- 優先順位3
- 平成 24 年 問 2「障害時にもサービスを継続させる業務ソフトウェアの設計について」
- 優先順位4
- 平成 19 年 問 1「業務システムのセキュリティ対策の設計について」
- 優先順位5
- 「 API 連携やオープンデータを有効活用したシステム設計について」
システムアーキテクトの午後Ⅱ試験では、ざっくりと次の 4 つのテーマで出題されています。
- 要件定義
- 設計(システム方式設計、基本設計、外部設計など上流部分の設計)
- システム適格性確認テスト
- 移行
これらのテーマが、 “これまでは” “比較的” 順番に出題されることから、ある程度は予測できます。 もちろん、あくまでも予想なので … 確率論として、あるいは外れることを前提に考えなければなりません。 しかし、どうせ論文の練習をするのなら、得意な問題、経験した問題、書けそうな問題の次に、出題確率が高い問題にも対応できるようになるのは悪いことではありません。 そういう理由で、今回は、出題確率が高そうな問題をピックアップしてみたというわけです。
令和 3 年の出題は、問 1 ・問 2 が “要件定義” をテーマにしたものです。 その前の令和元年には “システム適格性確認テスト” が久しぶりに出題されています。 そのため、ローテーションで考えれば、令和 4 年は “設計” と “移行” ではないかなと思います。
要件定義をテーマにした問題が連続で出題されることは考えられるので、常時頭の片隅に置かなければいけませんが、システム適格性確認テストは、これまで連続もしくは 1 年あけて出題されたことはありません。 したがって、テスト関連の問題は優先順位を下げてもいいかなと思います。
もくじ
1平成 29 年 問 2 「柔軟性をもたせた機能の設計について」
“設計” をテーマにした問題で、かつ過去に出題された問題の中から最も出題されそうな問題となると、これかなと思います。
単なる設計ノウハウだけではなく “先を読む力” も問われていて、システムアーキテクトとしての力量が最も試される問題のひとつだからです。 顧客目線でみても「そこまで考慮してくれているんだ」と感心できますし、何より大きな利益ももたらせますしね。
アジャイル開発でも必要な部分で、 “DX” の問題とも絡めやすいので最優先にもってきました。
2平成 28 年 問 2 「情報システムの移行方法について」
“移行” をテーマにした問題も定期的に出題されています。 最後に出題されたのが平成 28 年のこの問題なので、そろそろ出題されてもおかしくありません。
令和になって、情報処理技術者試験で “DX” を重視するという方向になっているのは、以前お話しした通りです *。 IT ストラテジスト試験やプロジェクトマネージャ試験ほどではないにせよ、このシステムアーキテクト試験でも例外ではありません。
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そんな中、移行をテーマにした問題は、アジャイル開発を絡めた問題が作りやすいので、 DX 関連の問題としても出題されやすいと思うのです。
そうすると、これまで出題されてきたウォータフォール型システム開発時の移行ではなく、アジャイル開発時のリリースとして出題されるかもしれません。 そう考えれば、この問題に加えて、 IT サービスマネジャ試験の令和元年 問 1 「環境変化に応じた変更プロセスの改善について」を “開発チーム側の目線” で想定しておくとベストだと思います。
3平成 24 年 問 2 「障害時にもサービスを継続させる業務ソフトウェアの設計について」
“設計” をテーマにした問題では、非機能要件の信頼性に関するものも出題可能性は高くなると思います。
近年、自然災害やパンデミック、戦争さえも身近に感じるようになりました。 その一方で、社会基盤における情報システムの重要性も増しています。
そうした社会的背景から BCP の策定と、それを考慮した設計という観点からも、いつ出題されてもおかしくはありません。
4平成 19 年問 1 「業務システムのセキュリティ対策の設計について」
ここ数年、情報処理技術者試験で “重視” すると公表されているのは “DX” 関連だけではありません。情報セキュリティも忘れてはいけません。
重要なデータを扱うシステムでは、情報セキュリティポリシに準拠した開発が求められます。 もう長い間出題されていませんが、オワコンというわけではありません。
5「 API 連携やオープンデータを有効活用したシステム設計について」
最後は過去問題ではありません。 新規の問題ですが、開発の高度化及び効率化が進む中、 API 連携やオープンデータの活用を前提にしたシステム開発が増えていることを考えれば、フォーカスした問題が出題されるかなと考えています。
分類的には、パッケージ導入の問題に近いかもしれません。
こういう開発経験がある人は、イメージしておくと良いと思います。
まとめ
情報処理技術者試験の論文対策は、何かしら特定のテーマに対して論文を準備することではありません。 まったく同じ問題が出るのなら、そんな対策でも合格できるかもしれませんが、全く同じ問題が出たことはありません(よく似た問題は、たまに出ていますが)。
そうではなく、真の論文対策とは次のような手順によって、初見の問題でも合格論文が書けることを目指すものです。
- (経験したことについて)論文で求められているレベルで表現できるようになること
- 具体的に表現するということ(どこをどのレベルで具体化すればいいのか?)
- 客観的に表現するということ(どこをどのように客観性を持たせるのか?どこに数値を使うべきか?)
- 初対面の第三者にわかりやすく表現するということ( 5 W 1 H をどう使うのか?)
- 未経験のことでも、疑似経験として上記のレベルで表現できるようになること
システムアーキテクト試験の受験者は “論文初挑戦” の人も多いと思います。 仮にそうなら、まずは「自分の経験したこと」で、上記の a. を目標に仕上げなければなりません。
そして、その感覚が掴めれば、後は、問題ごとに “その表現ができるかどうか?” をチェックして、書けそうにない問題に対してどうするかを決めていきます。 捨てるのか、それとも情報収集して作り込んでいくのか。
その時に、優先的にこれらの問題についても考えてみるといいでしょう。
そこに至ってはじめて、出題される可能性が高い問題に目を通すことに価値が出てきますからね。
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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