データベーススペシャリスト 午後Ⅱ(午後2)記述式 王道の解き方


2021-08-02 公開

情報処理技術者試験の高度系の記述式問題(午後Ⅰ、論文系以外の午後Ⅱ)は、試験区分によって、速く解くための “解答手順” が異なります。そのため、いくら他の高度試験に合格しているからと言って、その “解答手順” が他の試験区分に通用しない可能性があるのです。過去の成功体験が、必ずしも次につながらないということですね。

データベーススペシャリスト試験の午後Ⅱの特徴

データベーススペシャリスト試験の午後Ⅱ試験では、他のテクニカル系試験同様 … 2 問出題されるのですが、現在は、次のようなパターンで出題されています。

  • 物理データベース設計が 1 問
  • 論理データベース設計(概念データモデルと関係スキーマ)が 1 問

いずれも図表が多く、問題文の構成要素もそれほど大きく変化するわけではありません。毎年、同じような文章の構成要素です。

この特徴はデータベーススペシャリスト試験ならではで、他の試験区分と大きく異なる部分です。例えば、同じテクニカル系の試験区分でも、ネットワークスペシャリスト試験や情報処理安全確保支援士試験では、テーマによって用いられる図表は異なりますし、段落の構成要素にもパターンのようなものはありません。

しかし、データベーススペシャリスト試験では、毎回同じような図表になるのです。

また、時間が足りなかったり、分からなかったりで “空白が目立った答案用紙” でも、案外合格点が取れているのも、この試験の特徴の一つです。数学と同じように答えが一意になる設問が多いため、答案用紙を埋めた解答の正答率が高いからだと思います。解答用紙に書いたものがほとんど正解になるので … 「なんか空白が目立つ」というケースでも 60 点はクリアできているというわけです。自分の書いた解答が全部正解なら、 4 割は空白でもいいわけですからね。

データベーススペシャリスト試験の午後Ⅱを突破するための王道の解き方

データベーススペシャリスト試験の午後Ⅱ試験では、まずは「問題文の構成パターン、図・表、設問で問われることなどが、前年度と同じか否か?」という点を確認します。違っていたら、自分が学習した過去問題の中に存在していたパターンか否かというところにまで広げて考えます。

そして、同じであれば(覚えのあるパターンなら)、練習どおりに時間配分を行い、粛々と解いていきます。

そうでなければ、多くの受験生も知らない初見のパターンなのか、それとも自分だけが知らないだけなのか?を、さらに切り分けます。そして、前者の場合は問題文中に必ずヒントが隠れているので、余裕をもって時間を割り当てて確実に得点できるような戦略を取ります。後者の場合は、それ以外のところで確実に 60 点以上取れるように戦略を取るといいでしょう。

ただ、この時に、前述した “空白が目立った答案用紙” でも、案外合格点が取れているという点を思い出し、時間が足りなくなっても構わない、全部埋めなくても構わないという気持ちを持つことも大事になります。

データベーススペシャリスト試験の午後Ⅱを突破するための王道の対策

続いて、王道の対策をご紹介します。

基本的には、試験本番時に「王道の解き方」ができるように準備をすることになります。

looks_one直近の過去問題を徹底的に理解する

前述の通り、データベーススペシャリスト試験の最大の特徴は、午後Ⅱの問題が定番の問題になるので … 午後Ⅱ対策の基本はズバリ、次のようになります。

“直前試験の問題を徹底的に理解する”

ここが、他の試験区分と大きく異なる点です。

他の高度系区分のほとんどは、何種類もの出題分野があって、それらが順番に満遍なく出題されます。例えば、プロジェクトマネージャ試験だと “品質管理” 、 “進捗管理” 、 “調達管理” … という感じですね。それゆえ、「前回は調達管理の問題だったから、しばらくは調達管理の問題は出ないよね」と考えて対策を組み立てるのが王道です。

しかし、データベーススペシャリスト試験は違います。

問題の対象業務や対象システムは毎回変わりますが、問題文の構成や設問、図表は前回と大きく変わりません。したがって、 “直前試験の問題を徹底的に理解する” ことができれば、そこそこ同じパターンで解くことができるため、大崩れしないのです。

そういう理由より、まずは直前試験の問題を徹底的に理解しましょう。

looks_two順番に過去問題を遡っていき、差分を理解する

直前試験の問題が十分理解できたら、次に、そのまたさらに前年度の問題に目を通します。

時間を計測して解いてみて、時間内に解けるかどうかを確認するのも良いですし、時間が無ければ、問題文と解答と解説を熟読するだけでも構いません

時間の許す限り、 1 年 1 年遡っていきます。

直前試験の問題が強く記憶できていれば … さらに前年の問題を見た時に、比較して差分が把握できます。「あれ、この図は直前の問題には無かったな」という感じです。

そうした差分が見つかれば、その差分を順次理解して覚えます。

looks_3定期的に思い出し、定期的に再チェックする

そして、定期的に … 午後Ⅱの過去問題と解答例、及び上記で学んだポイント(解説等)を思い出しましょう。

日記のように手帳にスケジュール等を書き込んでいる人は、それを頼りに思い出すのでも構いません。思い出すだけなら脳内だけで出来るので、いつでもどこでも … ちょっとした数分間でもできますよね。それを徹底的に。そして、思い出せなかったものはノートや参考書、過去問題などを再度確認します。

午後Ⅰのことも考えれば、問 1 、問 2 の両方とも。午後Ⅱ試験で選択するのはどちらか 1 問ですが、午後Ⅰ試験では両方(を解くために必要な知識)が問われる可能性が高いですからね。午後Ⅰ試験の対策を兼ねて両方です。

但し、思い出す対象(覚える対象)は、物理データベース設計の問題と論理データベース設計の問題では微妙に違ってきます。

物理データベース設計の問題では、図表とその内容を中心に思い出します。思い出せなかったら問題文を再確認します(もちろん一言一句誤りの無い丸暗記は不要です。だいたいでいいので)。そして設問を思い出し、その設問の解き方まで覚えていたらオッケーです。

論理データベース設計の問題(概念データモデルと関係スキーマを完成させる問題)は、問題文中の “業務の説明” 部分の中にある次の箇所を思い出します。

問題文の記述
→ 概念データモデルに付け加えるエンティティ、リレーションシップ
問題文の記述
→ 関係スキーマに付け加える属性や主キー、外部キー
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