プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ(午後1)記述式 王道の解き方
情報処理技術者試験の高度系の記述式問題(午後Ⅰ、論文系以外の午後Ⅱ)は、試験区分によって、速く解くための “解答手順” が異なります。そのため、いくら他の高度試験に合格しているからと言って、その “解答手順” が他の試験区分に通用しない可能性があるのです。過去の成功体験が、必ずしも次につながらないということですね。
もくじ
プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰの特徴
プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰ試験には次のような特徴があります。
- 問題は時間経過とともに流れている
- 設問は、各段落に 1 対 1 で対応付けられていることが多い
- 1 ページ目にプロジェクト概要があることが多い
最大の特徴は、問題文が時間とともに流れていることが多い点です。そのため、設問も各段落に 1 対 1 で紐づけられ(具体的には、設問の最初に段落のタイトルが付いている)、設問 1 から “順番” に問われています。
また、多くの場合、論文同様 1 ページ目にプロジェクト概要が書かれているので、そこで、プロジェクトの内容を正確に把握しなければなりません。
プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰを短時間で解答するための王道の解き方
このような特徴があるので、問題文を読んで設問 1 から順番に解いていくという … 最もオーソドックスでシンプルな解き方になります。具体的には、次のような手順で解答していくことになるでしょう。
- 設問 1 を読んで、何が問われているのかを理解する
- 問題文を最初から、対応する段落の最後まで読み進める
- 設問 1 を解答する
(ここまで図 2 )
- 次の設問を読んで、何が問われているのかを理解する
- 続きの段落から、対応する段落の最後まで読み進める
- 設問を解答する
- 全ての設問に答えるまで 2. を繰り返す。
但し、 “いかに速く解くか?” を考えなければなりません。そのために意識しなければならないことは … 同じところを何度も読み返さないようにすること。つまり、初見の時にしっかりとマークすることです。
初見の時にしっかりと “マーク” する!
一度、読んだところのうち、設問に絡んできそうな部分や解答になりそうな部分に反応して、しっかりとマークできるようにしておきましょう(図 3 )。
「どこにマークすべきか?」という … その感覚を磨いていくのが午後Ⅰ対策だとも言えます。
具体的には、過去問題を解いた後に、解答と “なぜその答えになるのか?” を確認すると思いますが、その “なぜその答えになるのか?” という点のうち、問題文中に記載されているところが対象になる場合は、そこが典型的な “マークする箇所” になります。
過去問題を使って練習しているうちに “マークの精度” も上がってくるはずです。マークの精度が高まれば(多くなり過ぎず、かつ、漏れもなく … 解答に関連する部分にピンポイントでマークできるようになれば)、 問題文を読む回数が減り解答速度がどんどん速くなるでしょう。結果、短時間で解けるようになります。
なお、マークする部分には、個々の試験区分固有のものもありますが、次のような全区分共通のものもあるので覚えておきましょう。
- わざわざ聞きもしないのに書いているところ
- 「~していない」など否定しているところ
- 逆に「~している」と不自然に強調しているところ
- 「なお」、「ところで」など付け足しているところ
- 図表の注釈部分
- 普段と粒度の違う記述
- 普段は属性のレベルでは書いていないのに、今回は書いているなど
過去問題をたくさん解いた人が、徐々に速く正確に解けるようになるのは…「あ、またこの記述か。これ設問に絡んでくるな」と、それまでの教訓をいかしたり、逆に「あれ、いつもならこんな記述はないのに」という違和感を覚える部分に反応出来たりするからです。
慣れてくれば、問題文を読むだけで設問と解答を想像できるようにもなります。
但し、「マークする部分を増やす」という目的意識が無ければそうならないので、必ず、その目的意識をもって午後Ⅰの過去問題に取り組みましょう。
想像できなかった設問の確認
それともうひとつ。
プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰの … これも特徴の一つだと思うのですが、解いている時は全く答えがわからず難問だと感じていたのに、解答例を見た時に…
「なんだよ、そういうことか!」
「おい、そっちかい!」
という気持ちになる設問が、そこそこ多いことです。
そういうケースは、問題を作成する側の問題で、設問で問われていることの意図が理解できなかったりするもので…中には無視してもいい設問もあるのですが、当たり前すぎて答えが出てこなかった場合なんかもあるので…せっかくなので、
「そういや、こんな設問もあったよな」
と思い出しましょう。
まとめ
プロジェクトマネージャ試験の場合、午後Ⅰもかなりの激戦区になります。
経験者が多く、必要な知識に関しては十分な受験生が多いからです。
したがって、 “なんとなく、ある程度は解ける” ことが裏目になって、明確な目的意識をもって午後Ⅰ対策を行わない受験者も少なくありません。結果、「あと 2 点足りなかった … 」とか「あと 1 問正解していれば … 」とか、もう一歩のところで残念な結果に。最悪の場合、その「あと 1 問正解する」ための対策が見えないまま、何年も合格できないことも。
そうならならいように…
「マークする部分を増やす」、「過去問題で設問になった解答を覚える」など、明確な目的意識をもって午後Ⅰ対策をしていきましょう。
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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