プロジェクトマネージャ試験の特徴と難易度
この資格は、言うまでもなく「プロジェクトマネージャ」を対象とする資格です。試験開始以来、常に「企業が取得させたい資格」の上位に位置している人気資格の一つです。プロジェクトが成功するか否かは、プロジェクトマネージャの手腕にかかっていますからね。企業側も社員に取得してほしい、学んでほしいと考えるのは当然かもしれません。プロジェクトの成功は、利益の確保そのもの。顧客に利益をもたらし、自分の働いている会社にも利益をもたらす … まさに HERO の持つ資格だと言えるでしょう。
受験者層
受験生の多くは、普段からプロジェクトマネージャとして従事したり、プロジェクトメンバとして身近なプロジェクトマネージャ(上司や先輩)を見ています。したがって、経験もしくは一定の知識を既に持っています。
加えて、他の高度系試験に合格している人も少なくありませんし、人気資格がゆえに、しっかりと合格を目指して勉強してきている人、しっかりと論文対策などをしている人が多い印象があります。モチベーションはデータとして表に出ませんが、試験対策をしている立場にいると、そう見えます。他の試験区分よりも “本気度” が高い受験生が多いですね。所属企業からの期待やプレッシャーも高いからでしょう。
したがって、知識と経験を既に持っている人で、かつモチベーションが高い人たちの中で、どうやって勝ち残るのかを考えて、対策を練ることが重要だと思います。
難易度
前述の通り、受験生のポテンシャル(潜在能力)が高く、人気資格がゆえに(あるいは会社からの期待や圧力によって)モチベーションも高いため、難易度は相対的に高いと考えておいた方がいいでしょう。
後は … 手前味噌で申し訳ないのですが … しっかりと体系化された勉強しやすい試験対策本を翔泳社が出しているので、全体的にレベルが高いのかもしれません。
合格に必要な対策の概要
以上より、「仕事でプロジェクトマネジメントしているから」と言って勉強せずに受験しても、なかなか合格できない試験区分だと考えておいた方がいいでしょう。情報処理技術者試験の高度系区分の中には、日頃、実務で従事している場合、特に勉強もせずに合格できる試験区分もあります。
しかし、プロジェクトマネージャ試験はそうではないと考えて、しっかりと準備すべきでしょう。
普段のマネジメントが、情報処理技術者試験で正解としているマネジメントに近ければ、 “出たとこ勝負” でも大丈夫かもしれませんが、そうでない場合やどうかわからない場合には厳しいかもしれません。実際に、そういう人をよくみます。
逆に、未経験者でもしっかり時間を費やして知識を身に着けた人は合格できています。
したがって、経験者でも、改めて基礎から学び、普段自分が実施していることとすり合わせをしながら進めていくべきでしょう。
なお、具体的には、しっかりと体系化された PMBOK ® や JIS Q 21500 、シラバス等があるので、そうした知識を身に付けたうえで、プロジェクトを遂行する過程に存在するリスクや、課題への対応策をストックしていくという対策が王道です。
これまでの情報処理技術者試験のキャリアが活かせるか?
最後に、これまでの情報処理技術者試験のキャリアが活かせるかどうかを説明しておきます。情報処理技術者試験を “点” ではなく “線” で考えている人は参考にしてください。
過去の受験区分 | 合格しやすさとおススメ度 |
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(1) AUシステム監査技術者 (2) |
(合格しやすさ:★★★おススメ度:★★★) これらの 2 区分は、プロジェクトマネージャ試験よりも上位と考えられる試験区分です。したがって、原則は余裕をもって準備できると思いますが、これらの区分に合格したから大丈夫だろうと油断して、そこそこしか勉強しなければ足元をすくわれるでしょう。午後Ⅰの解き方も違いますし、論文の意識するポイントも異なるので、油断せずに真摯に取り組みましょう。そうすれば、特に(合格は)難しくはないでしょう。 |
(3) SAシステムアーキテクト (4) |
(合格しやすさ:★★おススメ度:★★★) 春の試験区分でこれらの試験区分に合格したり、対策していると、論文共通の部分を学習できているので有利です。また、ITサービスマネージャ試験であれば午後Ⅰの解き方はほぼ同じなので、その対策の延長線上に学習を進められます。但し、これらの試験区分は論文の出来が悪くても合格論文になることがあるので、もう一段階ギアを上げた取り組みが必要でしょう。 |
(5) AP応用情報技術者 (6) (7) (8) (9) |
(合格しやすさ:★おススメ度:★★★) これらの区分の次にプロジェクトマネージャ試験を受験するのは普通の選択です。午前Ⅰの免除期間であっても、特に合格しやすいわけではありません。午前Ⅱの勉強方法は他の高度系区分と変わりません。しかし、午後Ⅰと午後Ⅱは全く違うのでしっかりとした対策が必要です。午後Ⅰ対策を通じて、プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰの解き方を会得し、一から論文対策をして備えましょう。 |
(10) FE基本情報技術者 (11) |
(合格しやすさ:-おススメ度:-) この 2 区分はいずれもレベル 2 です。レベル 3 の応用情報を飛び越してレベル 4 に挑戦する場合、合格は不可能ではありませんが、合格するには、午前Ⅰの突破をはじめ “かなりの勉強時間” が必要です。何かしらこの資格を必要な理由がある場合以外はおススメできません。 |
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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