プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ(午後2)論文 王道の書き方
プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅱ論文は “表現力勝負の戦い” になります。というのも、実務経験者もしくは、実務経験者を間近で見ている人がほとんどで、題材には困らない受験生が多いからです。
また、情報処理技術者試験の中でも人気資格なので競争は激しく、何度か論文試験を受験している人や、システムアーキテクト試験に合格している受験生も多くいます。このため論文共通部分スキル(具体的でかつ第三者に伝えるための要素を含めた表現ができる)は、ある程度出来ている人が多いという特徴もあります。
したがって、他の受験生よりも頭一つ抜け出すためには、いかに題意に沿った内容にするか、いかに採点者に正確に伝えるか、考えなければなりません。
そのポイントは、ザックリ言うと次のようになります。
- 一貫性のある内容にする
- 問題文の趣旨を正確に読み取る読解力
- 図表を正確に “文章” で表現する
looks_one一貫性のある内容にする
どの試験区分でも一貫性は必要ですが、特にプロジェクトマネージャ試験の場合は注意をしなければなりません。というのも、プロジェクトマネジメント自体がテーラリングを重視しているからです。
テーラリングとは、ザックリ言うと、プロジェクトの特徴を踏まえて標準をカスタマイズ(アレンジ)することです。そのため、この試験を大きくとらえると次のようになるのです。

これが、設問アで「プロジェクトの特徴」が問われている理由になります。
これを踏まえると、論文の中に表現するのは次のようになります。
例えば、「通常なら、外部設計工程は 3 か月あれば十分のところ、今回はプロトタイプを作成して、そこで実際に操作をしてもらいながら進める必要があり、その結果改善要求が発生し改善しなければならないため、それらの期間を加味して 4 か月確保することにした。」みたいな感じですね。
全ての問題において、この表現を意識しましょう。
looks_two問題文の趣旨を正確に読み取る読解力
筆者の膨大な添削を通じて得た経験上の知見にはなりますが、最も多い不合格理由のひとつは “題意に合っていない” ことではないでしょうか。その部分をかなり指摘させていただいています。
ある程度まで意味が理解できるので早合点をしてしまうのか、 PMBOK ® 等により標準化された言葉の定義と日頃使用している言葉の定義が微妙に異なるのか、理由はいくつかありますが、問題文の読み違えや勘違いによる失敗が多いのです。
それゆえ、まずは過去問題をしっかりと読みこんで、解説を確認し “題意” を正確に把握するという練習が必須になります。一度、勘違いだと認識できれば、試験本番での勘違いは無くなりますからね。
looks_3図表を正確に “文章” で表現する
それと、次に多いのが「いろいろ書いているけれど、よくわからない」という論文です。
おそらく書いている本人は、ちゃんと説明しているつもりで書いているのでしょうが、それが上手く伝わっていないケースです。
プロジェクトマネージャ試験では、問題が発生した時の対策や、そうならないように計画したことが、頻繁に問われます。
実務でもそういうケースが少なくはないし、受験生も実際に経験したことなので、題材には困らないようですが…うまく伝わっていないのです。
その原因は、実務と論文試験の違いにあります。
よくよく考えてみてください。実務の場合、文章だけで表現することは NG とされていて、わかりやすいように、誤解を招かないように図表を中心に作成していますよね。計画表も進捗管理表も、体制図も。
しかし、論文試験では文章だけで説明しなければなりません。
そのため、それをしっかりと練習していないと「文章だけでは、よくわからない」計画変更になってしまったりするわけです。
そうならないように、図表を頭にイメージしながら、それを文章で表現する練習をしっかりとしておきましょう。
ちなみに、「論文試験では文章だけで説明しなければなりません」と書きましたが、それがベターではあるものの、図表を書くことが禁止されているわけではありません。筆者は何度も図表を書いて合格しています。図表を書いて不合格になったことはありません。ただし、図表を書いたとしても、それを言葉でも説明していますし、最近は、図表を書いても見にくいので書くことをやめていますが。
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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