情報処理技術者試験 全区分共通 王道の午前対策
情報処理技術者試験の午前の試験(以後、午前試験という)は、次のような出題形式になります。短文の問題文と 4 つの選択肢があり、そこから最適だと思われる 1 つの選択肢を解答します。この形式は全試験区分で共通です。
JIS Q 21500:2018 (プロジェクトマネジメントの手引) によれば,プロジェクトマネジメントのプロセス群には,立ち上げ,計画,実行,管理及び終結の五つがある。 これらのうち, “変更要求” の提出を契機に相互作用するプロセス群の組みはどれか。
ア 計画,実行 イ 実行,管理
ウ 実行,終結 エ 管理,終結
問題数は試験区分ごとに異なり、高度系になると午前Ⅰと午前Ⅱに分かれたりもしますが、出題形式は変わりません。
ちなみに、選択肢はあいうえお順に並んでいます(数字の場合は昇順、アルファベットも abc 順、図形の場合は知りません)。
詳細は、 IPA 公表の 試験要綱 を確認してください。
もくじ
受験する区分の出題傾向を把握する
午前試験の対策として最初に行うのは、受験する区分の出題傾向を把握することです。
毎年、 IPA の狙いによって微妙に傾向も変わりますが、大きく変わる場合には事前に何かしらのアナウンスがあるので、そういう発表が無い場合、これまでの出題形式を前提に準備しておいて問題はないからです。
午前試験の問題は、毎年、新たに作成される問題(以下、新規問題という)もありますが、それは全ての問題ではなく、過去に出題されたことのある問題(以下、過去問題という)が繰り返し出題されることも少なくありません。ざっくりと分類すると、次のようになります。
- 過去問題と、ほぼ同じ問題
- 過去問題で使用されたキーワードを理解していれば正解できる新規の問題
- 全くの新規問題
1. ~ 3. の割合は試験区分によって異なるため、受験する試験区分の割合を把握したうえで、過去問題に目を通すだけでいいのか、それとも何かしら別の情報をもとに学習する必要があるのかを判断して、試験対策に反映させます。
また、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は範囲が広いため、どういう分野の問題が何問くらい出題されているのかを把握して、試験対策に反映させます。特に、苦手分野がある場合や、業務で経験していない分野がある場合には、そういう分野を中心に戦略を練ります。
一方、高度系の午前Ⅱ試験では、自区分の問題の比率を知ることが重要になります。自区分の過去問題だけを解いておけばいいのか、応用情報技術者試験の過去問題や、情報セキュリティスペシャリスト試験の過去問題にも目を通しておく必要があるのかを判断するためです。
まずは、過去問題がそのまま出題された時に確実に正解できるようにしておく
午前対策として、誰もが行っている最もオーソドックスな対策が、過去問題を使った学習になります。これは、どの参考書にも書いていることですし、どの参考書にも過去問題とその解説が掲載されているはずです。
加えて、過去問題がそのまま出題されることがそこそこあるので、まずは全く同じ過去問題を、確実に正解できるようにしておくという戦略をお勧めします。丸暗記というか…目に焼き付けるというか…正確で深い理解は後に回して、まずはここからですね。
前述の 1. ~ 3. の分類でいうと、まずは 1. の問題を確実に正解できるようにしておくということです。
というのも “過去問題” と簡単に言いますが、どの試験区分でも問題の数がとても多いからです。どの試験区分でも、対策の中心は “午後” なので、午前対策ばかりに時間をかけられません。
正確な理解は、午後対策を通じて行ったり、長期的な視点で補おうと考えるのがベスト。全ての過去問題に一通り目を通して、「同じ問題なら正解できる」ところまで一旦もっていっておき、それでも時間が余った時に理解を深めていくといいでしょう。繰り返しになりますが…長期的視点で考えていきましょう。間に合わなければ、試験終了後に出題された問題だけに絞って、たっぷりと時間をかけて正確に理解してもいいわけですからね。
まずはここからです。
過去問題を正確に理解する
全ての過去問題に対して、過去問題がそのまま出題された時に正解できるようになったら、次に目指すべきことが、正確に理解することです。
“当てもの” ではなく、正しく、時により深い知識を得るために時間を使います。前述の 1. ~ 3. の分類でいうと 2. の問題に対しても正解できるようにしておくということですね。
a) 計算問題
サンプリング周波数 40 kHz,量子化ビット数 16 ビットでA/D 変換したモノラル音声の1秒間のデータ量は,何 k バイトとなるか。ここで,1k バイトは 1,000 バイトとする。
ア 20 イ 40 ウ 80 エ 640
このような計算問題や何かしらの規則がある問題なら、計算式や規則性を含めて理解します。
b) 選択肢に 4 つのキーワードがある問題
W3C で仕様が定義され,矩形や円,直線,文字列などの図形オブジェクトを XML 形式で記述し, Web ページでの図形描画にも使うことができる画像フォーマットはどれか。
ア OpenGL イ PNG ウ SVG エ TIFF
選択肢に 4 つのキーワードがある問題は、 4 つの選択肢のすべてについて理解しましょう。正解の選択肢について正確に理解するのはもちろんのこと、次回の試験で、正解以外の選択肢について出題されるケースが少なくないからです。
c) 問題文の用語に対して適切なものを選ぶ問題
NoSQL の一種である,グラフ指向 DB の特徴として,適切なものはどれか。
- ア
- データ項目の値として階層構造のデータをドキュメントとしてもつことができる。また,ドキュメントに対しインデックスを作成することもできる。
- イ
- ノード,リレーション,プロパティで構成され,ノード間をリレーションでつないで構造化する。ノード及びリレーションはプロパティをもつことができる。
- ウ
- 一つのキーに対して一つの値をとる形をしている。値の型は定義されていないので,様々な型の値を格納することができる。
- エ
- 一つのキーに対して複数の列をとる形をしている。関係データベースとは異な り,列の型は固定されていない。
2. とは逆に、問題文に一つの用語が書いてあり、その説明を選択肢から選ぶような問題でも 4 つのことを理解した方が良い問題もあります。
全ての問題がそういうわけではありませんが、正解以外の選択肢の説明が問題文の用語とは別のものの説明になっていることがあるからです。これも 2. と同様、問題文の用語を変えて新たに別の問題として作成することが可能です。そういう “理解してれば正解できる新規問題” でも、過去問題を通じてしっかりと理解しておけば正解できますからね。
過去問題以外の知識を入れておく
以上のような対策をしていれば、通常は普通に合格点は取れるはずです。
したがって、それ以上の対策は必要ないのですが…特に、他にやることもなければ、新規問題に対しても正解できるようにもっていっておけば万全です。満点を狙うもよし、午後対策としてやるのもいいでしょう。前述の 1. ~ 3. の分類でいうと 3. への対応です。
全くの新規問題に関しては、各試験区分によってやるべきことが違ってきますが、共通しているのは次のようなものでしょう。
- IPA 公表の情報にアンテナをはっておく
- 最新の試験要綱やシラバスをチェックして、未出題のキーワードを調べる
- 日頃から IT 関連のニュースにアンテナをはっておく
各区分の午前Ⅱ対策
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
-
- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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