ITサービスマネージャ 午後1午後2 解くべき過去問 2023年度 ~3月にやるべきこと


2023-03-03 公開

いよいよ試験まで 1 か月となりました。 いかがでしょう、学習は進んでいますか?

この時期、本気で試験の合格を目指している方にとって、自分のこれまでの対策が順調かどうかはとても気になるところですよね。 今回は 1 か月前ということもあり、午後Ⅰと午後Ⅱは推奨問題を紹介しています。

3 月の方針

今回も、まずは今月の方針を確認しておきましょう。

全体スケジュールと照らし合わせて、これまでの進捗状況を確認します。 そして「今月は何をすべきか?」を考えましょう。

info IT サービスマネージャの学習計画に関する記事

IT サービスマネージャ 学習計画と対策

午前Ⅱ
今月の中旬あたりから開始!
午後Ⅰ
引き続き継続。
午後Ⅱ
引き続き継続。
必要知識の補充
引き続き継続。

午前Ⅱ

午前Ⅱ対策は、試験の 1 か月前を目途に着手することをお勧めしています。 今月の中旬あたりからですね。 午前Ⅱの過去問題に着手しましょう。 IT サービスマネージャ試験の午前Ⅱは、 ITIL® や JIS 規格のバージョンによって問題も変わるので、直近の問題を中心に解いていくのが王道です。 過去 5 期分をしっかりと理解しておきましょう。 過去には 3 期前の問題が集中的に出題されていた年度もあります。 そこだけでは危険すぎるので、平成 29 年以降の問題には目を通すべきでしょう。

それと、 ITIL® 関連の問題は、そろそろ ITIL® 4 に切り替わるかもしれません。 前回(令和 4 年)の ITIL® の問題は、まだ ITIL® 2011 edition からの出題でした。 3 問出題されています。 ITIL® 2011 edition は、その名称からも明らかですが 10 年以上前の企画です。 ITIL® 4 が公表されたのは 2019 年で、しかも IPA が重視している DX を意識しています( DX 時代の包括的ガイダンスと言われている)。 ITIL® 4 がこれまでの概念とどう違うのか、午前対策としても 1 冊わかりやすい本を読んでいてもいいかもしれません。

午後Ⅰ

午後Ⅰは、時間内に正確に解答できるようになったでしょうか? まだという人は、引き続き過去問題を使って練習を続けましょう。

また、 IT サービスマネージャの午後Ⅰ試験では、いくつかの分野に分かれて出題されるので、それぞれの分野を押さえる必要があります。 直近 3 年間の出題は次の通りです。 バラエティに富んでいるのがわかると思います。

令和 4 年 令和 3 年 令和元年
問 1 サービスレベル管理 供給者管理 継続的サービス改善
問 2 容量・能力管理 セキュリティ管理 変更管理と構成管理
問 3 サービスの移行 ファシリティ管理 障害管理

ここから令和 5 年に出題されそうな分野を推測してみましょう。

優先順位1
平成 29 年 問 2 「問題管理・変更管理」
優先順位2
平成 28 年 問 2 「インシデント管理」
優先順位3
平成 30 年 問 2 「リリース及び展開管理」
優先順位4
平成 30 年 問 1 「 IT サービスの継続性」
優先順位5
令和 03 年 問 2 「情報セキュリティの管理」
優先順位6
平成 30 年 問 3 「サービスデスク」

IT サービスマネージャの最重要分野ともいえる障害への対応の問題が、ここ 2 年程出題されていません(令和 3 年にはセキュリティの問題(問 2 )でセキュリティインシデントは発生していますが)。 仮に前年度出題されたとしても押さえるべきテーマにもかかわらず、 2 年間出題されていないことから「インシデント管理」と「問題管理」に関する問題には最優先で目を通した方がいいでしょう。

そして、リリース及び展開管理をテーマにした問題も押さえたい分野の一つです。 DX 関連の開発ではアジャイル型のプロジェクトと相性がよく、その場合、開発課と運用課の役割が違ってくるからです。 平成 30 年問 2 で、その変化を把握すると有益でしょう。

また、 IT サービス継続性に関する分野も押さえるとよいと思うので 3 番目に入れました。 午後Ⅱでは、前回の令和 4 年の問 1 で出題されています。 採点講評では「出来が良かった」ように書かれていますが、その一方で、経験と知見の不足が少なくなかったとしているので、そういう時に午後Ⅰで出題されることがあります。 昨年論文で不合格だった人が今年も受験することを考えると、午後Ⅰで出題されてもおかしくありません。

セキュリティに関しても最重要分野の一つなので、毎年出題される可能性があります。 加えてサービスデスクに関しては、平成 29 年、平成 30 年と 2 年連続で出題されているのですが、それ以降は出題されていません。 これもそろそろかなと思います。

午後Ⅰの「表」

そして最後に、 IT サービスマネージャ試験の午後Ⅰ試験で押さえておくべき重要なポイントがあります。 それは「表」です。 平成 26 年以降、多くの問題で様々な手順に関する「表」が使われています。

平成 26 年度 問 3
表 1 インシデント発生時の対応手順
平成 27 年度 問 2
表 2 サービス要求に関する対応手順
平成 28 年度 問 3
表 2 インシデント対応手順
平成 29 年度 問 1
表 4 POS レジに故障が発生した場合の回復手順
平成 29 年度 問 2
表 1 K 社の問題管理プロセスの手順
平成 30 年度 問 3
表 2 インシデント対応の手順
令和 01 年度 問 1
表 2 H 社の継続的サービス改善の手順

これらの表は標準的な手順になるので、知識として押さえると有益でしょう。 午後Ⅱでも使える可能性も高く、穴埋め問題で出題された時には容易に得点できます。 上記の表には全部目を通すことをお勧めします。

午後Ⅱ

ITサービスマネージャの午後Ⅱ試験でも、いくつかの分野から出題されています。 ざっくり分類すると、次の 6 つのテーマです。

  • 資源(リソース)管理
  • 運用体制
  • 利用者対応(サービスデスク等)
  • インシデント対応、再発防止策、 BCP 関連
  • 移行、リリースマネジメント
  • 改善

これらのテーマが、 “これまでは” “比較的” 順番に出題されていることから、ある程度は予測ができます。 もちろん、あくまでも予想なので … 確率論として、外れることも前提に考えなければなりません。 しかし、どうせ論文の練習をするのなら、得意な問題、経験した問題、書けそうな問題の次に、出題確率が高い問題にも対応できるようにするのは悪くありません。 そういう理由で、今回は、出題確率が高そうな問題をピックアップしてみました。 それが次の問題です。

優先順位1
平成 24 年 問 1 「重大なインシデントに対するサービス回復時の対応について」
優先順位2
平成 17 年 問 3 「情報漏えいに関する対策について」
優先順位3
令和 元 年 問 1 「環境変化に応じた変更プロセスの改善について」
優先順位4
平成 30 年 問 1 「 IT サービスマネジメントにおけるプロセスの自動化について」
優先順位5
平成 28 年 問 1 「 IT サービスを提供する要員の育成について」

令和 4 年の出題は、問 1 が「災害に備えた IT サービス継続計画について」で、問 2 が「 IT サービスの運用品質を改善する取組について」でした。 2022 年度に予想した 3 番目と 4 番目の問題だったので、令和 5 年度は、 2022 年度に優先順位の 1 番目と 2 番目にしたインシデント関連とセキュリティ関連の出題可能性が高まっていると思います。 まずは、このあたりから押さえたいところです。

次に押さえたいテーマは “移行” です。 “移行” も、運用管理に携わっている人のメインイベントですからね。 移行の問題は令和元年 問 1 や平成 26 年 問 1 で出題されています。 これらの問題をベースに、 DX やクラウドと絡めたり、コロナ禍におけるリモートワークへの移行と絡めたり、新規問題を作りやすいため、十分な知識を持って備えたい分野です。 過去問題で準備するなら令和元年 問 1 をベースに、次のようにアレンジするシミュレーションをお勧めします。

  • オンプレミスからクラウドへの移行
  • アジャイル開発での、開発チームへの一部権限委譲
  • 短期間でのリモートワークへの移行

DX 関連での出題を考えるうえで、 IT サービスマネジメントそのものへの DX の適用も考えられます。 IT による運用の高度化ですね。 ちょうど平成 30 年 問 1 のような問題です。 サービスデスクにチャットボットを導入したり、デプロイツールでデプロイを自動化したりです。

そして最後に、これも DX 関連での出題として考えられるのが、運用要員の育成です。 教育内容が変わってくるはずですが、どういう育成方針で、どういう育成カリキュラムを用いているのか、そのあたりが出題される可能性があります。

これらの 5 つの問題をベースに、 DX を絡めて柔軟にアレンジできるようにしておきましょう。

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