3週間で仕上げる ITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ[午後2]論文に書くべきこと【令和元年更新】
もくじ
Check-1. 過去問の問題文を読み込む
まずは、過去問の問題文の読み込みが進んでいるかどうかをチェックしましょう。
過去にどんな問題が出ているのか?
それはどんな経験を論述することを求めているのか?
その2点に関しては、準備をしてみないとわからない感覚があります。
そしてできれば、個々の問題でどの部分を書けば他の受験者に差をつけて合格論文になるのか(あるいは合格を決めるポイントになるのか)を把握していると、現段階では言うことありません(これは、これから仕上げる形でも全然間に合います)。
論文問題 頻出テーマ
ITサービスマネージャのテーマは、ザックリ言うと次の 3 つ。
- インシデント管理・問題管理
- 移行(リリース関連)
- 改善関連
ITサービスマネージャ 論文問題 3 大テーマ
これらのテーマに関して、どこがポイントになるのかを押えておく必要があります。
例えば、インシデント管理の問題では「トラブルが発生したので、それを解消した」という日常よくある話は出題されません。
そうではなく 「これまでのインシデント対応の中で、対応中にトラブルが発生した経験について、どう切り抜けたのか」 が問われていたりします。
Check-2. 午後Ⅱ 論文問題で 2,200 字以上書けるようになる
そしてもう一つのポイントは、2 時間手書きで 2,200 字以上書く自信があるかどうかという点、それを確認しましょう。
ITサービスマネージャ試験の受験者は、 「(運用経験者の場合)論文初挑戦の方が多い」 のが特徴です。
その場合、最大の課題が、
- 問題文に対して正確に回答すること
- 2 時間手書きで一定量書くこと
になります。
「字数は何とかなるだろう」と安易に考えて、ぶっつけ本番にするのではなく、一定の分量が書けるようにしておいた方が良いのは間違いありません。
Check-3. 午後Ⅱ 論文問題 設問ア の万全な準備
午後Ⅰ問題の「~の概要」は要チェック
ITサービスマネージャの設問アは「ITサービスの概要」です。
平成 20 年度まで(「システム管理者」試験の時代)は、管理対象となっている「システム概要」が、設問アでは必ず問われていましたが、平成 21 年度(「ITサービスマネージャ」試験になってから)は、文字通り “サービス提供者” としての位置付けが明確になっています。
それゆえ「ITサービスの概要」は、単に管理対象のシステムの構成や機能について書くのではなく、
- その管理対象のシステムを日常利用している現場利用者の方々に、
- どのようなサービスを提供しているのか、
について書く必要があります。
また、マネージャとしての立場で書いているかどうかもチェックが必要です。
- ひとり責任者兼担当者や、
- 上司の指示のもとに働く、
- 予算の執行権限を持っていたり、
- 予算削減のための施策を立案し遂行する立場だったり、
- 要員を教育する立場だったり、
それなりの立場にたった問題があるので、これらを想定しておいた方が無難です。
そして、その場合、どんな組織をマネジメントしているのか、要員数ぐらいは書いておいた方がいいでしょう。
なお、ITサービスを提供している立場での、論文での表現は、 午後Ⅰの過去問題を参考にする ことをお勧めします。
平成 28 年度 問 2 、平成 30 年度 問 1 、問 2 など。
他にも過去問題には「~の概要」という段落があるので、「~の概要」に何を書いたらいいのか、いつも迷っている人は参考にしましょう。
check-4.インフラを担当している方は論文のネタに注意
最近は役割分担も進んできて、ハード周りだけの運用保守を担当している人(以下、インフラ担当者)も増えてきました。
しかし、平成 27 年度 午後Ⅱ 問 2 “供給者管理” をテーマにしている問題のように、IT 利用者との直接的接点を持っていて、ハード周りを外部企業に委託する側の立場でしか書けない問題もあります。
したがって、インフラ担当者の受験者は、念のため IT 利用者との直接的接点を持っている(このため、システム全体の第一窓口になっている)立場でも対応できるように準備をしておくことも重要です。
もちろん、インフラのみの運用保守を題材にすると 100% NG というわけではありません。
平成 25 年度 問 2 のように “委託される側” で書ける問題も出題されています。
このため、論文のネタは 自分の経験だけで勝負 する。
経験していないことは書けないので、書けない問題が出たら諦めるという考え方でも潔くていいと思います。
check-5.コンテンツの充実、新規のテーマへの備え
応用情報の午後試験は「論文ネタ」にも使える
最後は、コンテンツの充実と、新規のテーマへの備えについて準備するのもいいかもしれません。
コンテンツを充実させるために、案外役に立つのが応用情報技術者試験の午後の問題です。中には、過去問題にベストマッチしているものもあります。
論文ネタに、午後Ⅰの問題を利用するというのは定石ですが、応用情報技術者試験を流用するというのは盲点 なので、具体的に表現するという点で困っている人は、一度、応用情報技術者試験の午後問題を “順番にひたすら読む” ということを試してみるのもいいと思います。
サービスマネジメント編 「 ITIL® を攻略する 」
このページに、カテゴリ別に過去問題をまとめたページを用意しています(もちろん応用情報技術者試験対策として用意したのですが)。
チェックしてみてください。
これから試験対策を開始する人
これから試験対策を開始する人は、上記のCheck-1. ~ 5. を順次進めていきましょう。
ITサービスマネージャ試験の午後Ⅱ論文問題の受験者は、ざっくり言うと次のように大別されます。
- 日常、運用業務を担当している人(以下、経験者という)で、高度系試験には初挑戦の受験者。
- 日常、開発業務やコンサルテーションをしている人(以下、未経験者という)のうち、自区分(システムアーキテクトやプロジェクトマネージャなど)の高度系試験に合格している受験者。自区分から次のステップとして受験する。
ITサービスマネージャ 受験者2つのタイプ
したがって、午後Ⅱ 論文問題では、経験者しか書けない “具体的な経験” を、2,200 字以上の字数で書ききれるかどうかがポイントになります。
1. (運用業務) 経験者の場合
まず、経験者の場合ですが、ポイントは経験者としての “強み” を活かせるかどうかにかかっています。そのあたりは「合格論文を1ヶ月で準備する ~表現力や論文ネタ作りなど」のページを確認してください。
表現力や論文ネタ作りなど (ITストラテジスト/システムアーキテクト/ITサービスマネージャ 午後Ⅱ論文 [午後2] )
2. (運用業務) 未経験者の場合
未経験者のうち他の論文試験に合格している人は、想定している企業やITサービスに関して、数値が出せるぐらい “論文のネタ” に仕上げられるか、考えましょう。
SLA(RTO 、RLO 、RPO や性能など)や、問題の表現(目標値や理想、現状の数値)などですね。
数値以外では、運用チームの組織体制、年間予算、運用監視ツールなども。
他の論文試験で培った “国語力” という強みを最大限に活かすにはどうしたらいいのかを考えれば、おのずとそういう方向に向かうでしょう。
しっかりと準備をしてきた人
他方、これまで順調に試験対策を進めてきた人は、ここで説明している Check ポイントをチェックするとともに、さらに「これから試験対策を開始する人」のところに書いていることもチェックしましょう。
そのうえで、これまで順調に来ている場合、これから試験対策を開始する人との間についた “差” をキープするために、しっかりと3週間の計画を立てて、過去問題を次のように分類し、3. を 2. に、 2. を 1. に押し上げていく進め方が良いでしょう。
- A 評価に仕上がった(ゆえに本番でもそのまま書いたら合格できる)問題
- 上記の 1. ではないものの、問題文の読み方、ポイントは把握していて、書こうと思えば書ける問題
- 苦手な問題、書けそうにない問題
どれぐらいの時間をかけられるかにもよりますが、
2. を 1. にする数が多ければ “部品” 単位に作っていく方が得策でしょうし、
3. を 2. にするよりも “捨てる問題” とする、
そのあたりは柔軟に考えればいいと思います。
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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