ITサービスマネージャ 午後 2 論文対策 出題予想 トップ 6 |2022 年度


2022-03-31 公開

いよいよ試験まで 1 か月を切りました。いかがでしょう、学習は進んでいますか?

この時期、本気で試験の合格を目指している方にとって、自分のこれまでの対策が順調かどうかはとても気になるところですよね。

そこで今回は、過去問題の中から “目を通しておいた方が良い” 問題を何問かピックアップしたいと思います。その問題とは、ズバリ、次の 6 問です。

優先順位1
平成 24 年 問 1 「重大なインシデントに対するサービス回復時の対応について」
優先順位2
平成 17 年 問 3 「情報漏えいに関する対策について」
優先順位3
平成 24 年 問 2 「 IT サービスの継続性管理について」
優先順位4
平成 29 年 問 2 「継続的改善による IT サービスの品質向上について」
優先順位5
平成 27 年 問 2 「外部サービス利用における供給者管理について」
優先順位6
平成 26 年 問 1 「 IT サービスの移行について」

ITサービスマネージャの午後Ⅱ試験では、ざっくりと次の 6 つのテーマで出題されています。

  • 資源(リソース)管理
  • 運用体制
  • 利用者対応(サービスデスク等)
  • インシデント対応、再発防止策
  • 移行、リリースマネジメント
  • 改善

これらのテーマが、 “これまでは” “比較的” 順番に出題されることから、ある程度は予測できます。 もちろん、あくまでも予想なので … 確率論として、あるいは外れることを前提に考えなければなりません。 しかし、どうせ論文の練習をするのなら、得意な問題、経験した問題、書けそうな問題の次に、出題確率が高い問題にも対応できるようになるのは悪いことではありません。 そういう理由で、今回は、出題確率が高そうな問題をピックアップしてみたというわけです。

令和 3 年の出題は、問 1 が利用者や供給者との “コミュニケーション” で、問 2 が “サービス可用性管理” でした。 前者は、供給者管理を含みますが “コミュニケーション” をメインにしていることから「利用者対応」に関する問題だと分類してもいいでしょう。 後者は可用性維持の観点から、「インシデント」に関する問題だと分類してもいいと考えています。

1平成 24 年問 1 「重大なインシデントに対するサービス回復時の対応について」

ITサービスマネージャ試験(の準備、対策)において、絶対に避けては通れないのが「インシデント」絡みの問題への対応です。 安定したサービス提供が IT サービスマネジメントにおける最重要テーマになるので、毎年のように出題されてもおかしくはないからです。 したがって、決して「前年度に出題されたから、今年は出ない!」などと考えず、何はさておき「インシデント」関連の問題から着手するようにしましょう。

但し、インシデント関連の問題は、(過去問題を見る限り)さらに細かく分類されています。 “障害の未然防止” や “障害発生の対応” 、 “再発防止策” などです。

したがって、インシデント関連の(細分化された)どの問題で準備するかは考えなければなりません。

その点に関して筆者は、若干ローテーションがあると考え、この問題を取り上げました。 タイトルだけではイメージが湧かないと思いますが、この問題では、回復作業中にトラブルが発生し、それをどう乗り越えたのかが問われています。

そして、上記以外の問題に対しては、どういう事例で対応するのかをシミュレーションしておきましょう。 「 “障害の未然防止” はこう書こう、 “再発防止策” についてはこう書こう」という感じですね。

2平成 17 年問 3 「情報漏えいに関する対策について」

インシデント関連の問題を選択したら、問題文をよく読んで、どういった障害を想定しているのかを読み取らなければなりません。 そして、自分の用意した事例を強引かつ無理やり書くようなことをせず、フラットに、かつ柔軟に “より安全” な事例で書くことが求められます。

具体的には “ハードウェア障害” を想定している問題なのか、 “セキュリティインシデント” でも書くことができる問題なのか、 “アプリケーションのバグ” はどうなのかという感じです。

中でも特に注意が必要なのは “セキュリティインシデント” の中の “情報漏洩” です。 情報漏洩の場合、意図的に業務を停止させることはあっても、それ自体で業務が停止することはありません。 被害の種類も、その後の対応も違います。

そう考えれば、インシデントの問題では “ハードウェア障害” で準備し、それとは別に情報漏洩をテーマにした問題でも準備すると、その違いに混乱することもなく、どちらが出題されても対応できるはずです。 そういう観点から、優先順位を 2 番目にしました。

3平成 24 年 問 2 「 IT サービスの継続性管理について」

平成 24 年の情報処理技術者試験では、 IT ストラテジスト試験と ITサービスマネージャ試験で、 BCP 絡みの問題が出題されています。これはおそらく、その前年に起こった東日本大震災の影響でしょう。

そう考えれば、南海トラフや首都直下型地震への備えが叫ばれる今、 BCP 絡みの問題が出題されてもおかしくないですよね。

ここ数年のパンデミックとリモートワークへの転換で、 BCP も更新が必要になりますから。

4平成 29 年 問 2 「継続的改善による IT サービスの品質向上について」

インシデントのように目立ってはいませんが、 “改善” をテーマにした問題も定期的に出題されています。

常に “サービス向上” 、 “原価低減” を意識している立場だからでしょう。

実際、 ITサービスマネージャという立場にいるのなら、確かに「お金(予算)」に悩まされる日々になりますよね。 “潤沢な予算” があって、やりたいことはすべて実現できるという立場の人はレアのはずです。

そのため、改善の問題は、「本当に ITサービスマネージャなのか?」を見極めるには良い問題になります。 添削していても、経験か想像で書いているのかは “すぐに” わかりますからね。

したがって、疑似経験で(想像で)書く人は、事前にしっかりとシミュレーションして準備しておかなければなりません。 はっきりと出ますから。

5平成 27 年問 2 「外部サービス利用における供給者管理について」

昨今の “クラウドサービス利用の拡大” より、供給者管理をテーマにした問題の出題確率も高まっています。

令和 3 年 問 1 で “供給者” とのコミュニケーションに関することが出題されていますが、それをもってして “供給者管理” をテーマにした問題はしばらくでないということはありません。別物だと思います。

クラウドサービスを始めて利用する時の留意点を中心に整理しておきたいところです。

6平成 26 年 問 1 「 IT サービスの移行について」

最後は “移行” をテーマにした問題です。 “移行” も、運用管理に携わっている人のメインイベントですからね。

また、 DX やクラウドとも絡めやすいですし、コロナ禍におけるリモートワークへの移行もタイムリーですし。 次のようにアレンジした問題でシミュレーションしておくと万全でしょう。

  • オンプレミスからクラウドへの移行
  • アジャイル開発での、開発チームへの一部権限委譲
  • 短期間でのリモートワークへの移行

まとめ

情報処理技術者試験の論文対策は、何かしら特定のテーマに対して論文を準備することではありません。 まったく同じ問題が出るのなら、そんな対策でも合格できるかもしれませんが、全く同じ問題が出たことはありません(よく似た問題は、たまに出ていますが)。

そうではなく、真の論文対策とは次のような手順によって、初見の問題でも合格論文が書けることを目指すものです。

  1. (経験したことについて)論文で求められているレベルで表現できるようになること
    • 具体的に表現するということ(どこをどのレベルで具体化すればいいのか?)
    • 客観的に表現するということ(どこをどのように客観性を持たせるのか?どこに数値を使うべきか?)
    • 初対面の第三者にわかりやすく表現するということ( 5 W 1 H をどう使うのか?)
  2. 未経験のことでも、疑似経験として上記のレベルで表現できるようになること

ITサービスマネージャ試験の受験者は “論文初挑戦” の人も多いと思います。 仮にそうなら、まずは「自分の経験したこと」で、上記の a. を目標に仕上げなければなりません。

そして、その感覚が掴めれば、後は、問題ごとに “その表現ができるかどうか?” をチェックして、書けそうにない問題に対してどうするかを決めていきます。 捨てるのか、それとも情報収集して作り込んでいくのか。

その時に、優先的にこれらの問題についても考えてみるといいでしょう。

そこに至ってはじめて、出題される可能性が高い問題に目を通すことに価値が出てきますからね。

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