ITサービスマネージャ 午後Ⅱ(午後2)論文 王道の書き方
午後Ⅱに関しては、 “経験ありで論文初挑戦の方” と “経験なしだが論文試験は得意な方” の闘いです。このあたりは、前回の記事でも書いたとおりです。したがって、自分がどちらのパターンなのかを認識して、自分の “弱い方” を補う戦略が重要になります。
label前回の記事

もくじ
経験なしだが論文試験は得意な方
どんな問題が出題されているかを把握した上で、それに合致する事例を集めましょう。
日経 SYSTEMS の記事等を片っ端から検索して、他社の事例に関する記事を読み漁るのも効果的です。その上で、自分が開発者やコンサルタントとして関わった企業の情報システムを題材に、そうした事例が適合可能かどうかをチェックします。企業の経営を支える基幹系システムでないと厳しいので(書ける問題が限られてきて、かなり少なくなるので)、その場合は管理対象システムから創作していきましょう。
経験ありで論文初挑戦の方
次のような論文の基本的なお作法を会得することが最優先事項になります。
- 2 時間で 2,200 字 ~ 2,600 字程度書けるようになること
- 問題文と設問への回答になるような事例を書くこと
- 具体的に書くこと、第三者に対して伝わるように、必要十分な要素( 5W1H など)を入れること
1. に関しては “2時間手書きで書く練習” が、 2. に関しては過去問題の把握の仕方(何を書かないといけないのか、どう書いてはいけないのか?)を理解するという練習が中心になります。そして 3. に関しては、サンプル論文と自分の書いた論文を比べて、レベル感が同じかどうかをチェックするという練習になります。
最初の 1 区分は添削サービスを活用するというのも有効な手段になるでしょう。
1. 2 時間で 2,200 字 ~ 2,600 字程度書けるようになること
まずは、 2 時間手書きで 2,200 字以上書くことを目指しましょう。
ITサービスマネージャは 論文初挑戦の方が多いので、最大の課題が、問題文に対して正確に回答すること、 2 時間手書きで一定量書くこと、この 2 つなんですよね。
中でも特に、 2 時間手書きで書き続けるということは…日常の仕事ではありえないことです。思いのほか疲れますし、思いのほか進みません。
2. 問題文と設問への回答になるような事例を書くこと
これは、午後Ⅱ論文試験の原則になりますが、問題文と設問で問われていることに対する論文でないと合格論文にはなりえません。そのための “問題文” と “設問” ですからね。
ITサービスマネージャのテーマは、ザックリ言うと次の 3 つ。
- インシデント管理・問題管理
- 移行(リリース関連)
- 改善関連
これらのテーマに関して、どこがポイントになるのかを押えておく必要があります。例えば、インシデント管理の問題では「トラブルが発生したので、それを解消した」という日常よくある話は出題されません。そうではなく「これまでのインシデント対応の中で、対応中にトラブルが発生した経験について、どう切り抜けたのか」が問われていたりします。
いずれも、何が問われているのかが重要なので、過去問題を使って把握していかないといけません( → 4. 問題文の読み込み へ)
3. 具体的に書くこと、第三者に対して伝わるように、必要十分な要素( 5W1H など)を入れること
次のポイントは、具体的に書くことと、第三者に対して伝わるように書くことです。
情報処理技術者試験の論文の問題文は、抽象的に書かれています。
抽象的に書かれている問題文を理解し、自分の経験で具体的にしなければなりません。
また、採点者は面識のない第三者です。したがって、そういう相手にも正確に内容が伝わるような表現にしなければなりません。
そのためには、主観的表現や程度を表す表現をできるだけ使わずに、客観性のある表現(特に数値での表現)や 5W1H で必要な要素を欠くことの無い表現を心掛けましょう。
これも、自分では大丈夫だと思ってしまうこともあるため、サンプル論文等を利用しながら、自分の認識とのズレがないかをチェックしていきましょう。
4. 問題文の読み込み
一方、経験なしだが論文試験は得意な方は、問題文の読み込みを積極的に行いましょう。
過去にどんな問題が出ているのか? それはどんな経験を論述することを求めているのか? この 2 点に関しては、準備をしてみないとわからない感覚があります。
そしてできれば、個々の問題でどの部分を書けば他の受験生に差をつけて合格論文になるのか(あるいは合格を決めるポイントになるのか)?を把握していると現段階では言うことありません(これは、これから仕上げる形でも全然間に合います)。
テキストでは少々情報量が多くなるので、これらのことを 10 分程度の動画にまとめました。たかが 10 分程度なので、時間のある時にでも聞いていただければ幸いです。

label動画の内容
テーマ | 内容 |
---|---|
受験生の特徴 | 運用経験者で論文試験に初挑戦の人 (a) 、開発経験者で他の論文試験に合格している人 (b) がおおよそ半々 |
準備の方向性 | (a) 頭の中にある経験を、 “この試験のルール” にのっとって表現できるようになる (b) 必要な知識、ネタの収集 |
必要な知識 | ITIL ® |
合格論文のポイント | 必要字数、題意に沿う、具体的に書く、初対面の第三者に伝わる表現で書く |
今、準備しておくこと | 設問アの IT サービスの概要、 SLA 等の数字集め |
何から開始するのか | 過去問題を読んで、個々の問題に自分の経験を当てはめてみて、ネタのある問題とない問題に切り分ける →(ネタのある問題)アウトプットの練習 →(ネタのない問題)ネタ集め |
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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