ITストラテジスト 午後Ⅱ(午後2)論文 王道の書き方
IT ストラテジスト試験の午後Ⅱ論文は “ハイレベルな戦い” になります。もう既に他の論文試験(特に、システムアーキテクトやプロジェクトマネージャ)に合格している方々や、既に論文試験に複数回挑戦している方々の受験が多いからです。
したがって「どうすれば、他の人の書いた論文よりも頭一つ抜け出せるか?」を考えなければなりません。
そのポイントは、ザックリ言うと次のようになります。
- 設問アを充実させる(企業概要、事業概要、事業目標等)
- 事業目標は売上増がベスト
- 投資効果は、 BSC (バランス・スコア・カード) の考え方を中心に書く
(定量的、因果関係で目標と IT をつなげる)
他の試験区分と違い、ただ単に論文が書けるというだけでは足りません。ずばり、説得力のある “数値” をどれだけ書けるかですね。
そのためには、単に “論文” を書くというのではなく、「この企画を絶対に通すんだ!」と考えて、しっかりと事前準備をすることが重要になります。具体的には、業界のことを調べたり、対象企業のことを調べたり、どういう数値だと顧客が増えるのか考え、それを BSC のインフルエンスダイアグラムでつなげて有効性を評価することですね。 “企画” をしっかりと作り上げた人は、比較的簡単に合格しています。受験する時には、既に合否は決まっていると言っても過言ではないくらいです。
1. 設問アを充実させる(企業概要、事業概要、事業目標等)
IT ストラテジスト試験の論文の設問アでは、(他の試験区分ほど固定ではありませんが)それでも事業概要が問われることが少なくありません。したがって、事前準備として「事業概要」を 400 字程度で作成しておくことが必要です。
この時に注意しないといけないことは “業務概要” になってしまうことです。事業と業務は別物です。事業とは簡単に言うと、内部経営資源を市場に投入すること。必要な “業務” とは異なります。
また、事業の説明をする時には、定量的な数字があったほうがいいでしょう。市場に関する数値、市場に関する数値、企業規模に関する数値などなど。経営者は数字を意識します。したがって IT ストラテジストも数字を意識しているはずですし、客観性を持たせるためにも数字は出した方がいいと考えましょう。
2. 事業目標は売上増がベスト
次に、事業目標を明確にします。設問イ以後では、 “課題” や “問題” が問われることが多いのですが、その時に「これが問題だ!」という書き方では読み手には何も伝わりません。主観的表現はよくありません。問題や課題とは “目標” と “現状” の差。つまり目標の無い所に課題は存在しないので、事業目標が必要になってくるわけです。
事業目標は、利益目標よりも売上目標の方をお勧めします。
というのも、利益目標にすると… 売上目標 と 経費削減目標 の二つのことで説明を進めなければならないからです。論点が二つになります。また、経費削減目標だけだと業務の効率化がメインになり、そこに新しい技術が使われていれば大丈夫なのですが、そうでない場合(単純に手作業をシステム化しただけなど)、題意に合わない可能性が高くなるからです。
試験センターは DX (デジタル・トランスフォーメーション)の出題を増やす傾向にあります。したがって、 DX で業績アップを目標に準備しておくのがベストだと思います。
3. 投資効果は、 BSC (バランス・スコア・カード) の考え方を中心に書く
後は、投資効果についても準備しておきましょう。
この時に、 BSC の概念を使って KPI をつなげていくのがポイントになります。
できれば、 ROI だけではなく、 IT の導入効果から事業目標までつなげていくことができればベストです。
但し、無意識のうちに “書きやすいから” という理由で投資効果の部分について、投資金額の積算部分ばかりを書いてしまわないように注意しましょう。投資金額がいくらなのかは一言で構いません。それよりも効果のシミュレーション、根拠の方が重要です。 7 - 8 割を効果算定について書きましょう。
そこで今回は、試験対策を開始する際に、絶対に間違ってはいけない方向性を示したいと思います。せっかくの努力も、合格に向かっていなければ実らないかもしれませんからね。
少々情報量が多くなるので、これらのことを 10 分程度の動画にまとめました。たかが 10 分程度なので、時間のある時にでも聞いていただければ幸いです。

label動画の内容
テーマ | 内容 |
---|---|
受験生の特徴 | 他の論文試験に合格している人が多い |
準備の方向性 | 事前準備に時間をかけること |
必要な知識 | 経営戦略立案手順、 BSC(バランス・スコア・カード) |
合格論文のポイント | 投資効果の、特に “効果” を客観性をもって示せるかどうか |
今、準備しておくこと | 設問アの事業概要、可能であれば定量的に |
何から開始するのか | 過去問題を読んで、個々の問題に自分の経験を当てはめてみて、ネタのある問題とない問題に切り分ける →(ネタのある問題)細部に関する情報収集 →(ネタのない問題)ネタ集め |
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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