ITストラテジスト 午後 2 論文対策 解くべき過去問トップ 5 |2022 年度


2022-03-17 公開

いよいよ試験まで 1 か月となりました。いかがでしょう、学習は進んでいますか?

この時期、本気で試験の合格を目指している方にとって、自分のこれまでの対策が順調かどうかはとても気になるところですよね。

そこで今回は、過去問題の中から重要な問題を何問かピックアップして、準備が進んでいるかどうかが確認できるような内容をお伝えしたいと思います。 その問題とは、ズバリ次の 5 問です。

優先順位1
令和 3 年 問 1 「デジタルトランスフォーメーションを実現するための新サービスの企画について」
優先順位2
令和 元年 問 1 「ディジタル技術を活用した業務プロセスによる事業課題の解決について」
優先順位3
平成 29 年 問 1 「IT導入の企画における投資効果の検討について」
優先順位4
平成 24 年 問 2 「事業継続計画の策定について」
優先順位5
平成 26 年 問 2 「情報システム基盤構成方針の策定の一環として行うクラウドコンピューティング導入方針の策定について」

但し、これは “出題予想” ではありません。そうではなく、これらの問題で論文を準備しておけば、令和 4 年の春期試験で出題される “初見の問題” にも柔軟に対応できることを狙ってのものです。

当然ですが、過去問題と同じ問題が再度出題されることはありません。 したがって、試験の本番時には “その場で問題文を解釈して、その場で書く内容や構成・表現レベルを考えていく” 必要があります。これを避けては通れません。

その時に備えて、読み間違えや誤解をなくすように過去問題に目を通し、部品を準備し、表現レベルを理解しておくというのが論文対策の神髄です。 その準備に役立てもらえるようにピックアップしています。

1令和 3 年問 1

令和になって、情報処理技術者試験で “DX” を重視するという方向になっているのは、以前お話しした通りです 。 ITストラテジスト試験(以下、 ST 試験という)でも、その傾向ははっきりと出ています。 したがって、令和 4 年の試験でも、おそらくですが … 少なくとも 1 問は DX をテーマにした問題が出題されるでしょう。

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そのため、令和に入ってからの問題は総じて重要なことに加え、 ST 試験の場合は元々直近の問題が重要なので、なおさら前回出題された問題が重要になるというわけです。 例えばプロジェクトマネージャ試験であれば、昨年進捗管理をテーマにした問題が出たら、その後数年は進捗管理の問題は出ない傾向がありますよね。 しかし、 ST 試験には当てはまりません。この ST 試験では、前回出題された問題を無視できないという点が他の論文試験と決定的に異なっているからです。

 

ST 試験において、 DX をテーマにした問題は大きく次の 2 つに分けられます。

  1. 業務の効率化でも書くことができる問題(利益目標、経費削減)
  2. 売上アップ(新サービス、業績拡大等)でしか書けない問題(売上目標、売上向上)

俗にいう “攻めの DX” (b.) と “守りの DX” (a.) ですね。 令和 3 年問 1 は、このうち “攻めの DX” (a.) に該当する問題なので、書けるように準備すると安心です。

2令和元年 問 1

令和 3 年問 1 のような DX をテーマにした過去問題は、経験者でないと論文ネタを準備するのが、なかなか難しいと思います。 実際、筆者の実施している添削サービスでも、苦労されている方が何人かいらっしゃいます。

というのも、今の DX の現場では、業務効率化目的の導入の方が圧倒的に多いからです。 RPA による生産性向上、 AI による需要予測(売れ残りによる廃棄商品の削減)、 AI チャットボットなどですね。 したがって、新サービスを実施したり、新たなビジネスモデルを構築して新規顧客を獲得するとか、売上向上を狙うというのは、未経験がゆえに難しく感じるのでしょう。

でも、そういう方でも心配はいりません。まずは、業務効率化を目的とした DX から準備を進めていきましょう。 直近だと、令和元年 問 1 ですね。この問題は、業務効率化の DX を題材にしても問題なく書きあげることができます。 攻めの DX は前回出題されたことを考えれば、順番からしても出題可能性は(攻めの DX よりも)高いかもしれません。

3平成 29 年問 1

DX 関連以外の問題が出題されても、攻めの DX の事例と守りの DX の事例を準備しておけば、ほとんどの問題に対応できます。 当然ですが「 DX 関連以外の事例で書きなさい」というような制約は付くわけありませんからね。

攻めの DX の問題で準備しておけば、平成に出題された問題で “売上アップ” に限定している問題やビジネスモデルの転換に関する問題に対応できますし、守りの DX の問題で準備しておくとビジネスプロセスの改善をテーマにした問題に対応できます。 したがって、後は内容の充実が重要になります。

内容に関して最も有益なのは、投資効果の “効果” の部分です。 システムの導入予想効果と事業目標達成とをつなげていく部分ですね。 そこに特化した問題が平成 29 年度問 1 になります。これを 1 本作成しておけば、多くの問題で部分的に(簡潔にして)有効活用できます。

ポイントは、 KPI とその目標値をしっかりと書ききることです。 定量的な数値を書くことが必須とまでは言い切れませんが、通常の企画書や提案書を作成する時に、 “良くなる” とか “速くなる” という感じで主観的で相対的な表現は使いませんよね。 子供の使う「ぐわぁー」とか「うわー!!」とかと同じで幼稚な印象になってしまいます。 客観性のある数値を用いて、ロジカルにつなげていくことが必要です。

このため投資効果の “効果” の部分を、事前にしっかりと作り込んでおくことはとても有益です。 この問題で対策しておきましょう。

4その他

その他、まだ時間的に余裕のある場合は、次の問題に目を通しておきましょう。 いずれも出題されるかどうかはわかりませんが、出題された時に準備していなければ手も足も出ない問題になります。

  1. 平成 24 年度 問 2 「事業継続計画の策定について」
  2. 平成 26 年度 問 2 「情報システム基盤構成方針の策定の一環として行うクラウドコンピューティング導入方針の策定について」

いずれも情報セキュリティを絡めた出題も考えられるので、可能であれば情報セキュリティを絡めた準備をしておきましょう。ローテーション的にも “そろそろ、また” という感じもします。

まとめ

時間がなければ、今回紹介した 5 つの問題に目を通し準備しておくだけも構いません。

しかし、 ITストラテジストの過去問は、平成 6 年に開始された旧システムアナリスト試験の問題を含めると 28 年間で 81 問もあるのです。

古い問題の中には無視してもいい問題もありますが、全てがそうではありません。 古い問題の中にも有益な情報が含まれています。 問題文を読むだけでも、様々な気付きを得る事でしょう。 したがって、一通り目を通しておくことはとても重要になります。

子供の頃に読んだ漫画や小説を大人になってからもう一度読んでみると、子供の頃には気付かなかった新たな発見をすることがあります。 それと同じで、午後Ⅱの過去問題を繰り返し読んでいると、試験対策を始めた頃には気付けなかったことに、気付くことができると思います。 筆者も、もう何千回も読んでいる問題であっても、新たな気付きを得ることがありますからね。

今一度、全部の問題に目を通してみることも忘れないでください。

試験対策で急速に力を付けている人は、きっと新たな発見があると思います。

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