エンベデッドシステムスペシャリスト 午後対策 (午後Ⅰ午後Ⅱ) 王道の解き方


2021-08-06 公開

情報処理技術者試験の高度系の記述式問題(午後Ⅰ、論述系以外の午後Ⅱ)は、試験区分によって、速く解くための “解答手順” が異なります。そのため、いくら他の高度試験に合格しているからと言って、その “解答手順” が他の試験区分に通用しない可能性があるのです。過去の成功体験が、必ずしも次につながらないということですね。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の午後Ⅰ・午後Ⅱの特徴

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の午後Ⅰ・午後Ⅱ試験には次のような特徴があります。

  1. 対象システムはバラエティに富んでいる
  2. ハードウェア寄りの問題(システム設計)と、ソフトウェア寄りの問題(ソフトウェア開発、ソフトウェア設計)に分かれている
  3. 計算問題も多いため、過去問題の解説が必要
特徴 1

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の問題は、カーナビ、管制塔、ロボット、自動販売機、扇風機、エレベーターなど … 様々な製品が題材になっています。したがって、自分の担当した製品が題材にはならない前提で考えて、他の製品を題材にした過去問題でしっかりと準備しなければなりません。

過去問題を通じて “未知の製品を楽しむ” という感覚で、少しでも数多くの製品に触れるといいでしょう。短期的にみると同じ製品は出題されにくいのですが、長期的にみるとそうでもありません。同じ製品が再度出題されることがあるので、古い問題にも目を通すことが必要でしょう。

特徴 2

また、午後Ⅰ試験も午後Ⅱ試験も “ハードウェア寄りの問題” と “ソフトウェア寄りの問題” に分かれています。これは、組込み系のエンジニアも、ハードウェア寄りのエンジニアと、ソフトウェア寄りのエンジニアに分かれることに配慮したものです。ソフトウェア寄りのエンジニアにとっては、 “組込み系” と言われても、ハードウェアの問題には未知のものが多いのが普通ですからね。自分が、どちらを得意としているのか、あるいは両方ともカバーできているのか? それを見極める必要もあります。

特徴 2

こうした特徴に加え計算問題が多いので、過去問題をしっかりと解説している参考書を使って学習を進めなければなりません。ネットワークスペシャリスト試験や情報処理安全確保支援士試験では、ある程度、試験センターの公表している過去問題と解答例だけを使って学習を進められます。それらが教科書代わりになるからです。しかし、エンベデッドシステムスペシャリスト試験では、それだけでは「なぜその解答になるのか?」がわからない設問も少なくないからです。

以上より、バラエティに富んでいる過去問題と、その解説が掲載された参考書を駆使して、設問ごとの解答パターンを会得するのが基本的な対策です。知識を体系化して覚えることは、あまり参考書に頼れないので … それは自分で進めましょう。

午後Ⅰ試験の問題と午後Ⅱ試験の問題の関係

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の午後Ⅱも、午後Ⅰと同じ記述式です。しかも、午後Ⅰ試験の問題と、午後Ⅱ試験の問題は同じようなことが問われます

高度系の試験では、論文系の 5 区分は「午後Ⅰが記述式、午後Ⅱは論述式」と分かれます。しかし、テクニカル系試験の 4 区分は、午後Ⅰも午後Ⅱも記述式というだけではなく、同じようなことが問われます。昔はデータベーススペシャリストは違っていたのですが、最近は回を重ねるごとに似てきています。

ちょうど、過去に午後Ⅱで出題された問題が、コンパクトな午後Ⅰのサイズになって出題されるような感じです。

したがって、次のように考えて対策を進めていきましょう。

午後Ⅰ試験でも午後Ⅱ試験でも出題されているテーマ
午後Ⅱに集約する
午後Ⅱ試験でしか出題されていないテーマ
午後Ⅰでも出題される可能性アリ
午後Ⅰ試験でしか出題されていないテーマ
午後Ⅱでも出題される可能性アリ

午後Ⅱ対策

上記のような特徴を考えれば、午後Ⅱ試験の過去問題を使って学習を進めるのがベストだと思います。参考書も必須なので、参考書と過去問題を使って学習を開始します。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験も、他の試験同様、午後Ⅱ試験では 2 問出題され、そのうち 1 問を選択しますが、この 2 問は、ハードウェア寄りの問題(システム設計)とソフトウェア開発寄りの問題(ソフトウェア設計)に分かれます。これまでの傾向だと、問 1 がハードウェア寄りの問題で、問 2 がソフトウェア寄りの問題です。

対策に入る前に、まずは自分がどちらの問題が得意なのか?を見極めます。ハードウェア寄りの問題が得意なのか? それともソフトウェア寄りの問題が得意なのか?

ソフトウェア寄りが得意な場合、毎回 2 問出題のうち “ソフトウェア寄りの問題” だけを順番に進めます。後述する午後Ⅰ対策の説明通り、ソフトウェア寄りの問題が、例年 2 問以上出題されるため、ソフトウェア寄りの問題だけに専念できるからです。

逆にハードウェア寄りの問題が得意な場合でも、午後Ⅰ対策を考えれば、午後Ⅱのソフトウェア寄りの問題にも目を通さなければなりません。

そして、目を通さなければならない問題を決めたら、学習を進めますが … 特に時間を計測して解く必要はありません。他の高度のテクニカル系試験と同じく、午後Ⅰより時間に余裕があるので、解答速度を速めるのは午後Ⅰで十分だからです。それに、知識が無いと手も足も出ない設問もありますからね。考える時間が無駄になるくらいなら、すぐに解答・解説を見て覚えた方がいいと思いますので。

午後Ⅰ対策

ある程度、午後Ⅱ対策が進んだら午後Ⅰ対策を開始します。

looks_one午後Ⅱ試験で出題されていたものと類似テーマの問題

午後Ⅰ対策は時間との戦いです。そこで、午後Ⅱの過去問題で理解したものと同じテーマの問題があれば、それで解答速度を速める練習をします。時間を計測して過去問題を解いてみて、課題を見つけ、プロセスを改善するというアクションは同じです。経験者にとっても未経験分野が多いので、どうしても解けない設問が出る可能性が高いです。ということは、解ける設問で確実に点数を取ることが最大のポイント。解答の表現が悪く、うまく伝わらず失点しないようにすることが重要です。

looks_two午後Ⅱ試験で出題されていないテーマの問題

これも、時間を計測して解いて、解答速度を速める練習をしても構いませんが、時間が無ければ、午後Ⅱと同じような進め方で、最初から解説をチェックしながら読み進めましょう。

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