エンベデッドシステムスペシャリスト 午前Ⅱ [午前2] の最新傾向と対策 ~ 令和 3 年 秋期版


2021-08-27 公開
info 編集部からお知らせ
この記事は最新年度 令和 3 年度 秋期版の記事です。
基本の対策は エンベデッドシステムスペシャリスト 午前Ⅱ [午前2] 王道の対策 にございますので、こちらを合わせてご覧ください

分析

2020 年 10 月試験の “午前Ⅱ” の問題を分析してみました。

looks_one自区分と他区分の比率

まずは、自区分と他区分の比率です。

午前Ⅱ試験の 25 問のうち、自区分、すなわちエンベデッドシステム関連分野の問題は全部で 17 問でした。これは、前年度までと比較すると若干少なくなっていますが、例年とほぼ変わりません。

但し、エンベデッドシステムと関係の深いコンピュータシステム分野の問題は大きく減っています。前年度までは、おおよそ毎年 15 ~ 17 問出題されていました。前年度の平成 31 年も、前々年度の平成 30 年度も 16 問です。しかし、それが令和 2 年度の問題では 13 問になっていました。ここだけ見れば 3 問減です。

そして、その 3 問は、情報セキュリティ分野の問題、開発技術の問題、ビジネスインダストリの問題でした。各 1 問ずつ増えています。これは、 IPA が公表している情報セキュリティ分野と DX の強化が原因でしょう。したがって、この傾向は令和 3 年も同じだと思われます。

但し、開発技術の 5 問中 2 問は組込み系の問題であり、ビジネスインダストリの 2 問中 2 問とも組込み系の問題でした。これらを合計すると、組込み系(自区分)の問題は 17 問になります。要するに、増えた問題のうち、情報セキュリティ分野を除いた 2 問は、組込み系の問題だということです。

まとめると、次のようになります。

infoスマートフォンをご覧の際、表は右にスクロールできます

分野 問題数
令和 2 年 平成 31 年 平成 30 年
コンピュータシステム
(ほぼ組込み系に特化)
13 ( – 3 ) 16 16
他区分 12 ( + 3 ) 9 9
ネットワーク
(レベル 3 )
1 ( ± 0 ) 1 1
セキュリティ
(レベル 4 )
3 ( + 1 ) 2 2
開発技術
(レベル 3, 4 )
6 ( + 1 ) 5 5
経営戦略のビジネスインダストリ
(レベル 3 )
2 ( + 1 ) 1 1

looks_two過去問題と新規問題の比率

a) コンピュータシステム分野の 13 問

コンピュータシステム分野の 13 問のうち、過去のエンベデッドシステムスペシャリスト試験の午前Ⅱで出題された問題とまったく同じ問題は 7 問(約 54 % )でした。前年は 16 問中 9 問(約 56 % )が過去問題だったので微減です。

その他の分野の問題のうち、組込み系の問題は 2 問が過去問題と同じだったので … 17 問中 9 問が過去問題がそのまま出題されたことになります。

前回の出題年には次の特徴がありました。

  • 前回の平成 31 年度からの再出題はない
  • 平成 22 年度以前の問題は出題されていない
    (平成 23 年度~平成 30 年度までの 8 年間から出題)
  • 平成 28 年度、平成 30 年度から 2 問出題されていたが、それ以外の年度は 1 問
    (平成 29 年度はゼロ)

年度によるばらつきは見られません。例年よりも均等になっていました。また、新規の問題が目立ったイメージです。

b ) 他区分の 12 問

他区分の中の組込み系の問題は過去問題がそのまま出題されたものが 2 問あったのですが、それ以外の問題では、エンベデッドシステムスペシャリスト試験の午前及び午前Ⅱの過去問題は出題されていません。

ネットワーク分野と情報セキュリティ分野の問題はさほど難しいものではなく、応用情報技術者試験レベルでしたが、それ以外は新しいキーワードが多かった印象があります。エンベデッドシステムスペシャリスト試験の過去の午前Ⅱの問題を勉強していただけで正解できそうな問題は、 3 問ぐらいです。

2021 年度 秋試験に向けての対策

以上の結果より、今年度は次の対策をお勧めします。

looks_oneエンベデッドシステムスペシャリスト試験の午前Ⅱの過去問題(平成 24 年度~平成 31 年度)を理解する

25 問中 9 問が、エンベデッドシステムスペシャリスト試験の平成 23 年度~平成 30 年度までの 8 年間の午前Ⅱ試験から出題されています。まずは、この 9 問を確実に正解することが必要です。そこで、 2021 年度 秋期試験の対策としては、平成 24 年度~平成 31 年度までの 8 年間の問題(各年 25 問全部)を仕上げましょう。もちろん、できれば平成 21 年度~平成 23 年度の 3 年分にも目を通しておけば万全です。

ここまでは、例年通りの対策ですね。

しかし、例年よりも過去問題の再出題率が低下していて、仮に、令和 2 年度と同じ割合で出題されると 9 問しか正解できません。合格には、後 6 問必要です。そこで、今年は次の対策も必要かもしれません。

looks_two暗号化とサイドチャネル攻撃に関する過去問題をチェックする

今後、情報セキュリティ分野の問題は 3 問出題されるので、それを狙います。というのも、情報セキュリティ分野の問題でも、組込み系システムに関連する暗号化、物理的な攻撃のサイドチャネル攻撃に絞り込めるからです。

応用情報技術者試験の暗号化の過去問題を覚えましょう。情報処理安全確保支援士試験の試験対策本をお持ちの場合、暗号化、サイドチャネル攻撃だけを集中的に学習するのもいいと思います。そのテキストに午前の過去問題がついているなら、その暗号化の問題を徹底的にチェックします。

運が良ければ 2 問、少なくとも 1 問は正解できると思います。

looks_3IoT 関連の知識を増やす

後は、常識的に答えられる問題や、応用情報技術者試験レベルの簡単な問題を、ある程度正解できれば … 新規の問題は解けなくても大丈夫だと思います。後、 4 ~ 5 問正解できれば午前Ⅱはクリアなので。

しかし、時間的余裕があって、さらに応用情報技術者試験レベルの問題に不安を抱えている人は、出題可能性の高い IoT 関連のキーワードを押えましょう。そうすれば、今後増える可能性の高い新規問題でも得点できると思いますので。

もちろん、実際に IoT 関連のシステム開発をしている人は問題ないと思います。新規問題として出題された場合には、そんなに難しくはないので。

ただ、 IoT 関連のシステム開発経験がなく、知識もない方は … ここは一つ、 1 冊総花的で基礎知識が網羅されている資料を読むことをお勧めします。少し古い資料ですが、よく引用されている資料で、まとまりがいいのは下記です。

みずほ産業調査 2015 No.3 「IoT(Internet of Things)の現状と展望」

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