応用情報技術者試験〔午後〕サービスマネジメント 対策「過去問で ITIL を学ぶ」
応用情報技術者試験の午後問題において、選択問題になっているサービスマネジメント分野(通常は問 10 で出題)をどうするのかを考えてみましょう。
この分野は、高度系(レベル 4 )の ITサービスマネージャ 試験のレベル 3 に該当する分野です。情報システムを運用・管理する部分ですね。
選択すべきかどうか
この分野は、システムの “運用” や “保守” をテーマにした問題です。
したがって、普段、(システム開発ではなく、その後のフェーズの)運用や保守に携わっている人が選択することになるでしょう。また、最近では “アジャイル開発” を実施していたり、 DevOps の考え方でリリースまでを担当している IT エンジニアの方々も選択すると高得点を狙えると思います。
特徴や課題、対策方法
この分野は、実務経験の有無で大きな差がでるという特徴があります。経験者にとっては、どの問題もとても簡単に感じると思いますが、未経験者にとっては “ピン” と来ない問題が多く、しかも(後述している通り)問題の種類がバラエティに富んでいるので、短時間で効果的な対策を取るのが難しいでしょう。
情報処理技術者試験の ITサービスマネージャ 試験及び、応用情報技術者試験のサービスマネジメント分野の問題は、平成 21 年に大きく試験制度が変わった時から、明確に ITIL ® 準拠 を打ち出しています。
実際、午前問題の中には「 ITIL 2011 edition によれば、…」というものも出題されていますし、午後問題も ITIL ® の用語を使っているものが少なくありません。
したがって、まずは ITIL ® の学習を進めていくべきです。
ITIL ® を活用して “運用” や “保守” の業務を体系的に整理していくとともに、定量的管理技法を会得しましょう。
今であれば、バージョンは “4” です。バージョン 4 は DX やアジャイルを見据えており、 IPA の重点施策とも合致するため、今後はバージョン 4 が主流になると思われます。
どんな知識(何について)を、どのレベルまで知っておくべきか?
次の表は、 IPA が公表している平成 21 年以後の過去問題をテーマ別に分類したものです。
カテゴリ | 年 | 期 | 問 | テーマ | インシデント 発生 |
再発 防止策 |
---|---|---|---|---|---|---|
サービスデザイン(サービス設計) | ||||||
サービスレベル管理 | 21 | 春 | 11 | SLA の設定 | panorama_fish_eye | |
25 | 秋 | 10 | SLA の設定 | |||
キャパシティ管理 | 23 | 秋 | 11 | 仮想環境 | change_history | |
27 | 秋 | 10 | 仮想環境 | |||
28 | 春 | 10 | キャパシティ管理 | |||
30 | 秋 | 10 | キャパシティ管理 | panorama_fish_eye | ||
サービス継続及び 可用性管理 |
24 | 春 | 11 | BCP | ||
26 | 春 | 10 | サービス改善活動 | |||
セキュリティ | 27 | 春 | 10 | 情報資産 | ||
サプライヤ管理 | 30 | 春 | 10 | データセンター | panorama_fish_eye | panorama_fish_eye |
31 | 春 | 10 | クラウド、アウトソーシング、 インシデント処理手順 |
|||
IT サービス財務管理 | 02 | 秋 | 10 | サービスの予算業務、 会計業務 |
||
サービストランジション(サービス移行) | ||||||
移行 | 28 | 秋 | 10 | 移行、変更管理 | ||
変更管理 | 23 | 春 | 11 | 変更管理プロセス改善 | ||
24 | 秋 | 11 | 変更フロー | |||
資産管理 | 25 | 春 | 11 | パソコン、ソフトウェア管理 | ||
サービスオペレーション(サービス運用) | ||||||
全般 | 21 | 秋 | 11 | サービス運用全般 | ||
サービスデスク | 29 | 春 | 10 | インシデント対応手順 | panorama_fish_eye | |
29 | 秋 | 10 | インシデント管理手順 | |||
03 | 春 | 10 | インシデント管理手順 | |||
運用 | 22 | 秋 | 11 | バックアップ | ||
インシデント | 22 | 春 | 11 | インシデント管理の プロセス改善 |
||
01 | 秋 | 10 | インシデント管理、 プロセス改善 |
|||
問題管理 | 26 | 秋 | 10 | 問題管理 | panorama_fish_eye | |
継続的サービス改善 | ||||||
改善活動 | 26 | 春 | 10 | サービス改善活動 |
この表を見ればわかると思いますが、様々な管理分野が万遍なく出題されています。
特定分野に絞り込むのは難しいので、万遍なく知識を整理していきましょう。
上記の表を参考に、自分の苦手な分野があれば、まずはそこを中心にチェックするとよいでしょう。
あるいは、バラエティに富んでいるということは、上記の表の多様なテーマを網羅的にカバーすれば、その中から出題される確率も高いということです。
したがって、 ITサービスマネジメント の問題について優先順位を高くしている人は、ひととおり過去問題には目を通しておきましょう。
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
-
- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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