私のキャリアの転機となった応用情報技術者試験


2020-07-06 公開

インタビューに応じていただいた方

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小林 茜 さん

略歴
工業高校を卒業後、 1997 年から 5 年間公立高校の実習助手(工業・情報技術科)として勤務。プログラマの卵を育てる授業のサポートなどに従事。その後、病気療養をへて、2010年よりIT系専門学校で非常勤の授業サポート、2011年より同校の非常勤講師として勤務。日本人学生や留学生に Office ソフトや資格対策(情報処理技術者試験・MOS・販売士)の授業などを行う。2018 年埼玉大学経済学部経済学科(夜間主コース)卒業。現在は育児休業中。
保有資格
  • 情報処理技術者試験 応用情報技術者
  • 情報処理技術者試験 第二種情報処理技術者
  • 情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレータ
  • Microsoft Office Specialist Master 2010(Word Expert/Excel Expert/PowerPoint/Access) など
自身のキャリアの中で役に立った資格
情報処理技術者試験 応用情報技術者

(インタビュアー: 三好康之)

最初に、この資格を取ろうと思ったきっかけについて教えていただけますか。

私の場合は、応用情報技術者の取得が高校時代からの目標でした。高校の学科の管理室(先生の学科用の職員室です)の前に応用情報技術者試験(以下、応用情報)の前身である第一種情報処理技術者試験(以下、一種)の合格証書のコピーが大きく貼られていたからです。とても印象的でした。

残念ながら、高校在学時には(一種のステップとして受験していた)第二種情報処理技術者試験(以下、二種と略)の取得さえできませんでした。勉強不足でした。結局、二種に合格したのは、高校を卒業し実習助手として働き出してからでした。しかし、その後の一種挑戦では不合格が続きました。

病気療養後、現職に就いてから、ブランクが長かったこともあり記憶を取り戻す意味でITパスポート試験から受験しなおし、ITパスポート試験、基本情報技術者試験に続けて、ようやく応用情報に合格することができました。2013年の春試験です。合格したいと思い始めてから18年目でした。

応用情報技術者の資格を取得して 7 年後にわかったこと

応用情報技術者試験の取得は、役に立ったと思っていますが、それ以上に転機になりました。

応用情報が道しるべになった

応用情報に合格する前に職場の上司から「大学などには行かないのか」と言われたことをきっかけに大学への進学を考えるようになりましたが、応用情報に合格したことがそのことを後押しすることになりました。

実は、応用情報に何とか合格できたものの、自分の未熟さを痛感し、改めてコンピュータや経済経営系について体系的に学びたいと思っていました。いろいろ悩み行動した結果、埼玉大学経済学部の夜間主コースに進学することができました。応用情報に合格していなければ大学に進学することだけが漠然と目標になってここまで将来について真剣に考えて決定することはできなかったと思います。

また、応用情報合格後にストラテジが得意だったので次の目標をITストラテジストに据えることができました。これも応用情報に合格していなければ自分の得意分野について知ることがなかったと思います。高校卒業時の私はテクノロジとマネジメントが得意でしたが、応用情報合格時の私はストラテジとマネジメントが得意に変わっていたのです。

さらに大学卒業後に契約社員になるチャンスができました(結局子供を優先したので契約社員になることは当時できませんでしたが)。

大卒という学歴を得たことにより現職での契約社員や専任講師になるチャンスが生まれました。ちなみに高卒では専門学校の専任講師になることはできません。

切磋琢磨できるたくさんの勉強仲間と知り合えた

人脈の面では、たくさんの勉強仲間と知り合い、実際にIT業界で働く人たちの話を聞くことができています。これは、非IT業界にいる私にとってすごい財産になりました。

中でも日本ITストラテジスト協会(以下、 JISTA と略)の方たちと知り合い、 JISTA のオープンフォーラムや試験対策の講習会に参加させていただくことができたことは大きかったです。

JISTA は基本的にシステムアナリストやITストラテジストの合格者のコミュニティですので、参加するにはそれ相応の知識が必要ですし、勇気も必要です。私の場合も、応用情報に合格していなかったら、誘われたときにきっと断っていたと思います。最初に、JISTA のイベントや講習会への誘いがあった時に「参加しよう」と思えたのも、応用情報に合格したからこそだと感じています。

ちなみに、私はまだ会員にはなっていません。これはITストラテジスト合格後のご褒美に取っています。

それと、これも余談ですが…夫とも勉強会で知り合いました。意外とそういうチャンスがあるかもしれません。

収入アップ

応用情報に合格した後、次の更新時に時給が100円アップしました。これは時給月給の身にはとても大きいです。(月におよそ 160 時間で換算すると、約 20 万円の年収アップになります)

最後に、受験を考えている人にメッセージを

応用情報技術者試験は幅広い内容を深く問う試験となっています。現在の私のようにITエンジニアでなくても合格することが可能な試験です。

基本情報に合格して就職できそれで満足している方は、ぜひステップアップとして応用情報にチャレンジすることをお勧めします。ご自分の実力を客観的に判断でき、これからのご自分のキャリアを考えるうえで大きな助けになるでしょう。

また、自分はITエンジニアではないから関係ないと思っているユーザ企業の方にもお勧めしたいです。システム開発を依頼する際にベンダーの方たちと話す際、こちらが知識を持っているのと持っていないのでは大きく違ってくるからです。これはITエンジニア側にも言えることなのですが、共通との知識と思っていることが実はITエンジニア側と利用者側で必ずしも同じではないからです。

応用情報に合格して、今の仕事やこれからのキャリアアップに役立てていただけたらとてもうれしいです。

 

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