データベーススペシャリスト 午後Ⅰ[午後1]~「型」の変化と合格に必要な知識


2019-04-02 公開

ステップ 1 データベースの基礎理論

データベーススペシャリスト試験の午後Ⅰの “型” は、これまで少しずつ変化してきました。

中でも大きな変化は次の 2 点です。

午後Ⅰの「型」の変化

  • 平成 21 年:新試験制度のもと、4 問出題から 3 問の出題に変わる
    (同時に 3 問 選択 解答から 2 問 選択 解答に変わる)
  • 平成 26 年:それまでずっと問 1 で出題されていた「基礎理論」が無くなる

平成 26 年以後は、午後Ⅱと同じ切り口のデータベース設計の問題と、SQL の問題が中心になっています。

 

それまで出題されてきた “データベースの基礎理論” の問題とは、関数従属図を完成させたり、候補キーを列挙させたりするものでしたが、それぞれ平成 30 年には設問単位での出題もなくなりました。

 

もう必要なくなったのでしょうか?

 

いえ、そんなことはありません。

設問で問われていないだけで、正規化や主キーの設定における基本的概念として(それらの問題を解くために)必要な知識であることに変わりはありません。

 

そのため、今でも次のような「データベースの基礎理論」に関する知識は必須です。

設問で出題される可能性は少ないのですが、基礎として理解しておく必要があるテーマだということに変わりはありません。対応できるように準備しておきましょう。

今でも必要なデータベースの基礎理論

  • 関数従属図を完成させる問題
  • 候補キーを列挙させる問題
  • 更新時異常の具体的状況を指摘させる問題

設問で出題される可能性は少ないのですが、基礎として理解しておく必要があるテーマだということに変わりはありません。対応できるように準備しておきましょう。

 

ステップ 2 正規化と主キーの設定をおさえる

続いて、正規化に関する問題です。知識としては第 5 正規形まで、実践的には第 3 正規形までです。

また、主キーに関する知識はいかがでしょう? 候補キーやスーパーキーとの違いは?

 

平成 30 年に出題された午後Ⅰのテーマは、問 1 がデータベース設計、問 2 がSQL、問 3 が物理設計でした。

このうち、毎年必ず出題されているデータベース設計(問 1 )の問題を解くために必要になるのが、 “正規化” や “主キー” に関する知識になります。

したがって、 “正規化” と “主キー” に関する知識があることが、二つ目のステップになります。

 

ちなみに、平成 30 年に出題された午後Ⅰのテーマは、SQL を除き、午後Ⅱとほぼほぼ同じなんですね。

特に、毎年出題されている “データベース設計” の問題は、午後Ⅱが解けるレベルになれば、午後Ⅰの問題も解けると思います。平成 30 年の場合、問 3 も午後Ⅱが解けるレベルになっていると午後Ⅰの問題も解けるでしょう。

ということは、特に午後Ⅰ対策は( SQL の対策を除き)必要ない わけです。

そういう意味では、ステップ 1 も ステップ 2 も直接的に午後Ⅰで点数が取れるようになるというわけではないかもしれませんが、午後Ⅰと午後Ⅱの基礎固めになるのは間違いありません。

 

ご利用中の参考書を使って、そこを着実に押えていきましょう。

 

ステップ 3 SQL を仕上げる

そして最後は SQL です。

最近のデータベーススペシャリスト試験では、SQL が重視されてきたような印象を受けます。

以前は、SQL を選択しなくても午後Ⅰ、午後Ⅱともにクリアできていたのですが、最近はそうも言ってられない感じです。

 

したがって、SQL を得意としている人を除き、時間の許す限り SQL の問題で点数が取れるように仕上げていくことをお勧めします。

時間が無ければ午前Ⅱ対策(午前Ⅱの問題と解説だけを見る)に特化しても構いません。

午後Ⅰならではの(短時間での)解き方もありますが、それ以前に “SQL” そのものを知らなければ答えは出てきこないですからね。時間と相談しながら、SQL 対策もきちんとやっていきましょう。

 

なお、SQL の問題は基本情報技術者試験でも出題されています。午後のデータベース分野の問題は SQL がメインです。

したがって基本情報技術者試験の勉強をしている時に、しっかりと SQL を仕上げておけば、高度系のデータベーススペシャリスト試験を受験する時には、かなり楽になるわけです。

今回データベーススペシャリスト試験を受験する人にとっては “今さら” の話ですが、後輩に情報処理技術者試験の話をする機会があれば、それを教えてあげましょう。

 

これから開始する人、これまでに準備ができている人

これから試験対策を開始する人も、これまでに準備が出来ている人も、上記の ステップ 1 ~ 3 を進めていきましょう。

平成31年の問題は、おそらくこういうパターンになると思われます。

データベース設計の問題
1 問
SQL の問題
1 問
その他
1 問(平成 30 年は午後Ⅱの問 1 に似た物理データベース設計の問題)

したがって、SQL が得意で、午後Ⅱ対策のしっかり準備できている人は、現時点で既に仕上がっていると言えるでしょう。今受験しても “合格” できるかもしれません。

その場合、(直接の出題はないと思われますが)ステップ 1 や ステップ 2 で説明している “データベースの基礎理論” の最終確認をするぐらいで構いません。

あとは、午前Ⅱや午後Ⅱ対策を進めて、それでも時間的余裕があれば、各年度の “その他” の問題に目を通しておけばいいでしょう。そこまでできれば万全です。言うことありません。

 

また、これから試験対策を始める人も、範囲はそんなに広くないので、それほど時間はかかりません。焦らずに、ひとつづつ進めていきましょう。SQL が得意だったら ステップ 2 まででいいわけですからね。今からでも十分間に合います。

最後の追い込み頑張りましょう。

 

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