データベーススペシャリスト 午前Ⅱ [午前2] の最新傾向と対策 ~ 令和 3 年 秋期版


2021-05-20 公開
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この記事は最新年度 令和 3 年度 秋期版の記事です。
基本の対策は データベーススペシャリスト 午前Ⅱ [午前2] 王道の対策 にございますので、こちらを合わせてご覧ください

分析

2020 年 10 月試験の “午前Ⅱ” の問題を分析してみました。

1. 自区分と他区分の比率

まずは、自区分と他区分の比率です。

午前Ⅱ試験の 25 問のうち、自区分、すなわちデータベース分野の問題は全部で 18 問(問 1 から問 18 まで)でした。 72 % で、ほぼ例年通りですね。

残りの 7 問が他区分の問題になりますが、このうち、出題比率が上がる可能性のあった情報セキュリティ分野の問題は 3 問でした。結果的に、例年(前回)よりも 1 ~ 2 問多くなっていますが( 1 ~ 2 問としたのは法律分野を入れるか否かで異なるので)、これは公表内容通りです。今後もこの比率になるでしょう。

その他の問題は全部で 4 問。いずれもシステム開発分野の問題です。

まとめると、次のようになります。

分野 問題数
データベース 18
他区分 7
セキュリティ(レベル 4 ) 4

2. 過去問題と新規問題の比率

a) データベース分野の 18 問

データベース分野の 18 問のうち、過去のデータベーススペシャリスト試験の午前Ⅱで出題された問題とまったく同じ問題は 10 問でした。平成 30 年の問題が最も多い 6 問で、残りの 4 問は、平成 29 年の問題が 2 問、平成 28 、 31 年からの出題がそれぞれ 1 問になっています。

残りの 8 問のうち、 6 問は、過去問題の解説等を読んで “理解” していたら解けるだろうという問題です。キーワードが過去問題の問題や選択肢にあったものだからです。したがって、過去問題をしっかりと勉強していると 16 問は正解できるので、それだけで午前Ⅱはクリアできるでしょう。

なお、この試験は午後Ⅰ、午後Ⅱでは RDB と SQL が対象のデータベースになるので、昨今利用が進んでいる NoSQL に関しては、午後Ⅰ、午後Ⅱではなく午前Ⅱで出題されています。新しいものなので新規問題が中心になりますが、今のところ基本的なことしか問われていないので、過去問題を参考にしながら理解を深めておけば、十分対応は可能でしょう。

b) 他区分の 7 問

情報セキュリティ分野と他区分の問題の 7 問のうち、データベーススペシャリスト試験の午前Ⅱの過去問題で出題されていたのは 1 問でした。

情報セキュリティ分野の問題は、 3 問とも他区分で使用されている過去問題でしたが、平成 16 年以後のデータベーススペシャリスト試験の午前Ⅱ試験では出題されてはいませんでした。

2021 年度(令和 3 年度)秋試験に向けての対策

以上のような結果より、基本的には例年通りの対策でいいと思います。

データベーススペシャリスト試験の午前Ⅱ試験の特徴は、午後Ⅰや午後Ⅱで必要な知識が、午前Ⅱでも同様に問われるという点です。 SQL 、正規化、トランザクション処理などは、その象徴です。したがって、 2 段階に分けて学習するというのがベストな戦略だと思います。

第 1 段階:データベーススペシャリスト試験の午前Ⅱの過去問題(データベース分野の問題)を理解する

他の高度系試験区分に比べて、自区分(データベース分野)からの出題比率が高いので、まずは、データベーススペシャリスト試験の午前Ⅱ試験の過去問題に目を通しておくことが基本的な戦略になります。対象年度は、時間があれば平成 21 年度以後がベストですが、時間が無ければ過去 5 回分でもいいかもしれません。うまくいけば、これだけで 10 問ほど正解できるかもしれないからです。

looks_one参考書を利用して(午後対策として) SQL を仕上げる

SQL に関する問題は定期的に新規の問題が作成されていますし、午後Ⅰでは(時に午後Ⅱでも)避けては通れないこともあるので、過去問題だけではなく、参考書等を利用してきちんと仕上げておきましょう。

looks_two参考書を利用してトランザクション、分散データベースを仕上げる

SQL 同様、トランザクション処理や分散データベース、障害回復処理等も、過去問題だけではなく参考書等を利用して体系的に知識を整理しておきましょう。平成 26 年以後の午後Ⅱのデータベース物理設計の問題を使うのもいいでしょう。午後Ⅱをデータベース論理設計を選択すると決めている場合でも、午前Ⅱや午後Ⅰ対策として有効です。

午後Ⅰ対策・午後Ⅱ対策中の午前Ⅱ対策

第 1 段階の後、もしくは並行して午後Ⅰ・午後Ⅱ対策を実施します。

この時、午後Ⅰや午後Ⅱの過去問題で問われていることのうち、第 1 段階で覚えたことがあれば、その時に合わせて午前Ⅱの問題を見直します。

そうすることで、午前Ⅱ対策としての記憶が定着するのはもちろんのこと、午後Ⅰや午後Ⅱで出題された別の切り口を理解したり、頻出の重要な問題だと設定できたりします。

メリットが多いので、午後Ⅰ対策及び午後Ⅱ対策中であっても、必ず午前Ⅱの問題も併せてチェックするようにしましょう。

第 2 段階:データベーススペシャリスト試験の午前Ⅱの過去問題(データベース分野の問題)に再度目を通しておく

その後、午後Ⅰ・午後Ⅱも仕上がり、試験直前( 1 ~ 2 週間前)になったら、最後に午前Ⅱを再度見直します。

この時には、午前Ⅱの問題として 4 択から正解できるかどうかをチェックします。

特に、午後Ⅰ及び午後Ⅱで取り上げられなかった NoSQL 関連の問題等は再チェックが必須でしょう。

ちなみに、 NoSQL に関しては、まだまだ過去問題が少ないので過去問題には頼れません。今後も新規に作成されるケースが多いと思われるので、 NoSQL に関して未経験者は NoSQL 関連の知識を得ておくといいかもしれません。できれば、何かまとまった書籍を 1 冊入手して目を通しておくといいでしょう。

情報セキュリティの問題

令和 2 年度 10 月試験から、情報セキュリティ分野の問題が 1 問増えて 3 問になりました。これは IPA の公表から予想できていたことなので、今後も 3 問だと思われます。

データベース分野の問題だけで 7 割を超えるので、基本的には情報セキュリティ分野の対策は不要ですが、この 3 問を得意とするとかなり有利に展開できるため、時間に余裕があれば情報セキュリティ分野のチェックもしておきましょう。

また、情報セキュリティが 3 問ほど出題されるのは、他の高度区分の午前Ⅱでも同じです。したがって、長期的視点にたって取り組むとベストだと思います。

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