残り3週間で仕上げる 基本情報技術者試験 午前


2018-10-04 公開

Check-1.情報処理技術者試験の特徴を確認

最初に,情報処理技術者試験の特徴について確認しておきましょう。

午前試験は,基本情報技術者試験に限らず,応用情報技術者試験も高度系の試験でも,すべて4択の選択式で出題されます。選択肢はア,イ,ウ,エで,原則,その並びはアイウエオ順に並んでいます。出題数は試験区分によって違うものの,共通しているのは,配点は均等で60%以上の点数で合格になります。基本情報技術者試験の場合は,問題数は80問なので,48問以上の正解で午前試験に合格します。

 

そして,午前試験の問題なのですが,過去に出題された問題を“そのまま”流用するものが多く,“そのまま”とは言わないまでもほとんどの問題が,少しのアレンジしかしていなかったり,過去問題で十分理解をしていれば普通に解けたりするものになります。もちろん全く新しい切り口,全く新しいキーワードの問題(以下,新規問題という)も作成されますが,その数はわずかです。

 

とはいうものの,基本情報技術者試験の前身の“第Ⅱ種”試験は,昭和44年に開始され,もうかれこれ50年ほどにもなるので,その過去問題も膨大な数になります。古すぎる問題は不要だとしても,(分類や集約の仕方にもよりますが)ざっくり500問ぐらいは必要になります。ひとつの問題で最大4つの知識(選択肢が4つなので)が必要になることを考えれば,過去問題の中には,おおよそ1,000~1,500ぐらいの知識が含まれていて,それを,覚えていくというのが,基本情報技術者試験の午前対策だと考えておけばいいでしょう。

 

ちなみに,過去問題はIPAのWebサイトで公開されています。平成16年以後の問題になりますが,約15年分(29期分)が無償でダウンロードできるようになっています。

Check-2.これまでに過去問題をどれだけ活用してきたかをチェック

したがって,午前試験の基本は“過去問題”を使った学習になります。これは全試験区分共通なので,高度系の資格を複数保有しているベテランになると,テキスト等は使わずにIPAの公表している過去問題だけを使って勉強するという人もたくさんいます。

 

そこで,ひとつ確認です。

 

これまで,いろいろな学習ツールを使って学習を進めてきたと思いますが,それは“過去問題の形”になっていますか?問題文と4択の選択肢がある形です。

 

予想問題,オリジナル問題,改変された問題は,ホンモノの問題とどこがどう違うのかがわかっていればいいのですが,そうでなければ使わない方がいいと思います。特に,直前対策だったら“決して見ない”ことをお勧めします。というのも,先に述べた通り本試験では過去問題が“そのまま”出題されることが多いからです。その場合,問題数の多い午前試験では,“なんとなくこれが正解じゃないかな?”という…頭の中の奥深くにかろうじて残っている記憶を頼りに絞り出すことも自ずと多くなり,その正答率で合否が別れることもよくあるのです。

 

それを考えれば,やはり最終的には“過去問題”なんですね。最強の学習ツールは。

 

どの参考書も,結局は過去問題をベースに必要な知識を定義していて,全てを盛り込むことは量的に不可能なので,著者や出版社の判断で過去問題から一部をピックアップしています。そのため,いくら書籍の売り文句通りに“厳選”されていたとしても,その中には含まれていないことが,この秋の試験で出題されることはいくらでもあるわけですからね。

Check-3.午前試験の直前最終チェック

そこで,直前対策としてお薦めしたいのは,順調に学習が進んでいる方も,これから開始する方も,IPAの公開している過去問題を使った学習(もしくは知識の最終確認)です。

 

平成16年以後の29期分とはいいません。もちろんそれをすれば,かなりのカバー率になるので,これからの時間を考えて“可能であれば”それを目指して万全にしておくのもいいとは思います。しかし,現実的に考えれば,平成21年から平成29年春までの17期分(1期80問なので1360問)で十分です。従来通りであれば,直近2期に出題された問題が(派生問題は出題されることがありますが)そのまま出題されることはほぼありませんから,平成30年秋試験であれば,平成30年春試験及び平成29年秋試験で出題されている問題は避けることができます。それで,この17期分なんですね。

 

他にまとまった参考書やアプリを使っている場合は,そのカバー率にもよりますが,それでチェックするのもでも十分です。

 

しかし,実際の過去問題を使うことで,問1から問80の“流れ”や新規問題がどのあたりに集中しているのかを実感できますし,冗長である分,何度も繰り返し出題される問題も実感できるでしょう。何より,学習ツールで“厳選”に漏れた問題や知識に触れることもできます。最終チェックにこれほど向いているものはありません。

 

但し,IPAのサイトで公開されているのは,本試験の問題と解答例だけです。なぜその答えになるのか?という,いわゆる“解説”は付いていません。それゆえ,そこは,ネットの情報やテキスト,参考書などを活用すると良いと思います。“解説”を必要とする問題が多ければ書籍を活用し,少なければネットで都度検索する…そういう感じですね。

 

ポイントは,1問にそんなに時間をかけないこと。1問3分でも1000問だと50時間になります。欲張らずに,まずは“仕分け”を目的にサクサクと切り分けていきましょう。考え方としては,次のような感じです。

  • どうしても覚えられない問題を繰り返し見る
  • 前日に,どうしても覚えられない問題をチェックする(2時間で200問)
  • 当日に,それでも覚えられない問題をチェックする(1時間で100問)

Check-4.解けない問題が少ない場合

これは,残りの時間にもよりますが,じっくりと理解しながら進めて行けば良いでしょう。

 

全部の問題に均等に時間をかけて,その中で解けない問題を少なくするとともに,理解している問題を増やしていきます。可能であれば,1問で4つのキーワードが出てきている問題もありますので,そういう問題に関しては1問で4つの知識を習得することを狙っていきます。

Check-5.解けない問題が多い場合

解けない問題があまりにも多い場合,それはそれで悲しいことですが,まだ諦める必要はありません。

 

まずは,全く同じ問題が出題された場合に備えて,そういうケースなら正解できるように持っていくことです。あまり欲張らずに,例えていうなら「犬=dog」というような感じで,問題と設問をワンセンテンスで結びつけるキーワードだけ覚えておくなどして,基礎の基礎から暗記していきます。

 

但し,その場合,深く理解していないことでも“正解してしまう”ことになり,それで“合格してしまう”羽目になることもあるので,必ず,10月21日から間を空けずに,本番試験で出題された問題について,じっくりと時間をかけて深く理解するところまで復習をしておきましょう。試験終了後で,しかも出題された問題だけなら数も限られているので,一つのテーマに10時間でも20時間でもかけて構いませんからね。

Check-6.特に優先すべき問題

午前試験は80問出題され,80問とも解答しなければなりません。午後のように選択できません。したがって,全範囲で満遍なく理解を深めていき,どの分野の問題でも偏りなく点数を取れないといけないのですが,それとは別に,午後で選択する出題分野の問題を優先的かつ重点的に理解していくことで,午後対策にもなります。基本情報技術者試験の午後問題は長文で出題されていますが,設問で問われていることは“午前問題”と同じものも少なくないのです。したがってしっかりとした午前対策は,午後の対策にもなるというわけです(その逆で,午後対策が午前対策にもなります)。

これから開始する人,これまでに準備ができている人

基本情報技術者試験は,情報処理技術者試験の中では「ITの知識を“0”から“1”にする役割」を持っています。それゆえ,短期間の付け焼刃的な対策は通用せず,時間をかけてじっくりと取り組む姿勢が必要になります。

したがって,原則は“付け焼刃”的な学習で,仮に合格できたとしても,この先の応用情報技術者試験や高度系試験で苦労することになるので,どこかでは必ずきちんと勉強しなければなりません。

 

しかしそれは,今からだと10月21日までに“しっかりと理解しなければならない”というわけでもありません。先に述べた通り,試験が終わってからでも構わないと思います。今からでも諦めずに,やってみましょう。

 

他方,これまでに十分準備が出来ている人は,午後対策を中心にしてもかまわないでしょう。残り約3週間,その時間配分だけ間違えないように万全なところにまで持って行っておきましょう。

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