基本情報技術者試験 午前免除(修了試験)の講評 ~ 2022年7月24日実施


2022-07-26 更新

試験対策講座の講師として、誠に勝手ながら、 2022 年 7 月 24 日(日)に実施された基本情報技術者午前免除試験(修了認定に係る試験)の講評をさせていただきます。

今回受験された人は振り返りの題材として、今後受験される人は対策の資料として、参考にしていただければ幸いです。

実施月 問題 解答
2022 年 7 月 問題 解答

他の試験区分の過去問題が 10 問程度出ることが定番化されている

今回の試験の内容も、前回( 2022 年 6 月 12 日)に実施された試験と同様に、基本情報技術者試験以外の過去問題(応用情報技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験などの過去問題)または古い過去問題(現時点で入手できる平成 21 年度春期より前の過去問題)が数多く出題されていました。

この傾向は、 2021 年 7 月 25 日に実施された試験からなのですが、 5 回も続いたのですから、もはや定番化されたと言えるでしょう。

 

図 1 に、テクノロジ系の全 50 問の中で、他の試験区分の過去問題だったものの出題数を示します。 2021 年 6 月 13 日に実施された試験では、わずか 3 問でしたが、 2021 年 7 月 25 日以降に実施された試験では、常に 10 問程度になっています。

図 1 テクノロジ系の問題で、他の試験区分の過去問題だったもの
試験実施日 他の試験区分の
過去問題の数(割合)
2021 年
6 月 13 日(日)
3 問( 6 % )
2021 年
7 月 25 日(日)
8 問( 16 % )
2021 年
12 月 12 日(日)
15 問( 30 % )
2022 年
1 月 23 日(日)
12 問( 24 % )
2022 年
6 月 12 日(日)
12 問( 24 % )
2022 年
7 月 24 日(日)
8 問( 16 % )

今後の試験でも、他の試験区分や古い過去問題が数多く出題されることが予想されます。 ただし、そのために他の試験区分や古い過去問題を学習するというわけにもいかないでしょう。 これまで通りに、基本情報技術者試験の過去問題を学習してください。

学習のときには、これまで以上に数多くの過去問題を学習して、正解できる問題の数を増やしてください。 もしも、試験当日に、見たこともないような問題に遭遇したら、その時はその時です。 自分の持てる知識を総動員すれば、何とかなります。

全体の難易度はこれまでと同様だった

問題の全体(問 1 ~問 80 )の難易度は、どうだったでしょう。

図 2 は、今回の試験問題の分類と難易度を A, B, C で示したものです。この難易度は、私の講師経験から、

  • 受講者のほぼ全員ができるものを A (やさしい)
  • 半数ぐらいができるものを B (ふつう)
  • ほとんどができないものを C (むずかしい)

としたものです。

図 2  今回の試験の問題の分類と難易度
分野 問題番号(難易度)
情報の基礎理論 問 1 (B), 問 2 (C), 問 3 (C), 問 4 (B), 問 5 (B), 問 9 (C)
アルゴリズム 問 7 (B), 問 8 (B), 問 10 (B)
ハードウェア 問 6 (B), 問 11 (B), 問 12 (A), 問 13 (A), 問 14 (B), 問 20 (B), 問 21 (B), 問 22 (C)
ソフトウェア 問 17 (B), 問 19 (B)
システム構成 問 15 (B), 問 16 (A), 問 18 (A)
マルチメディアとヒューマンインタフェース 問 23 (B), 問 24 (A)
データベース 問 25 (A), 問 26 (B), 問 27 (A), 問 28 (B), 問 29 (B)
ネットワーク 問 30 (B), 問 31 (B), 問 32 (B), 問 33 (A), 問 34 (B)
セキュリティ 問 35 (B), 問 36 (A), 問 37 (A), 問 38 (B), 問 39 (B), 問 40 (B), 問 41 (A), 問 42 (A), 問 43 (B), 問 44 (B)
開発技術 問 45 (A), 問 46 (B), 問 47 (B), 問 48 (B), 問 49 (A), 問 50 (B)
マネジメント系 問 51 (B), 問 52 (B), 問 53 (A), 問 54 (B), 問 55 (A), 問 56 (B), 問 57 (B), 問 58 (A), 問 59 (A), 問 60 (A)
ストラテジ系 問 61 (B), 問 62 (A), 問 63 (B), 問 64 (B), 問 65 (A), 問 66 (A), 問 67 (A), 問 68 (A), 問 69 (B), 問 70 (A), 問 71 (B), 問 72 (A), 問 73 (A), 問 74 (B), 問 75 (C), 問 76 (B), 問 77 (A), 問 78 (B), 問 79 (A), 問 80 (A)
infoマネジメント系とストラテジ系は、全体を 1 つの分野にしています。

全 80 問の難易度を集計すると、

A が 30 問、
B が 45 問、
C が 5 問

です。

A が 90 % できて、 B が 50 % できて、 C が 25 % できる(四択問題なので最低でも 25 % できます)とすれば、 1 問が 1.25 点なので、得点の期待値は、

1.25 点 × ( 30 × 0.9 + 45 × 0.5 + 5 × 0.25 )
≒ 63.44 点

です。

図 3 に、今回を含めた過去 10 回の午前免除試験の得点の期待値を示します。

図 3  過去 10 回の午前免除試験の得点の期待値
試験実施日 難易度 A 難易度 B 難易度 C 得点の期待値
2020 年
6 月 14 日(日)
19 問 52 問 9 問 63.75 点
2020 年
7 月 26 日(日)
20 問 50 問 10 問 63.75 点
2020 年
12 月 13 日(日)
28 問 48 問 4 問 62.75 点
2021 年
1 月 24 日(日)
30 問 41 問 9 問 62.19 点
2021 年
6 月 13 日(日)
28 問 48 問 4 問 62.75 点
2021 年
7 月 25 日(日)flag
30 問 42 問 8 問 62.50 点
2021 年
12 月 12 日(日)flag
29 問 40 問 11 問 61.10 点
2022 年
1 月 23 日(日)flag
27 問 47 問 6 問 63.50 点
2022 年
6 月 12 日(日)flag
32 問 42 問 6 問 64.13 点
2022 年
7 月 24 日(日)flag
30 問 45 問 5 問 63.44 点
flag 印を付けた実施日の試験から、他の試験区分や古い過去問題が多くなっています。

他の試験区分の過去問題や古い過去問題が多くて難しく感じたかもしれませんが、今回の試験の全体の難易度は、これまでの試験と同様でした。

自分の持てる知識を総動員すれば何とかなる問題の例

先ほど

試験当日に、見たこともないような問題に遭遇したら、その時はその時です。 自分の持てる知識を総動員すれば何とかなります

と説明しましたが、そのような問題の例を示しましょう。

 

以下は、今回の試験の問 1 です。 いきなり 1 問目で、見たこともないような問題に遭遇したので驚かれたでしょう。

この問題は、平成 20 年度 春期 基本情報技術者試験の問 5 として出題され、それ以降は出題されたことがありません。 現時点で入手できるのは、平成 21 年度 春期以降の過去問題なのですから、見たことがなくても当然です。

問 1

浮動小数点表示の仮数部が 23 ビットであるコンピュータで計算した場合,情報落ちが発生する計算式はどれか。ここで, ( ) 内の数は 2 進数とする。

swipe 式はスクロールできます

(10.101)2 × 2-16 – (1.001)2 × 2-15
(10.101)2 × 216 – (1.001)2 × 216
(1.01)2 × 218 + (1.01)2 × 2-5
(1.001)2 × 220 + (1.1111)2 × 221

この問題を見て「できない」と決めつけずに、「見たことがなくても基本情報技術者試験として出題された問題なのだから、自分の持てる知識を総動員すれば何とかなるはずだ」と思ってチャレンジしてください。

この問題のテーマは、「情報落ち」です。

基本情報技術者試験の勉強をきちんとしていれば、情報落ちという言葉の説明や、情報落ちに関する別の問題を見たことがあるでしょう。

情報落ちとは
浮動小数点数で、大きな値と小さな値の加減算を行うと、小さな値の一部が結果に反映されなくなることです。 これは、大きな値の指数に合わせて加減算が行われるからです。

たとえば、 10 進数で例を示すと、
navigate_next 1.23 × 10100 + 4.56 × 10-100
という加算は、大きな値の 10100 という指数に合わせて、
navigate_next 1.23 × 10100 + 0.0000000000…0000456 × 10100
として行われます。

コンピュータで取り扱える桁数は有限なので、
navigate_next 0.00000…000000000456
の部分が途中で打ち切られて
navigate_next 0.00000…0 (つまりゼロ)
になり、 456 という情報が失われてしまいます。 これが、情報落ちです。

 

問題を見てみましょう。

選択肢の中で、大きな値と小さな値で加減算を行っているのは、選択肢ウの

(1.01)2 × 218 + (1.01)2 × 2-5

だけです。 したがって、選択肢ウが正解です。

問題に示された

仮数部が 23 ビット

を気にする必要はありません。 選択肢の中で 1 つだけが正解であり、選択肢ウ以外の選択肢は、大きな値と小さな値の加減算になっていないからです。

 

解答

新制度では科目 A 試験免除になる見込み

すでにご存じの人も多いと思いますが、基本情報技術者試験は、令和 5 年度( 2023 年度) 4 月から制度が大きく変わります。

これまでの午前試験と午後試験は、科目 A 試験と科目 B 試験という名称になり、問題の構成も変わります。 したがって新制度では、これまでの午前免除試験が、科目 A 免除試験に変わる見込みです(まだ未確定です)。

科目 A 試験の内容は、問題数と試験時間が減ったこと以外は、午前試験の内容と同様です( 80 問で 150 分から、 60 問で 90 分に変わります)。 今後、科目 A 免除試験を受ける場合は、これまでと同様に、午前試験の過去問題を数多く解いて練習しておけば OK でしょう。

以上、試験対策講座の講師として、誠に勝手ながら、試験問題の講評をさせていただきました。

今回の午前免除試験に合格できた人は、ここで気を緩めずに、すぐに午後試験の学習を始めてください。 残念な結果になってしまった人は、ここで気落ちせずに、午前試験と午後試験の学習を並行して進めてください。

いずれの場合も、本試験の当日まで、コツコツと学習を続けていれば、必ず良い結果が得られるはずです。 皆様のご健闘をお祈り申し上げます!

 

label 関連タグ
新制度でも、
午前免除できます。
独習ゼミで科目 A 試験を免除しましょう。
免除試験を受けた 86% の方が、
1 年間の午前免除資格を得ています。
2023 年 春 向けコース
最大 10 % OFF !
info_outline
2023 年 春 向けコース
最大 10 % OFF !
詳しく見てみるplay_circle_filled
label これまでの『資格ガイド』の連載一覧 label 著者