システム監査技術者 7月はシステム監査の基礎知識を学ぼう|2023年度


2023-07-04 公開

7 月です。 試験まで残り 3.5 か月になりました。

いよいよ企業で開催される “本格的な試験対策講座” が始まります。 受験申込も始まるので(インターネット受付 7 月 7 日から)、合格を強く願っている人は … 一段ギアを上げていきましょう! いまいちモチベーションが上がらないという人は、早めに申し込むのも一つの手。 そこそこ高額な受験料を支払うことで、やる気になるかもしれません。

全体スケジュールの確認

まずは全体スケジュールの確認と微調整を行いましょう。 王道のスケジュールで良いのか否か。 この記事で確認ください。

info 学習スケジュールに関する記事

システム監査技術者 学習計画と対策

このスケージュールは、原則 “未経験者” を想定して書いています。 そのため、経験者の方はその先に進めていても問題はありません。 ポイントは、早い段階から午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱを同時並行的に進めていくという点です。

7 月から学習を開始する人

上記のスケジュールや王道の対策を見ながら秋の合格に向けて開始している人は、上記のスケジュールに沿って学習を進めていけばいいでしょう。 しかし、企業での本格的な試験対策が始まる 7 月から対策を開始する予定の人は(これまで、ちょっとやる気にならなかった人を含む)、次のような線引きで合格を狙いましょう!


1 基礎知識の確認

まずは基礎知識の確認です。 システム監査基準とシステム管理基準を理解しながら、一連の監査手順を覚えます。 既に頭の中に叩き込まれている経験者は不要かもしれません。 しかし、未経験者やシステム監査のイメージが定着していない人の場合、最低限の知識が無いとすべての対策が進みません。 まずはここからです。

具体的には、次の 3 点になります。

  • システム監査とは何かを把握する
  • システム監査手順の流れを把握する
  • システム監査特有の専門用語を覚えて理解する

そのために、目を通すべきものは次です。 いずれも平成 30 年版で、後述する令和 5 年版ではありません。

システム監査基準
システム管理基準

この二つの資料をベースに、そこに出る監査特有の専門用語について、ご利用中の参考書を使って、よりしっかりと把握します。

なお、システム監査基準及びシステム管理基準は令和 5 年 4 月 26 日に改訂されました。

この改訂から試験日まで 6 か月しかないことや、経済産業省が「令和 5 年 11 月から活用いただくことを想定しております」と書いている点だけを考えれば、令和 5 年の試験には関係ないかもしれません。 令和 5 年の試験では、おそらく平成 30 年版準拠でしょう。

ただ、平成 30 年 4 月 15 日に行われたシステム監査技術者試験では、午後Ⅱ 問 1 で「アジャイル開発」をテーマにした問題が出題されています。 アジャイル開発に対する監査は、平成 30 年 4 月 20 日のシステム監査基準の改訂時に強化(追加)されたポイントです。

こうした事実から考えれば、 7 月は基礎知識の獲得という観点では平成 30 年版を活用し、試験日までには令和 5 年の改訂にも目を通した方がいいでしょう。

試験も基準も、時代の変化に合わせて変わっている点は同じですからね。 準拠する / しない ではなく「変化を知るという」観点で確認しましょう。

2 午前Ⅱ対策:過去問題を活用した演習

その後は監査特有の専門用語を覚えることを目的に、午前Ⅱ対策(特に、システム監査基準、システム管理基準、用語の説明に関連している基本的な問題)に着手します。

この時期には、午前Ⅱをクリアするための対策という狙いではなく、監査特有の専門用語について理解を深めることが狙いです。

したがって、(午前Ⅱの過去問題のうち)用語の説明をしている問題や、システム監査基準及びシステム管理基準に関する問題だけに絞り込んでもいいでしょう。 そうすれば、それほど時間はかからないと思います。

3 午後Ⅰ対策:過去問題を活用した演習

午前Ⅱ対策と並行して午後Ⅰ対策にも着手しましょう。

ただ、この時期は「午後Ⅰで点数を取る」という目的ではなく、監査特有の用語がどのように使われているのか、監査手順が実際にはどういう流れになっているのかを確認することに意識を向ける方がいいでしょう。 正解にはあまりこだわらず、解答と解説をチェックして覚えるというスタンスでいいと思います。

ある程度、午後Ⅱ問題が頭の中に入っていると、午後Ⅱのネタになるかどうかという視点で見ることもできます。 午後Ⅱで問われていることの「表現レベル」を把握したりを目的にして。

なお、具体的な午後Ⅰ対策は、こちらを参考にしてください。

info 午後Ⅰの対策に関する記事

システム監査技術者 午後Ⅰ(午後1)記述式 王道の解き方

4 午後Ⅱ対策:問題文の読込み

システム監査の手順が把握でき、監査特有の専門用語を覚えられれば、午後Ⅱの問題文の読込みに入ります。 どのようなことが問われているかを把握するのが最大の目的なので、「難しいな」とか「書けないな」と感じるだけでも構いません。 この時期は、どういう問題が出ているのかを知るだけで十分です。

システム監査経験者や 2 回目以上の受験で、これまで説明してきたところに課題が無い場合や、添削指導を受けている場合を除き、まだ論文を作成する必要はありません。 他の論文系区分に合格している人は、特に必要ないと思います。 おそらく、まだ精度の高い論文は書けないと思います。

そうではなく、今後何を勉強していけばいいのか?何が足りないのか?という課題を知ることを最大の目的に、問題文の読込みを進めましょう。

DX 関連知識とアジャイル開発に関する知識

なお、午後Ⅱの問題文の読み込みを進めると、令和からの DX 重視の姿勢に直面すると思います。

平成 30 年の問 1 「アジャイル開発に関するシステム監査」に始まり、平成 31 年には「 IoT システムの企画段階」、令和 2 年には「 AI 技術を利用したシステムの企画・開発」、令和 3 年には「 RPA ツールを利用した業務処理の自動化」の問題が出題されています。 平成 30 年から 4 年連続で DX 関連(先端技術含む)だと思われる問題が出ているのです。 もちろん午後Ⅰ試験でも同じです。 平成 31 年以後、毎年 1 問は DX 関連(先端技術含む)だと思われる問題が出ています。

おそらく、 DX 関連システムが(従来のシステムに比べて)、より “不確かさ” を含むため、企画段階や計画段階でのシステム監査の果たすべき役割が大きいと考えているのでしょう。

そこで、 DX 関連知識やアジャイル開発が苦手な場合には、この時期に関する知識をストックしておくことをお勧めします。 参考までに、筆者がお勧めする資料を 3 つほど紹介しておきましょう。

上記以外にも様々な資料や書籍が出ていますが、やはりここは(試験の主催者である) IPA が公表している資料でしょう。 試験対策に限っては、最も信頼がおけるからです。

まとめ

ということで、 7 月は「 1 基礎知識の確認」から着手して、半ば過ぎから「 2 午前Ⅱ対策」、「 3 午後Ⅰ対策」、「 4 午後Ⅱ対策」を同時並行的に進めましょう。

もちろん 5 月から学習を開始して順調な人は、そのままのペースで。

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