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システム監査技術者午前Ⅱ [午前2] の最新傾向と対策～令和 3 年秋期版

三好康之
2021-05-26 公開

編集部からお知らせ
この記事は最新年度令和 3 年度秋期版の記事です。
基本の対策はシステム監査技術者午前Ⅱ [午前2] 王道の対策にございますので、こちらを合わせてご覧ください

1 分析
2 2021 年度（令和 3 年度）秋試験に向けての対策

分析

2020 年 10 月試験の “午前Ⅱ” の問題を分析してみました。

1. 自区分と他区分の比率

まずは、自区分と他区分の比率です。

午前Ⅱ試験の 25 問のうち、自区分、すなわちシステム監査分野の問題は全部で 10 問（問 1 から問 10 まで）でした。システム監査技術者試験の場合、他の区分と比べて自区分の問題が極端に少ないのも例年通りです。全体の 40 % ですね。

残りの 15 問が他区分の問題になりますが、このうち、出題比率が上がる可能性のあった情報セキュリティ分野の問題は 4 問でした。例年は 3 問なので、 1 問増えています。これは公表内容通りです。今後も 4 問を想定しておきましょう。

その他の問題は 11 問。その内訳は次のようになります。

分野		問題数
システム監査に関する問題		10
他区分		15
	情報セキュリティ（レベル 4 ）	4
	システム開発技術（レベル 3 ）	1
	ストラテジ系（レベル 3 ）（法律（レベル 4 ）含む）	6
	IT サービスマネジメント	2
	データベース（レベル 3 ）	1
	ネットワーク（レベル 3 ）	1

2. 過去問題と新規問題の比率

a) システム監査分野の 10 問

システム監査分野の 10 問のうち、過去のシステム監査技術者試験の午前Ⅱで出題された問題とまったく同じものは 6 問でした。

ただ、過去問題としては出題されていない問題でも、ほとんどの問題が過去問題を多少アレンジしたもので、完全な新規問題はありませんでした。これは、平成 30 年にシステム監査基準及びシステム管理基準が刷新されたため、それに合わせて新しい問題にする必要があったからでしょう。

出題年度はバラバラです。例年システム監査分野の問題は、せいぜい 10 問（もしくは 11 問）程度しかないので、各年度から万遍なく集めているのかもしれません。

b) 他区分の 15 問

情報セキュリティ分野と他区分の問題の 15 問のうち、これまでに、システム監査技術者試験の午前Ⅱで出題されていたのは 4 問でした（うち 1 問は、情報セキュリティ分野です）。

平成 20 年以前のものが出題されていますが、システム監査分野の問題と合計すると、過去に出題されたものと同じ問題は、 25 問中 10 問ということになります。

2021 年度（令和 3 年度）秋試験に向けての対策

以上のような結果より、 2021 年秋期試験に向けては、次のような準備をしていきましょう。

システム監査技術者試験の午前Ⅱの過去問題（ 25 問）を理解する

まずは過去問題を使って知識を整理します。

この時、システム監査分野の問題は当然ですが、後半の（問 11 以後の）他区分の問題も理解しながら進めていきましょう。前述の通り、他区分の問題でも、システム監査技術者試験の午前Ⅱで繰り返し出題されている問題が少なくないからです。

対象年度は、平成 16 年以後公表されている全ての問題です。少々多いかもしれませんが、で説明するように、古い問題で “今となっては無効になるもの” もありますから、そういう問題をリジェクトしていくと、数は絞り込めると思います。

システム監査基準、システム管理基準（いずれも平成 30 年版）をチェックする

続いて、平成 30 年版のシステム監査基準とシステム管理基準をチェックしましょう。

これは、午後Ⅰや午後Ⅱ対策としても必須です。

そして、それまでの平成 16 年版との違いを確認して、で目を通した過去問題のうち、陳腐化してしまった問題を消していきましょう。

参考「システム監査基準」及び「システム管理基準」の改訂について（METI/経済産業省）

ストラテジ系の問題

システム監査技術者試験の午前Ⅱは、システム監査分野の問題が 10 問と少なく、それに対し他区分の問題が 15 問にもなります。

他区分の問題は、各々の区分ごとに大量の過去問題が存在しています。その中からほんの一部が出題されるため、毎回、これまでの（過去の）システム監査技術者試験の午前Ⅱで出題されていない問題ばかりを出題することは決して難しくありません。

今年度も、 15 問中 3 問は過去のシステム監査技術者試験の午前Ⅱで出題されたものですが、その 3 問しか正解できないとしたら、午前Ⅱをクリアすることはすごく難しくなるでしょう。

そのため、他区分の問題にも目を通しておく必要があります。

中でも特に、約半分を占めるストラテジ系の問題（法律含む）がお勧めです。 IT ストラテジストの午前Ⅱの過去問題を解いてみて知識を得ておきましょう。

情報セキュリティの問題

そして、他区分のもう一つが情報セキュリティ分野です。情報セキュリティ分野からの出題は、今後も 4 問だと思われます。

システム監査分野とストラテジ系の問題に、情報セキュリティ分野を含めれば 21 問。その 21 問の 7 割強の問題で正解できれば、午前Ⅱは突破できます。情報セキュリティは、システム監査人にとっても “セキュリティ監査” をするときに必須の知識です。午後Ⅰや午後Ⅱでも必要になる場合があるので、しっかりと仕上げておきましょう。

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