プロジェクトマネージャ試験 対策 午後Ⅱ(午後2)論文で書くべきこと ~論文最激戦区で生き残る~


2019-03-30 公開

Check-1. プロジェクトマネージャの論文問題のポイントを理解していますか?

まずは、プロジェクトマネージャの論文問題のポイントの確認です。

プロジェクトマネージャの論文問題を端的に言うとこんな感じです。

今回のプロジェクトの特徴に対して、
あなたは普段行っているプロジェクトマネジメント(PJ標準等に準拠したもの)を、
どうアレンジしましたか?

だから、どの問題でも設問アで「プロジェクトの特徴」が問われているんですね。

その認識は大丈夫でしょうか?

また、それを具体的に論文の中でどう表現するか決めていますか?

 

上記を意識したら、設問イや設問ウはこういう表現が軸になるはずです。

「今回は … である(=という特徴がある)ため、 本来なら(通常なら)… であるところを、 … というようにした。」

例えば…

「通常、外部設計工程は3か月あれば十分のところ、今回はプロトタイプを作成し、実際に操作してもらいながら進めるため、その結果、改善要求が発生・改善しなければならず、その期間を加味して4か月確保することにした。」

みたいな感じですね。

 

要するに、「工夫した点」というのは「特徴を加味して“アレンジした点”」なので、単純に対策を述べるよりも上記のような“通常時”と“今回”の対比で説明する方がストレートに伝わるというわけです。

Check-2. 設問アの準備はできていますか?

Check-1. のポイントを十分理解したら、それを意識して「プロジェクトの特徴」を考えましょう。

どの試験区分でもそうなのですが、設問アの前半400字は、事前準備しておくべきところになります。

特に、プロジェクトマネージャ試験では、設問アは「プロジェクトの特徴」で、ほぼ間違いありません。したがって十分準備ができるのです。

 

そして、既に準備をしている人は、その内容を確認してください。

「…ということでプロジェクトが立ち上がった」

その表現がどこに来ていますか?

そこまでは、プロジェクトの背景や目的になるので、その部分は半分以内(200字以内)に押さえましょう。ここで必要なのは“プロジェクトそのものの話”だからです。

具体的には、プロジェクト目標(納期や予算、品質など)や体制、契約条件、制約条件など、特徴のある部分を中心に据えなければなりません。

プロジェクトの背景や目的も重要ですが、設問アの中心は、やはり“プロジェクトそのものの話”になるので、そうなるように本番までに確認して、必要に応じて軌道修正しておきましょう。

Check-3. 問題文の読み込みは十分ですか?

客観性のある表現で、かつ第三者に正確に伝えるための要素をしっかり含めた表現にできるようになっても、問題文と設問で問われていることに対して書かないと合格論文になりません。

本番で読み間違えてしまうと、せっかく合格論文が書けるようになっていても、もったいない結果になります。

幸い、プロジェクトマネージャ試験では、そんなに突拍子もない問題は出題されないので、過去問題でしっかりと「何が問われているのか?」をしっかりと把握しておけば、読み間違えを防ぐことはできます。

後悔しないために、じっくりしっかりと読み込んでおきましょう。

Check-4. プロジェクトの話になっていますか?

これも重要な視点です。

  • プロジェクトの話になっていますか?
  • 設問アが “システム概要” になっていませんか?
  • 問題の解決が “技術面” での解決に終始していませんか?

プロジェクトマネージャにとっての施策や問題への対応策とは、タスクの追加や変更、すなわちプロジェクト計画の話になります。したがって、その計画が採点者に伝わる表現でなければなりません。

具体的には次のような感じです。

いつからいつまで、誰に(誰と誰に)、
どういうことをするように指示したのか?

プロジェクトマネージャがするのは、シンプルに言えば “段取り” です。その視点を忘れないようにしましょう。

Check-5. システム監査基準に目を通しておく

最後に、ある程度余裕のある人限定ですが、今年は「アジャイル開発のプロジェクトマネジメント」が出題される可能性があります。

というのも、おそらくPMBOK ® 第6版対応になるからで、その目玉が最近増えてきた “アジャイル開発のプロジェクトマネジメント” だからです。

しかも、平成30年4月に公表された新しい “システム監査基準” 及び “システム管理基準” でもアジャイル開発の監査が含まれており、実際に平成30年4月のシステム監査技術者試験では、午後Ⅱ論述式で「アジャイル開発の監査」が出題されました。

そういった傾向から、今回のプロジェクトマネージャ試験でも、アジャイル開発のプロジェクトについて問われる可能性が十分あります。

 

その場合、一般的なウォータフォール型ではなくアジャイル開発特有のポイントが問われるのは間違いなく、ウォータフォール型のシステム開発プロジェクトと、アジャイル開発のプロジェクトの違いを押さえておきましょう。

具体的には、下記の3点に目を通しておくことをお勧めします。

  • PMBOK ® 第6版のアジャイル開発のポイント
  • システム管理基準(平成30年4月)のアジャイル開発のポイント
  • システム監査技術者試験の平成30年の午後Ⅱ問1

これから開始する人、これまでに準備ができている人

ということで、これから試験対策を開始する人は、上記のCheck-1. ~ 4.を進めていきましょう。

プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅱ論文問題は、受験生の頭の中にあることにそんなに大きな差はありません。

差が出るのは間違いなく表現力です。

それは実務でも同じですよね。顧客を始めとするステークホルダとの間に、認識のズレや齟齬があるとトラブルになる可能性が高くなります。

自分の頭の中にあるイメージを、どうすれば正確に第三者に伝えることができるのか?

それを意識しておきましょう。

 

他方、これまでしっかりと準備できている人は、本番当日までに、準備した情報を用いて過去問題に沿う形で文章の“部品”を準備していきましょう。
読み込んだ過去問題に対して、200~400字の文章で用意しておくことで、“今から試験対策を始める受験生” を引き離すことができるでしょう。

早くから始めたという優位性を最大限に活かすことが、早くから準備をしてきた受験生の取るべき戦略になります。

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