美術史専攻のド文系出身で基本情報技術者試験を初受験し午後のスコア 95.5 点で合格できた対策方法とは?

ブログ、SNS、動画など様々なメディアに情報が溢れ、基本情報技術者試験の対策方法は、さまざまな方の受験体験から、近しい人の勉強法を参考にして、自身のやり方を決める時代になりました。
この「受験体験記」では、合格不合格問わず、様々な受験者の方の受験体験をインタビューしています。
今回は、“ド” 文系の美術史専攻で、2 進数も 16 進数も「人生でほとんど触れたことがなかった」のに、初受験で、午後スコア 95.5 点をとって合格された 山本 萌子 さんに、その勉強方法だけでなく、オススメしない方法、自分は使えなかった午前免除制度を激推しする理由など、対策したことを伺いました。

山本 萌子 さん
株式会社 SE プラス
Media Team エンジニア
開発経験があっても、基本情報は別物
― まずは受験前のご経験について、伺えますか?
― エンジニアの領域、超えてるものがありますね (笑) 。ちなみに、学生の頃は、何を専攻されていたのですか?
― IT ほぼ無縁ですね (笑) なぜに IT にきたのか。。
とはいえ、開発経験があるなら、基本情報の知識はそれなりにお持ちだったのですか?
― なるほど、開発経験があるといっても、基本情報の知識とはまた違うんですね
私が普段、使っているプログラミング言語も PHP や JavaScript なので、残念ながら、選択できませんでした。。
― PHP はなく、しかも、追加されるのは Python ですものね。
では、すでに開発経験を積んでらっしゃるのに、なぜ受験しようと思われたのでしょうか ?
私としても社会人 3 年目になりますし、資格を 1 つくらいは取っておきたいなと思っていたので、これを機会に、という感じでした。
― いいですね、ドッグフーディング。実際、ドッグフードしてみた結果も気になるところですが、先に話を進めましょう。
試験に合格されたとのこと、試験スコアを教えて頂いてもよいでしょうか?
午後試験の選択はデータベース、ソフトウェア設計、プロジェクトマネジメント、経営戦略・企業と法務、表計算です。

― ちょっとエグいスコアとってますね。。完璧じゃないですか。
午後試験は解いたあと、結構自信があったので(自己採点で 2 問ミス)、90 点台後半を取れてよかったです!
― ( 完璧主義かよ。。) そんなスコアなら、やっぱり試験対策も「余裕に 1 週間前から、チョロっとやった」みたいな感じですか ?
― またまた (笑)。 では、どんな対策をしようと考えていたのですか ?
― あらら
- 試験の出題数 80 問から、数学の 10 問を引いた 70 問で、試験の合格ラインとなる正解率 60%
= 80 問で換算すると 55 問は最低限、正解できるようになるまで学習する - 比較的難易度の低い年度の問題に関しては 8 割以上= 64 問以上正解できる
という方針を立てました。
― おお、しっかり計画してらっしゃる !! スコアからは予想だにしない、まったくもって厳しいスタートだったんですね。。確かに “ド” 文系は数学苦手ですよね。
あとは、データベースなどは普段の業務で使っていて特に学習しなくてもできるので飛ばしました。
逆に 2 進数や 16 進数など、人生でほとんど触れたことのない分野や、ネットワークなど普段使ってはいるけど意識を全然していない、かつ想像がつきにくい分野は苦手だったので、そこを重点的に学習しました。
― 文系の人生には 2 進数、ほとんど出てこないですよね。。伺うと、やはり、開発経験と基本情報の知識は違いますね。
では、午後対策はどんな方針だったんですか?
- 午前問題で知識を付けること
- 表計算の関数について参考書を読んで学習
- アルゴリズムの疑似言語の表記がどのようなものなのかを過去問で確認
と考えていました。
ちなみに、アルゴリズムが苦手な方は、まずは身近なシステムのアルゴリズムを想像してみると良いと思います。
― なるほど! 開発経験があると、そのあたりが違うんですね。ただ、午後試験にも苦手分野でてきますよね
「ネットワークは絶対に選択しない」
と選択しない分野を決めておきました。問題を選択するときに迷うのが一番、時間の無駄だと思っていたので … 。
― とても、エンジニアっぽい発想です。となると、学習時間も、バッファを積んで見積もりしたのですか?
― あら、そうなんですか。計画を伺うと、結構やることが多いように見えるのですが、進捗はどんな感じでしたか?
例えば、午前試験は問題によって移動中などでもできる問題と、紙とペンがないとキツい問題に分かれるので、移動中などは “暗記分野” 、紙とペンが使えるときは “計算分野” 、と分けて効率的に勉強したりしていました。
― 暗記問題と計算問題に分けてやるのは、いいですね。実際、お盆明けからどんな勉強していたのですか?
それに加えて、苦手のネットワークの過去問を詰める、という感じです。2 週間で合計 30 時間くらいですかね。
試験直前は金曜日にお休みを頂いて、試験前 2 日間で午後試験の過去問を 3 回分と、午前試験の苦手だった年度、苦手な分野を解きました。2 日間で合計 10 時間くらいです。
合計すると、およそ 2 ヶ月で 60 時間です。
― なかなか地道にコツコツと苦手克服の勉強されていますね。
計算問題や苦手克服に近道なし
― 勉強で、つまづいたところはどんなところでしたか?
計算してると何やってるのかだんだんわからなくなってくるので、ただ数字を計算するだけではなく、今これを出しているぞ、次はこの計算でこれを出すぞ、と、途中経過を考えながら計算することを心掛けました。
あとは、参考書を読む中で「ここは苦手だろうな~」と思ったところが順当に時間がかかりました。
― ちなみに “ド” 文系であれば、苦手な計算問題は「捨てる」という選択肢もある気がしますが ?
そうすると、全部捨てるのはリスキーだと思っていました。
― 実際、読みどおり、午前問題は計算問題や新規問題も増えましたね
午後試験は得意や苦手で「選択」することができる問題ですが、午前試験って出題された問題から逃げることができないですよね。
実際、計算問題は、ちょっとやってみると、何一つわからんというレベルの難しさではなく、対策や解法を理解すればそこまで難しいものではなかったので、やって安心しよう、という感じでした!
― あとは先程、話題に挙がっていたネットワークはどうでしたか?
過去問を解く→ 解説を見る → なぜ間違えたのかを考える、というサイクルを繰り返して、どうにか最低限の点を取れるようになりました。
どうしたって苦手問題や計算問題にはショートカットが無いので、地道に、とにかくそのサイクルを回し続けるしかないと思います。
おすすめしない勉強方法は ?
― 使ったコンテンツ (参考書、アプリ、Web ページなど) はどうでしたか ?
どちらにも言えることなのですが、問題を解いたあと、すぐに答えを出してくれるのが個人的に好みでした。
すべての問題を解き終わってから答えが出る形式だと、最初の方に解いた問題は自分が何を思ってその答えにしたのか、どういう計算をしてその答えになったのか忘れてしまうことが多いので、解いた直後に答えを確認できるのが、私には合っていたと感じます。
― 自社のコースが挙がっていませんが … (笑)
― そういうことだったんですね。では、改善進めましょう!
あとは、勉強してみて、これはダメなやり方かも知れない、と思うものはありましたか?
今回実感したことですが、基本情報技術者試験って範囲が広いので、それを細かいところまで逐一理解しようとすると、果てしなく時間がかかりますし、実際そんなに細かい内容って、ほとんど出題されないんですよね。
最終的に過去問をたくさん解いたらイヤでも覚えるので、参考書読解に時間をかけすぎるくらいなら、さっさと過去問を解いた方が手っ取り早いです。
― なるほど! たしかにそうですね!!
綺麗に表を作って書きとどめていきたい派の人も結構いらっしゃるかと思いますが、午後試験は時間がカツカツなので、余程トレースの達人でもない限り時間が足りなくなって焦ってミスをする、ということになりかねない気がします。
学習し始めは丁寧に表を作って理解していく方針で良いと思いますが、試験当日までにはかなり簡略化できるようにしておいた方がいいです。
私は基本的に頭の中だけで追っていって、変化が激しく追いきれない変数だけかいつまんでちょこっとメモをする、ということをしていました。
午前免除のメリットは …「首が痛くならない」!?
― 勉強した中で、仕事などで役に立ちそう、と思ったところはどのようなものですか?
アルゴリズムって仕様が分かれば、自分で 1 から書いた方が分かりやすいし、やりやすいんですけど、業務だと知らない人が書いたアルゴリズムを読み解いて改修することが多々あります。
アルゴリズムの穴埋め問題は、自分以外の人間が書いたアルゴリズムを読み解く練習になると思います。
― ちなみに、開発業務だとデータベースはどうでしょうか? サブクエリやトランザクションなどの学習は割と実務寄りに思います
ただ、実務だともっと面倒くさい SQL を書くこともありますし、テーブルも、もっと細分化されていたり JOIN が複雑だったり … ということが多くて、試験の内容は結構、入門的だなと感じています。
― 確かに、実務の SQL 複雑ですものね。わかりみです。
では、最後に、これから受験する方に「これだけは伝えたい」と思うものはありますか?
理由は 2 つあって、
- 今回のように午前試験の難易度が高かった場合に対応できる
- 当日圧倒的に疲れない
です。
* 関連ページ: 基本情報技術者試験 午前免除制度とは【独習ゼミ】
午前試験を免除できれば、試験当日に難しい午前の問題に直面することもありませんし、本試験では午後試験に集中することができます。
なので、 午前の問題が苦手な人にも、午後の問題が苦手な人にもメリットがあるということなんです!
― たしかに、どちらかが苦手であれば、なおさらですね
― 2 回、言いましたね (笑) 大事なことですね。
午前試験と午後試験の間に休憩はありますが、それほど時間は取れませんし、午後試験は長文を読むので集中力が欲しいところですが、午前試験を受け終わってヘロヘロになったあとに、午後試験で集中力を保つのはかなり厳しいものがあります。
― 受験者の皆さん、そう言いますよね。
5 時間くらい下を向いて問題を解き続けるのは結構つらいです。午後試験の最後の方は「首が痛い」が思考の半分を占めていました。
コンディションが良い状態で午後試験を受けられる、これだけで午前免除はする価値が大アリだと思います。
― 午前免除のメリットはそこですか (笑)
そして、最後は宣伝になりますが、「独習ゼミ」基本情報技術者試験対策コース は午前免除試験に対応していますので、受験を考えている方は、ぜひご検討ください!
ちなみに、私はインサイダーになる (*) ので午前免除試験が受けられませんでした。 (笑)
* IPA から午前免除コースと認定されると、認定された企業・団体が午前免除試験を実施する
― (笑 笑 笑)
今日はありがとうございました !!
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午前試験を免除しています。

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普段は自社サービス「独習ゼミ」「 SE カレッジ」「 DOJO 」のアプリケーション開発を行ったり、ランディングページのデザイン・作成を行ったり、他のページで使用するイラストを描いたりと、いろんなことをしています。