文系出身で非IT企業の事務職がIT系への転職を目指して基本情報技術者試験を受験してみた

この記事は基本情報技術者試験の旧制度(2022年以前)の記事です。
題材となっている「午後問題」は現在の試験制度では出題されません。ご注意くださいませ。

 

ブログ、SNS、動画など様々なメディアに情報が溢れ、基本情報技術者試験の対策方法は、さまざまな方の受験体験から、近しい人の勉強法や勉強時間などを参考にして、自身のやり方を決める時代になりました。

この「受験体験記」では、合否問わず、様々な受験体験をインタビューしています。

今回は「学生の頃の専攻も文系で、いまの仕事も事務職で関連性がない」けど、「パソコンが大好き」でIT系へ転職したくて受験したと語る とぱず さんに、その受験までの歩みをインタビューしました。

お話を伺った方

とぱず さん (ハンドルネーム)

一般ビジネス系企業 事務職

パソコンだけで完結する仕事をしたい!

―― IT とはまったくの異業種・異職種から受験されていますが、どのようなキッカケで受験されたのですか?

パソコンを使うことが大好きで、今はそれと関係のない会社・部署にいますが、いつかはパソコンだけで完結するような仕事に就く、あるいは副業(複業)でやる、と考えていました。そういった職に就けるように、少しでもプラスになればと思って、この業界の登竜門と言われる基本情報を取得しようと考えました。

―― 基本情報受験前の IT の知識はどの程度でしたか?

IT 業界に入ろうと思ってから、 2019 年の秋期試験で情報セキュリティマネジメント試験( SG )を受験して合格していました。 SG は難易度も低めと聞いていたので、動機は不純ですが、まずは試験慣れしておこうという気持ちで受験しました(笑)。

―― SG はどんな試験でしたか?

SG は、例えば「コンピュータウイルスの感染が疑われる時はまず LAN ケーブルを抜く」というような、一般に知られていることが出題として多いので馴染みはありました。

午後試験の文章量は多めで、出題事例の状況設定や登場人物・部署などを把握することから始まるので、基本情報の練習になったと感じています。

午前免除のメリット、デメリット

―― 基本情報はどのように対策しようとお考えでしたか?

どうしても合格したかったので、まずは午前免除制度を使って午前はクリアしておこうと考えていました。ちなみに 2020 年 6 月の午前免除試験をクリアできたので、試験延期も相まって、実質 7 ヶ月近くも午後対策のみに時間をかけることができました。

コースの申込タイミングにもよりますが、午前試験が 2 回受験できることも地味にすごいと思います。普通試験というものは 1 度切りですから。

―― 有利ですよね、午前免除。逆にデメリットはありましたか?

費用がかかることですね。コースを “きちんと” 受講しなければ受験できないので、独学するよりお金がかかります。合格したい気持ちとの天秤になると思うので、なかなか悩ましい問題だな…と思います。

―― 午前免除まではどのように勉強されましたか?

1 問が短いので割と “ながら” でも勉強できて、 2020 年の 4 月 5 月で 73 時間…午前免除試験のために一番頑張っていました。

ツールは SG の対策でも姉妹サイトを利用していたので、「基本情報技術者試験.com 」を利用しました。やはり隙間時間にスマートフォンでランダムに解けるのが有難かったです。

―― なかなか集中してますね

そのあとが問題でして… 。

実は午前免除できた反動が出たのか、そのあと中だるみしてしまい、 1 日 1 時間も勉強するかどうかという時期が 9 月まで続き、アルゴリズム難しい!残りの勉強時間もない!っとなってきた頃に、試験延期のアナウンスが!

ある意味、助けられました。

試験制度変更で午後は幅広く勉強

―― 延期がプラスに働くことがあったんですね。では、その午後はどのように計画されたのですか?

選択問題の出題分野が多いわりに、出題される問題数が少ないので、「この分野は苦手だから捨てる」ことをしても、本番で苦手分野の問題を選択さぜるを得なくなる可能性が高くなる、と考えて、できるだけ幅広い分野を勉強しようと思っていました。

―― 確かに制度変更で選択分野の攻略は難しくなりましたよね

とはいえ、確実に苦手な分野が出来てしまうので、どうしようか悩みました。

―― 具体的にはどの分野が苦手だったのですか?

ソフトウェア設計とアルゴリズムです。

どちらともプログラム要件の文章がどうも読みにくく、読み解くのに時間が掛かっていました。アルゴリズムの対策だけでも時間がかかるので、ソフトウェア設計は過去問題をいくつか解いたところで捨てました。

―― その 2 分野は普段、馴染みのないテーマが出題されるので理解に時間がかかりますよね。
では、その 2 分野を除いて、他の分野はどのように取り組んだのですか?

  • 情報セキュリティは SG で学んだことが活きていて、すんなり理解が出来たので、あまり勉強していません。
  • ソフトウェア/ハードウェアは問題によって得点にムラがあったので、捨て気味でした。
  • データベースは SQL のクエリが覚えられず苦労しましたが、嫌いではなかったので頑張って 15 時間ぐらいは勉強しました。
  • ネットワークはこれも覚えることが多く、最初こそ苦手と感じていましたが、慣れてくると解けるようになってきました。勉強時間としては 8 時間ぐらいです。
  • マネジメント系 / ストラテジ系は、普段の仕事との関連が強く、簿記も持っていることから、用語を覚えてきちんと読めていれば解けていました。 2 つ合わせて 15 時間ほど勉強しました。
  • プログラミングは仕事で Excel を使用することと、後半はアルゴリズムの練習にもなるので、表計算を選択しました。ただ関数の表記を理解するのに少し時間がかかったのと、延期で時間があるからと Python に寄り道(笑)したりしてました。だいたい 12 時間ぐらいでしょうか。

アルゴリズム問題の解答スピードアップ方法は?

―― 幅広い!さらにPython に寄り道とは(笑)。確かに触れてみたくなりよね。
では、ここからは本丸のアルゴリズムですが、どのように勉強したのですか?

とにかく文章を読むのに時間が掛かっていたのですが、逆に時間をかければ読めました。このため、試験の制限時間を考えるとスピードアップが課題でした。

―― なるほど。どのようにスピードアップを図ったのですか?

単純に読み慣れてないだけと感じたので、新たに「基本情報技術者 大滝みや子先生のかんたんアルゴリズム解法 ~流れ図と擬似言語~」(リックテレコム刊)を購入して、初歩的な短めのものから 1 つずつこなしていきました。実際の過去問題では長くて、ついつい問われている箇所の周辺だけで解こうとして、結局読み直したりしていたので。

変数が何を指しているかトレースしながら、自分にとってわかりやすい言葉に書き直したり、条件分岐など制御文は、例えば、分岐の場合「 〇〇 が ×× のとき +1 」と日本語にしていました。

―― なるほど、やはり地道ですが、そうやって慣れるのが一番ショートカットになるんですね。そんな勉強の結果、気になるスコアは…?

セキュリティ
20 点 ( 20 点満点)
アルゴリズム
18 点 ( 25 点満点)
プログラミング(表計算)
18 点 ( 25 点満点)
選択 1 ネットワーク
10 点 ( 15 点満点)
選択 2 経営戦略・企業と法務
10 点 ( 15 点満点)

の合計 76 点で、合格できました!

―― おめでとうございます!異業種・異職種から初受験で合格とは素晴らしいですね

ありがとうございます!

ただ選択分野の 2 問が必須より正解率が低く、残念でした。しっかり勉強した必須分野は、本番でもそれなりに力を出せたので、やはり、それに比例するということなんでしょうね。

―― 制度変更で注力するのは「必須 > 選択」というのがわかりますね。では、最後に受験者の方にメッセージがあればお願いします!

合格をより確実にしたいのなら、午前免除制度はおすすめです。私も一発で決めたかったのが制度を利用した理由でした。

また試験制度の変更や CBT 方式になってまだ日が浅いですが、受験者数が多い分情報も沢山あると思うので、きちんと調べて、選択問題の選択チェックミスの無いよう、挑んでください。ちなみにココ重要です!

私のように学業も仕事も関連性がない経歴でも合格できたので、しっかり対策すれば合格できます。応援しています!

―― 力強いメッセージありがとうございます。今日はありがとうございました!

ありがとうございました。

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