「制限時間内に午後問題が4問しか解けない」絶望的な国語力をアップさせた秘訣とは?

この記事は基本情報技術者試験の旧制度(2022年以前)の記事です。
題材となっている「午後問題」は現在の試験制度では出題されません。ご注意くださいませ。

 

ブログ、SNS、動画など様々なメディアに情報が溢れ、基本情報技術者試験の対策方法は、さまざまな方の受験体験から、近しい人の勉強法や勉強時間などを参考にして、自身のやり方を決める時代になりました。

この「受験体験記」では、合否問わず、様々な受験体験をインタビューしています。

開発経験があると技術や用語がわかり、試験では有利に働きます(その分、勉強時間の捻出に苦労しますが)。ただ知識があっても、それとは別に「国語力」、つまり問題文を読んで出題意図がわかること、この力が無ければ合格できません。

その国語力が絶望的になく、「制限時間内に午後問題 5 問中 4 問しか解けなかった」と語る尾東さんに、国語力アップの秘訣などをインタビューしました。

お話を伺った方

尾東 賢人 さん (仮名)

aeteboukosezu

IT 企業所属。開発経験は 3 年

制限時間内では 4 問しか解けない! 国語力がまったく足りない !!!

―― 受験前の知識やご経験を伺えますか?

IT 企業に入社して 3 年の開発経験がありました。基本情報技術者試験は初めての受験でした。

―― 開発経験が 3 年あると、ある程度、技術に慣れて、基本情報を改めて勉強するのは面倒だと思うのですが、受験しようと思った理由は何だったのでしょうか?

現場で問題解決に難航することがよくあり、 IT エンジニアの基礎としてカバレッジが高い基本情報で、自身に不足している部分を見つけて習得したいと思ったからです。

―― 具体的にはどんなことでお困りだったのでしょうか?

守秘義務があるので詳しくは話せませんが、大規模なデータ処理にあたって分散処理を使うときどんなアルゴリズムがあるのか、現行システムのデザインドックをどう書き起こすのか、など様々なことで悩むことが多かったですね。結果的には基本情報を勉強しても、これらは解決できなかったのですが(笑)。

―― なかなかハイエンドなお悩みだったのですね(笑)。では、初めて受験するのにあたって、どのように方針や計画を立てられたのでしょうか?

ものは試しで実際に過去問題を解いてみたところ、午後問題の問題文を読むのがとても苦手で、とてもではないのですが制限時間内に解答できなかったんです。

―― 開発経験があると、逆に午後問題は解きやすいと言われているのですが、どこが苦手と感じられたのでしょうか?

出てくる技術や用語はわかるのですが、絶望的に国語力が足りず、文章が頭に入ってこなかったんです。なので、とにかくこれは午後に集中して勉強しないと合格できないと思って調べると、午前免除制度があることを知って飛びつきました。

―― なるほど、それで午前免除を活用されたのですね。確かに、文章を理解できないことには解答できませんものね

比較的文章量が少ない午後の選択問題で実際に測ってみると、解き終えるのに 30 分以上かかっていました。 プログラミングやアルゴリズムの問題になると、その 1.4 倍ぐらいの文章量になるので、制限時間を迎える頃に、ようやく 4 問目 * を解き終わるようなペースです。

* 試験は合計 5 問解答

進まない勉強計画。「進捗ダメです」

―― では、午前免除を使って午後を集中的に対策するという方針を立てて、具体的にはどのように計画を立てられたのですか?

仕事があるので、 1 日最大でも 2 時間しか勉強できないと思って、 2 ヶ月 120 時間ぐらいで見積もっていました。

―― 計画の進捗はいかがだったのですか?

進捗ダメでした(笑)。実際はその倍の 240 時間、 4 ヶ月掛かりました。試験が延期されなかったら、ちょっと厳しかったかも知れません。

―― 240 時間とは! 計画通りにいかなかった原因は何だったのでしょうか?

国語力に起因して、アルゴリズムとプログラミングがネックになりました。

プログラミングは選択できる開発言語に普段使っている言語がなく、表計算を見たのですが文章のボリュームが多く、文章量が少ない他の言語にするなど工夫してみました … が、それでも問題文を読み込む時間を短縮するのに一苦労でした。

―― アルゴリズムとプログラミング問題は意外と文章がありますものね

そうなんです。実はそれ以外にも時間がかかったものがあり …

―― それは?

セキュリティです。

―― 開発経験があるのに意外ですね

アプリケーションセキュリティなら普段の仕事でも扱うのですが、インフラ・ネットワークに関連したセキュリティは縁遠く、自然と興味が薄かったんですね。

それで勉強してみると、公開鍵暗号や電子署名などはまたまた説明が長くて、ゴチャゴチャしてきて、理解するのに手間取りました。

―― 国語力は問題文の読解以外にも要求されるんですね

はい。なので、午前免除を使うのに利用した「独習ゼミ」に収録されていた知識や過去問解説の動画は重宝しました。文章だと読むのに時間がかかりますが、動画なら図が動いたり、要点が出てくるので助かりました。苦手克服とまではいかなかったのですが、それでも最低限、理解できるようになりました。

国語力アップ !!!

―― 勉強時間が倍になった原因となった国語力ですが、どのように対策されたのですか?

国語力と言っても、何を勉強すればよいのかわからず、手が止まってしまったんですね。昔の国語の教科書を引っ張り出してきても、速く読んで理解できるになるコツは載っていませんし。

そこで、速読やそんな本を探そうとしたときに、さきほどの「独習ゼミ」の教材の中に「午後問題が解ける本 ~試験のための国語と論理的思考~」という本があったんです。

独習ゼミ オリジナルテキスト(非売品)

―― お、確かにドンズバっぽい内容ですよね

まさしくこれでした。

薄い本だったのですが、主語と述語の見つけ方であったり、接続詞に注目するとわかる文章の論理構造、各段落の要旨のまとめ方などが書いてあって、これでようやく速く読んで理解するヒントが得られました。国語力を説明した希少な本ですね。

―― 独習ゼミのスタッフも喜びます。それで国語力もアップできましたか?

その本を参考にして午後問を繰り返し解いていると、午後の選択問題が 20 分ちょっとで解けるようになりました! なんとか制限時間内に 5 問全問を解けて、しかも、かなりちょっとですが 5 分~ 10 分ぐらい見直しができるようになりました。

―― 見直し 5 分はだいぶ少ないですが(笑)、 30 % 近く解答時間を短縮できたのですから素晴らしいですね。では、試験結果は … ?

かなりギリギリでしたが、 65 点で合格できました!

セキュリティ
100 %
アルゴリズム
76 %
プログラミング( Python )
28 %
選択分野1(ソフトウェア)
53 %
選択分野2(ネットワーク)
73 %

―― ギリギリとはいえ合格は合格ですよ! ふりかえって勝因をどのようにお考えですか?

何とか国語力を上げられて読めるようになったのですが、それでも厳しい見込みだったので、最後は運だったと思います。初めての CBT 試験だったというのが少なからず影響したと思うので、それも含めて運がよかったかなと。

―― 運がよかったとは、とても謙虚に捉えてらっしゃるのですね。では、最後に受験者の方へのアドバイスをお願いします!

私の場合、国語力という問題もあって、何か勉強をショートカットできる方法は無いかなと思って色々探りましたが、やっぱり過去問題を多く解くしかありませんでした。たくさん解いたからといって合格する保証にはなりませんが、解かなければ合格に近づけないので、諦めず過去問題の練習を続けましょう! 運も味方するはずです!!

―― 今日はありがとうございました!

ありがとうございました。

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