午前問題と午後問題の学習方法の違い

基本情報技術者試験には、午前問題と午後問題があります。

問題の形式が違うので、学習方法にも違いがあります。どのように学習すればよいか、アドバイスさせていただきます。

 

 

午前問題は数をこなす vs. 午後問題は同じ問題を繰り返し解く

 

【午前問題】

以下は、平成29 年度春期試験の午前問題の中に、過去の試験(現在の試験制度になった平成21 年度春期以降の試験)と同じテーマの問題が出題された回数を、独自に集計したものです。

どの分野でも、過去の試験と同じテーマの問題が数多く出題されていて、午前試験全体の70% にもなっています。

このことからわかるように、午前問題の学習は、とにかくとにかく過去問題を数多くこなすことが重要です。問題が短いので、通勤時間や休憩時間を利用して、少しずつ学習する習慣を持ってください。

分野(問題数) 同じテーマの問題数(割合)
テクノロジ系(50問) 37問(74%)
マネジメント系(10問) 6問(60%)
ストラテジ系(20問) 13問(65%)
午前問題全体(80問) 56問(70%)

 

【午後問題】

午後問題には、まったく同じ問題が出たことはありません。

したがって、数をこなすより、1つの問題にじっくり取り組むことが重要です。多くの受験者が、午後問題のアルゴリズム(問8)とプログラム(問9~問13)を苦手としています。苦手を克服するには、繰り返し学習して慣れるしかありません。

新たな問題をどんどん解くのではなく、同じ問題を何度も解いて練習してください。

 

もしも、答えを覚えてしまったなら、1日か2日くらい間を置いて、答えを忘れた頃に、もう一度解いてください。きっと、初めて解いた時より、説明文もプログラムも、すんなり頭に入ってくるはずです。

このときの「わかる」という感覚が大事なのです。わかる体験を繰り返していれば、苦手意識を克服できます。

 

午前問題は不正解の選択肢を気にしない vs. 午後問題は1つぐらいできない設問があっても気にしない

 

【午前問題】

午前問題は、すべて四者択一です。1つだけが正解で、他の3つは不正解なのですから、正解の選択肢だけを覚えるようにしてください。

不正解の選択肢は、今後の試験でも出題される可能性が低いからです。市販の解説書では、正解の選択肢だけでなく、不正解の選択肢の説明もしますが、もしも時間がなければ、それを読む必要はありません。

正解の選択肢だけに注目すれば、どんどん問題を解けるので、効率的に学習できます。

たとえば、以下は、平成30年度春期午前問19です。

正解は、選択肢イのEclipseなので、EclipseがOSSの統合開発環境であることを覚えてください。他の選択肢は、それが正解になっている問題に遭遇したときに覚えてください。そう割り切って、別の問題に進みましょう。

 

 

-PR-

 

 

【午後問題】

午後問題の学習では、時間制限を設けることが重要ですが、答え合わせをした後に間違った問題を検証するときには、いくら時間をかけても構いません。

その際に、市販の解説書を利用するかもしれませんが、それは、参考程度にしてください。市販の解説書の多くは、説明が丁寧すぎます。解説書の通りのやり方では、制限時間内に解けない場合もあります。

アルゴリズムやプログラミング言語の解説では、問題より解説の方が難しい場合もあります。これでは、読んでいて嫌になってしまいます。

午後問題は、自分流の解き方で解かなければ、太刀打ちできません。そのために、解説書を参考にして、自分流の解説ノートを作ることをお勧めします。

どうして、その正解にたどり着けるのか、自分流に理由や手順を説明するのです。この学習を繰り返すと、問題を解くパターンが見えてきます。このパターンは、新たな問題を解くときに応用できます。

 

もしも、自分流では説明できない問題が少しぐらいあっても気にしないでください。

試験の出題者は、満点が多発することを恐れます。おそらく「こんな簡単な問題を作ったら、他の問題とバランスが悪いだろう!」と叱られてしまうからでしょう。

そのため、設問の中には、1問ぐらい難しい問題があります。それを自己流に説明するときには、「この問題は、難しい設問として用意されているから気にするな」と書いておけばよいのです。

 

午前問題は時間を気にしない vs. 午後問題は制限時間を設けて解く

 

【午前問題】

試験の制限時間は、午前問題も午後問題も、2時間30分(150分)です。

午前問題で時間が足りなかったという人は、滅多にいません。学習の際も、時間を気にしないで解いてください。

ただし、計算問題だけは要注意です。ここに時間がかかり過ぎてしまうと、試験当日に焦ってしまうかもしれないからです。

計算問題の学習の際に、電卓を使っている人はいませんか?

試験当日は、電卓が使えないのですから、学習の際も、必ず手作業で計算してください。手作業に慣れていないと、桁数の多い掛け算や割り算に、かなりの時間がかかってしまいます。問題を数多くこなせば、だんだんと計算のコツがつかめます。中学や高校では、手作業で計算をしていたはずです。そのときの感覚を取り戻してください。

 

たとえば、以下は、平成30年度春期午前問31です。この問題を解いて、正解の1,600秒(選択肢エ)を得るには、80×1,000,000÷50,000=1,600という計算をしなければなりません。電卓を使いたくなる気持ちをぐっとこらえて、手作業で計算してください。

 

 

 

【午後問題】

午前問題で時間が足りなかったという人は、滅多にいませんが、午後問題では、ほとんどの受験者が、時間が足りなかったと言います。

したがって、学習の時点でも、必ず制限時間を設けて学習してください。ダラダラと時間をかけて学習すると、試験当時に「解いた問題は合っていたのだが、解いた問題数が足りなくて合格点に達しなかった」というハメになるからです。

 

午後問題の問1~問7の配点は12点で、問8~問13の配点は20点です。

単純に配点の割合で時間配分すると、問1~問7は18分で、問8~問13は30分です。

学習するときに、時計を用意して、これらの制限時間内に解いてください。少しぐらい当てずっぽうがあっても構わないので、とにかく制限時間内にすべの設問を解いてください。

なお、問1~問7には、選択問題もあるので、選択の時間を考慮すると、1問あたり18分ではなく15分にした方がよいでしょう。試験日が近づいたら、2時間30分で、午後問題1回分を解く練習もしてください。

 

 

私は、基本情報技術者試験の対策講座で講師をしています。ここで紹介したアドバイスは、講座の中で受講者に伝授しているものです。皆様の学習の参考になれば幸いです。

では、またお会いしましょう。

 

『プログラムはなぜ動くのか』(日経BP)が大ベストセラー
IT技術を楽しく・分かりやすく教える“自称ソフトウェア芸人”

大手電気メーカーでPCの製造、ソフトハウスでプログラマを経験。独立後、現在はアプリケーションの開発と販売に従事。その傍ら、書籍・雑誌の執筆、またセミナー講師として活躍。軽快な口調で、知識0ベースのITエンジニアや一般書店フェアなどの一般的なPCユーザの講習ではダントツの評価。
お客様の満足を何よりも大切にし、わかりやすい、のせるのが上手い自称ソフトウェア芸人。

主な著作物

  • 「プログラムはなぜ動くのか」(日経BP)
  • 「コンピュータはなぜ動くのか」(日経BP)
  • 「出るとこだけ! 基本情報技術者」 (翔泳社)
  • 「ベテランが丁寧に教えてくれる ハードウェアの知識と実務」(翔泳社)
  • 「ifとelseの思考術」(ソフトバンククリエイティブ) など多数