「過去問だけ、ひたすら演習すればよい」には弊害もある!?わたしが陥った罠とその対策

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この記事は基本情報技術者試験の旧制度( 2022 年以前)の記事です。
この記事の題材となっている「午後問題」は現在の試験制度では出題されません。 ご注意くださいませ。

ブログ、SNS、動画など様々なメディアに情報が溢れ、基本情報技術者試験の対策方法は、さまざまな方の受験体験から、近しい人の勉強法や勉強時間などを参考にして、自身のやり方を決める時代になりました。

この「受験体験記」では、合否問わず、様々な受験体験をインタビューしています。

基本情報技術者試験対策の鉄板は、言わずもがな「過去問の演習」です。ただし、それだけやるのも「弊害があった」と話す屋戸さんに、どのような弊害が起こったのか、また、それをどのように対策したのか、インタビューしました。

お話を伺った方

屋戸 野乃子(仮名)さん

IT企業所属 開発経験は 2 年半

過去問の演習だけやると起こった弊害とは

―― 現在、携わっているお仕事や基本情報の受験経験を伺えますか?

生命保険会社の基幹システムの保守を 2 年半行っています。大学は文系で、就職を機に基本情報をはじめ、 IT 関連の資格を取得し始めました。

所属企業では、基本情報の取得が昇格条件になっているので受験しました。ただ、なかなか合格できず、これまでに 4 回受験しました。

―― 不合格の要因はどこにあったのでしょうか?

よく「過去問題の演習が一番」と言われているので、これまでは参考書を一切読まずに、ひたすら過去問を解いていました。

―― 過去問題の演習だけでも、とても効果があるように思うのですが、それでは問題があったのでしょうか?

基本的な知識や仕組みを理解する前に過去問題を解いていたので、その問題の解き方は理解できても、類似問題が出たときに解答が分からないということが多発しました。

―― 過去問題の演習だけをやる弊害もあるのですね。そうすると、今回の対策方針は…?

参考書を熟読して、システムの仕組みから理解することを柱にしました。結果的に問題が解きやすくなりました。

―― 急がば回れなんですね。では、どのように勉強計画を立てられたのでしょうか?

最初の2ヶ月は、参考書の熟読期間として、試験までの残り期間を過去問題の演習をしようと考えていました。また、午前と午後でわけて、だいたい 2 : 3 ぐらいの割合で時間を割いていました。

―― 実際、勉強した期間はどの程度だったのでしょうか?

試験延期も重なったので、 1 年間は勉強していました。時間にすると、毎月 40 時間ぐらいで、合計すると 720 時間ぐらいになるでしょうか。

―― 業務をしながら、720 時間とは凄いですね。どのように時間を確保されたのですか?

コロナ禍でリモートワークに切り替わったことで、これまで通勤で使っていた時間を勉強にあてていました。毎日の往復時間を換算すれば、相応の時間になりますよ。

参考書で基本を理解しても立ちはだかるアルゴリズムの壁。乗り越えられたツールとは…!?

―― 確かに普通、往復で 2 時間ぐらいは掛かりますものね。勉強も参考書効果で順調だったのですか?

いえ、想定よりつまづいたものがありました。それがアルゴリズムです。

―― アルゴリズムはやはり難しいですよね。何か勉強方法を変えたのですか?

これまでのように参考書を何度読んでも理解できなかったので、過去問題の演習を繰り返して、とにかく慣れようと方針を変えました。

―― やはり最後は過去問題の演習なんですね

いえ、実はそれでも難しかったんです。

問題の解説を読んで理解できるものもあったのですが、どれだけ文章を読んでも処理内容が掴みづらく、理解できないことが多々ありました。

そういったときに困って検索していると、動画で解説されていることを知り、問題の解説を動画で見るようになりました。

―― 新しいですね。動画ですか

特にアルゴリズムの解説は、動画で見ると、実際に処理が進められていく過程が目で追えるので、理解がしやすく良かったです。

―― なるほど、動画だとトレースがしやすいかも知れませんね。他に何か使われたコンテンツはございましたか?

先程の計画通り、参考書で基本的なことを理解したあとは、過去問題の演習をしていたのですが、それで使っていた「基本情報技術者試験ドットコム」というサイトの過去問道場は良かったですね。

午前・午後問題どちらともランダムに出題されるので、解答を覚えてしまうことが少なかったです。

―― では、実際、勉強の成果はいかがだったのでしょうか?

  • セキュリティ: 100%
  • 選択問題 1: 100%
  • 選択問題 2: 100%
  • アルゴリズム: 72%
  • プログラミング言語: 80%

という正解率で 88 点でした。特にセキュリティや選択問題は、基本的な知識を覚えて、仕組みがわかっていたことが効いたと思います。

―― 課題だったアルゴリズムも 7 割以上の正解率は素晴らしいですね。ふりかえってみると、勝因はどこにあったと考えていますか?

参考書を読んで知識を覚えたり、仕組みを理解するには時間がかかるので、勉強時間を確保できたことが一番大きいと思います。

―― 当日の試験のことを伺いたいのですが、 CBT 試験になっていかがでしたか?

解きにくいと評判ですが、私は紙の試験よりも、解きやすかったです。

紙の試験では問題文の余白にメモしていたのですが、どのように解答を導いたのがわからなくなることが多くありました。 CBT 試験になって、メモ用紙と問題を分けることができ、計算過程や解答プロセスのメモがあったおかげで、整理しやすかったです。

―― そのメモのとり方は解答の見直しに効きそうですね。他に工夫したことはありますか?

時間が短い試験なので、問題の解き方を工夫しました。

最初にざっくりと問題文を読んだ上で設問を確認し、そのあとに再度、問題文を熟読しました。オーソドックスですが、聞かれることがわかった上で読むのは効果的でした。

あとは、問題を解く順番もこだわらず、分かった問題から解答するようにしていました。午後問題は悩む時間が長くなることが多く、すぐに解けそうな問題を見つけても、残り時間が少なくなって、焦ってミスしやすくなります。それが防げました。

―― なるほど、貴重なアドバイスありがとうございます。
では、今日はありがとうございました!

ありがとうございました。

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