開発経験があっても油断は禁物。普段の開発と基本情報技術者試験との Diff は意外なところにあった

error

この記事は基本情報技術者試験の旧制度( 2022 年以前)の記事です。
この記事の題材となっている「午後問題」は現在の試験制度では出題されません。 ご注意くださいませ。

ブログ、SNS、動画など様々なメディアに情報が溢れ、基本情報技術者試験の対策方法は、さまざまな方の受験体験から、近しい人の勉強法や勉強時間などを参考にして、自身のやり方を決める時代になりました。

この「受験体験記」では、合否問わず、様々な受験体験をインタビューしています。

今回は、開発経験があったことが逆に油断を招き、基本情報技術者試験に苦戦されたと話す 友広 さんに、普段の開発と試験の Diff (差分) を中心にインタビューしました。開発経験があると有利になるテクノロジ分野で、意外なところにネックがありました。

お話を伺った方

友広 大 (仮名) さん

IT 企業所属。普段は VB.NET を使った開発業務に従事

開発経験があっても試験は別物

―― 業務での開発経験があったとのことで、基本情報はいかがでしたか?

3 回目の受験でようやく合格できたので、かなり苦戦しました。

―― 開発経験があれば有利と思っていたのですが、そんなこともないのですね

個人的にもともと「試験」というものに慣れていなかったので、 1 回目は試験に慣れる意味で、どのようなものなのか、どれくらい解けるのか、試したかったので、勉強なしで受験しました。

次の 2 回目はある程度、開発経験を積んでいたので、 1 回目の難易度を見る限り、その知識があれば、どうにかなると思っていました。午前は合格点だったのですが、午後で時間が足りなくなってしまい、焦ってケアレスミスを連発し、不合格となってしまいました。

―― 開発経験があっても難しかったのですね

正直、恥ずかしながら 2 回とも試験対策に集中できていなかったのと、自分の知識に高をくくっていたのが原因です。「これは腰を据えて勉強しなければ合格できない」と思って、苦手分野やどの系統の問題を集中して勉強すべきか、計画を立てました。

―― どのような計画を立てられたのですか?

不合格の原因になった午後だけに集中したかったので、まず午前免除を活用しようと考えました。

また、午後の中でも時間が不足したのが必須問題だったので、それに集中して勉強しようと計画を立てました。

―― 勉強量はどのように見積もりしたのですか?

午前はもともと合格点を取れていたので、午前免除試験では普段の業務でやっていない分野を中心にしてあまり時間はかけず、集中すべき午後の必須問題に絞って過去 10 年分の過去問を 2 ~ 3 回やると決めました。

その問題数であれば、だいたい平日 1 問をやればできそうだったので、平日の 1 時間を勉強にあてようと計画しました。

―― 勉強の進捗はどうでしたか?

業務をしていると、どうしても平日で 1 時間の勉強時間が取れないときがあり、それを土日でカバーして、平均 2.5 時間ぐらい勉強していました。月で合計すると 38 時間ぐらいです。

ただ、ゲームが好きなので、土日はその誘惑に負けてしまいそうになると思い、予防線としてゲームしそうな時間にアラームを大量に仕込んでいました(笑)。

プログラミングができても基本情報のアルゴリズム問題は解けない

―― 大量のアラーム…想像するのも嫌ですね(笑)。
ちなみにその計画を立てる上で、開発経験があると有利な点、勉強しなければいけない点はありましたか?

データベースや情報セキュリティ、システム開発技術などのテクノロジ分野は知っていることが多いので、他分野に集中できて有利でした。逆に勉強しなければならなかったのは経営戦略や法務などストラテジ系の分野ですね。いまの業務ではあまり触れない工程なので。

―― 確かに開発経験があると、テクノロジ分野は慣れたものですよね

ただ、 1 点だけアルゴリズムだけは、どうしても苦手でした。

―― それは意外ですね。開発経験があれば有利に働くと思うのですが…

これまでの開発経験では、めったに目にかからないソートのやり方やビットの検査、ダイクストラ法などが出題されていて、過去 2 回の試験でもそういったアルゴリズムに面食らって、なかなか理解できず、苦手意識に繋がりました。

―― プログラミングができれば、アルゴリズムもできるというわけではないのですね

業務では VB.NET を使っていて、試験では Java を選択したのですが、基本的な構文やオブジェクト指向、 API などは似ていることが多いので、当たりがつけやすく、プログラミング問題は比較的簡単に解けました。実際、今回の試験でもプログラミング問題の正解率は 100 % でした。

―― なるほど、プログラミングができても基本情報のアルゴリズムは別物なんですね

個人的には業務アプリケーションの開発とはまた違ったロジックが問われるものと思っています。

試験制度変更で必須問題の攻略が鍵に。 8 割以上の正解率を目標に

―― その苦手なアルゴリズムはどのように攻略されたのですか?

攻略と言えるほど、何か特別な手を使ったわけではなく、ただひたすら過去問題で演習しました。特に先程、挙げた普段の開発で目にしないテーマの問題は、逃げようとする自分に「よく読めば大したことはない」と自己暗示気味に言い聞かせました(笑)。

―― 自己暗示(笑)。その成果はあったのですか?

おかげさまで、アルゴリズムは 86 % の正解率でした。

―― 自己暗示、効きましたね(笑)。そのほかの分野はどうだったのでしょうか?

情報セキュリティ
80 %
ソフトウェア設計
33 %
経営戦略・企業と法務
73 %
プログラミング
100 %

という正解率で、スコアは 78 点でした。

真っ先に必須問題から解いたので、前回とは違って余裕を持って解答できました。ただ、選択問題でケアレスミスをやってしまったので、もう少しスコアは伸ばせたかなと思います。

―― しっかり対策したことがスコアに出ていますね。
では、最後に受験者の方へのメッセージがあればお願いします

経験があっても、とにかく午後は時間が足りなくなります。また午後の中でも必須問題だけで配点は 70 点になったので、確実に点を稼げるようにすると良いと思います。ここで 8 割以上の正解率を出せるようになると、ほぼ合格点になるので、優先順位を挙げて取り組むことをオススメします!

―― なるほど、貴重なアドバイスありがとうございます。では、今日はありがとうございました!

ありがとうございました。

label 関連タグ
科目A試験は、
免除できます。
独習ゼミで科目A試験を1年間免除して、科目B試験だけに集中しましょう。
免除試験を受けた 74.9% の方が、
科目A免除資格を得ています。
科目A免除試験 最大 2 回の
受験チャンス !
info_outline
科目A免除試験 最大 2 回の
受験チャンス !
詳しく見てみるplay_circle_filled
label これまでの『受験体験記』の連載一覧 label 著者