「厳選5題」過去問と解説|平成31年度 春期 の過去問やるならこれをやれ


2020-09-08 更新

ここでは、平成 31 年度 春期 基本情報技術者試験の午前試験 の中から「やるべき問題」を 5 題に厳選し、ぶっちゃけた解説をさせていただきます。

やるべき問題とは、よく出る問題であり、かつ、練習すればできる問題(練習しないとできない問題)です。

厳選問題looks_onedpi の意味がわかれば計算できます

問 11 (平成 31 年度 春期)

96 dpi のディスプレイに 12 ポイントの文字をビットマップで表示したい。 正方フォントの縦は何ドットになるか。 ここで, 1 ポイントは 1/72 インチとする。

ア 8  イ 9  ウ 12  
エ 16

解説

基本情報技術者試験の計算問題の多くは、それが IT の現場でよく行われているというものではなく、「仕組みを知っていれば計算できるよね!」や「用語の意味を知っていれば計算できるよね!」という趣旨のもの です。

この問題は、「 dpi という用語の意味を知っていれば計算できるよね!」です。

 

dpi は、dots per inch (ドット / インチ)の略で、ディスプレイの 1 インチの幅に何ドットを表示できるかを示します。 ここでは、 96 dpi なので、 1 インチに 96 ドットを表示できます。

1 ポイントを 1 / 72 インチとするので、 12 ポイントは

12 ×( 1 / 72 )
= 12 / 72
= 1 / 6 インチ

です。

  1. 12 ポイントの正方フォントなので、縦も横も
    12 ポイント = 1 / 6 インチ
  2. 1 インチが 96 ドットなので、 1 / 6 インチは
    ( 1 / 6 ) × 96 = 16 ドット

したがって、選択肢エが正解です。

16 ドットの正方フォントの例を、以下に示します。

description16 ドットの正方フォントの例

解答 エ

厳選問題looks_twoオープンソースの定義を知っておこう

問 20 (平成 31 年度 春期)

OSI によるオープンソースソフトウェアの定義に従うときのオープンソースソフトウェアに対する取扱いとして,適切なものはどれか。

ある特定の業界向けに作成されたオープンソースソフトウェアは,ソースコードを公開する範囲をその業界に限定することができる。
オープンソースソフトウェアを改変して再配布する場合,元のソフトウェアと同じ配布条件となるように,同じライセンスを適用して配布する必要がある。
オープンソースソフトウェアを第三者が製品として再配布する場合,オープンソースソフトウェアの開発者は第三者に対してライセンス費を請求することができる。
社内での利用などのようにオープンソースソフトウェアを改変しても再配布しない場合,改変部分のソースコードを公開しなくてもよい。
解説

オープンソースという言葉は、「ソースコードが公開されている」という意味ですが、オープンソースのソフトウェアが満たすべき条件は、それだけではありません。

OSI ( Open Source Initiative )という組織によって、オープンソースの定義 として、以下の項目が取り決められています(ここでは、わかりやすい表現に書き換えています)。 これらの定義に照らし合わせて、選択肢を見てみましょう。

  1. ソフトウェアを販売あるいは無料で配布することを制限してはならない
  2. 配布するソフトウェアはソースコードを含んでいなければならない
  3. 派生ソフトウェアを元のソフトウェアと同じ条件で配布することを許可しなければならない
  4. 変更後は、元の作者のソースコードとは独立したものでなければならない
  5. 配布において、特定のグループに対する差別をしてはならない
  6. 配布において、利用する分野に対する差別をしてはならない
  7. 利用権は、ソフトウェアが配布された者全てに対して等しく認めなければならない
  8. 利用権を、特定製品でのみ有効にしてはならない
  9. 利用権は、一緒に配布されるソフトウェアを制限してはならない
  10. 利用権に、特定の技術に依存する規定があってはならない
選択肢ア
「公開する範囲を特定業界に限定する」ですから、定義の 5 や 6 に対して不適切です。
選択肢イ
「改変したソフトを、元のソフトと同じライセンスにする必要がある」は、定義の 3 に対して適切に思えますが、定義の 3 は「同じ条件で配布することを許可しなければならない(同じ条件でなくてもよい)」であって、「同じ条件で配布しなければならない」ではないので、不適切です。
選択肢ウ
「オープンソースの開発者がライセンス費を請求できる」ですから、定義の 1 に対して不適切です。
選択肢エ
定義の 2 に対して不適切に思えますが、定義の 2 は「配布するプログラム」なのですから、配布しない場合は、ソースコードを公開する必要はありません。

したがって、選択肢エが適切であり正解です。

解答 エ

厳選問題looks_3GUI 部品の種類と用途を知っておこう

問 24 (平成 31 年度 春期)

GUI の部品の一つであるラジオボタンの用途として,適切なものはどれか。

幾つかの項目について,それぞれの項目を選択するかどうかを指定する。
幾つかの選択項目から一つを選ぶときに,選択項目にないものはテキストボックスに入力する。
互いに排他的な幾つかの選択項目から一つを選ぶ。
特定の項目を選択することによって表示される一覧形式の項目から一つを選ぶ。
解説

デスクトップアプリや Web アプリを操作するためのビジュアルな部品を「 GUI 部品」と呼びます。 以下は、Windows のデスクトップアプリの GUI 部品の例です。

Windows のデスクトップアプリの GUI 部品の例

ラベル
文字列を表示する
テキストボックス
文字列を入力する
コンボボックス
リストから選択、または文字列を入力する
リストボックス
リストから選択する
フレーム
GUI 部品をグループにまとめる
チェックボックス
任意の数の項目を選択する
ラジオボタン
1 つだけの項目を選択する
ボタン
入力を確定またはキャンセルする
選択肢ア
複数の項目を選択するので、チェックボックスです
選択肢イ
選択するか、または入力するので、コンボボックスです
選択肢ウ
排他的に 1 つを選ぶので、ラジオボタンです
選択肢エ
一覧から 1 つを選ぶので、リストボックスです

ここでは、ラジオボタンの用途を選ぶので、選択肢ウが正解です。

解答 ウ

厳選問題looks_4すべて 0 とすべて 1 が、ホストアドレスに使えない理由を知っておこう

問 32 (平成 31 年度 春期)

192.168.0.0/23 (サブネットマスク 255.255.254.0) の IPv4 ネットワークにおいて,ホストとして使用できるアドレスの個数の上限はどれか。

ア 23  イ 24  ウ 254  
エ 510

解説

IPv4 の IP アドレス は、 32 ビットです。

192.168.0.0/23 の /23 は、IP アドレスの上位 23 ビットがサブネットワークのアドレスであり、残りの下位 9 ビットがホスト(ネットワークに接続される機器)のアドレスであることを示しています。

9 ビットで表せる数値は、000000000 ~ 111111111 の 512 通りですが、これらの中で、すべて 0 の 000000000 と、すべて 1 の 111111111 は、ホストのアドレスとして使えません。

したがって、 512 から 2 を引いた 510 通りのアドレスが使えるので、選択肢エが正解です。

 

すべて 0 とすべて 1 が、ホストアドレスに使えない理由を知っておきましょう。

ホストのアドレスがすべて 0 の 000000000
サブネットワークのアドレスを示すものとなります。
32 ビットの上位 23 ビットだけを切り出すのではなく、 32 ビットの下位 9 ビットをすべて 0 にすることで、サブネットワークのアドレスを表すのです。
これは、たとえば「山田太郎」という人名の苗字を「山田00」と表すようなものです。
ホストのアドレスがすべて 1 の 11111111
ブロードキャスト(一斉同報)を示すものとなります。
ブロードキャストとは、同じサブネットワークの中にあるすべてのホストを宛先にしてデータを送ることです。

解答 エ

searchタグで関連記事をチェックIP アドレス

厳選問題looks_5ROI は、 ROI という言葉が計算方法を示しています

問 65 (平成 31 年度 春期)

投資案件において, 5 年間の投資効果を ROI ( Return On Investment ) で評価した場合,四つの案件 a ~ d のうち,最も ROI が高いものはどれか。 ここで,割引率は考慮しなくてもよいものとする。

swipe表は横スクロールできます

a

年目 1 2 3 4 5
利益 15 30 45 30 15
投資額 100

b

年目 1 2 3 4 5
利益 105 75 45 15 0
投資額 200

c

年目 1 2 3 4 5
利益 60 75 90 75 60
投資額 300

d

年目 1 2 3 4 5
利益 105 105 105 105 105
投資額 400

ア a  イ b  ウ c  
エ d

解説

基本情報技術者試験の計算問題の多くが「仕組みを知っていれば計算できるよね!」や「用語の意味を知っていれば計算できるよね!」という趣旨のものであることは、この記事の最初に示したテクノロジ系の問題だけでなく、マネジメント系とストラテジ系の問題でも同様です。

この問題は、ストラテジ系であり、 ROI という用語の意味がわかれば、計算できます。

 

ROI は、 Return On Investment の略であり、 Return(利益) / Investment(投資)で計算できます。 On という言葉が、 / という計算に相当します。 つまり、 ROI という言葉が、 ROI の計算方法を示しているのです。

案件 a
Return が 15 + 30 + 45 + 30 + 15 = 135 で、Investment が 100 なので、
ROI = 135 / 100 = 1.35 です
案件 b
Return が 105 + 75 + 45 + 15 + 0 = 240 で、Investment が 200 なので、
ROI = 240 / 200 = 1.20 です
案件 c
Return が 60 + 75 + 90 + 75 + 60 = 360 で、Investment が 300 なので、
ROI = 360 / 300 = 1.20 です
案件 d
Return が 105 + 105 + 105 + 105 + 105 = 525 で、Investment が 400 なので、
ROI = 525 / 400 ≒ 1.31 です

したがって、最も ROI が高いのは案件 a であり、選択肢アが正解です。

解答 ア

searchタグで関連記事をチェックROI

記事をお読みいただきありがとうございます。

もしも、一度解いただけでは、よくわからない問題があったなら、わかるまで何度でも練習してください。 「やるべき問題」は「わかるまでやるべき問題」だからです。

この厳選問題大全集が、受験者の皆様のお役に立てば幸いです。

 

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