「厳選5題」過去問と解説 | 平成27年度 秋期 の過去問やるならこれをやれ
ここでは、平成 27 年度秋期 基本情報技術者試験の午前試験 の中から「やるべき問題」を 5 題に厳選し、ぶっちゃけた解説をさせていただきます。
やるべき問題とは、よく出る問題であり、かつ、練習すればできる問題(練習しないとできない問題)です。
もくじ
厳選問題looks_one2 のべき乗を見たら「ビビッ!」と感じてください
10 進数の演算式 7 ÷ 32 の結果を 2 進数で表したものはどれか。
ア 0.001011 イ 0.001101
ウ 0.00111 エ 0.0111基本情報技術者試験の受験者なら、 7 ÷ 32 の 32 を見て、「ビビッ!」と感じてください。 32 は 2 の べき乗 だからです。
2 進数は、 1 ビット右シフトする( 1 桁下げる)と、値が 1 / 2 になります。
÷ 32 の結果は、 ÷ 2 ÷ 2 ÷ 2 ÷ 2 ÷ 2 と同じなので、 5 ビット右シフトする( 5 桁下げる)ことで得られます。
7 を 2 進数で表すと、 111 です。
111 を 5 ビット右シフトする( 5 桁下げる)と、0.00111 です。
したがって、ウが正解です。
解答ウ
コラム32 以外の 2 のべき乗を見ても「ビビッ!」と感じてください
1 ~ 1024 までの 2 のべき乗を一息で言えるように練習しておくことをお勧めします。
1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, 512, 1024 です。
慣例として、
「いち、にい、よん、ぱあ、じゅうろく、さんじゅうに、ろくよん、いちにっぱ、にごろ、ごーいちに、せんにじゅうよん」
と読みます。 赤色にした部分が、特殊な読み方なので注意してください。
それでは、一息で、
「いち、にい、よん、ぱあ、じゅうろく、さんじゅうに、ろくよん、いちにっぱ、にごろ、ごーいちに、せんにじゅうよん」。
はい、もう一度、
「いち、にい、よん、ぱあ、じゅうろく、さんじゅうに、ろくよん、いちにっぱ、にごろ、ごーいちに、せんにじゅうよん」。
searchタグで関連記事をチェック2 のべき乗
厳選問題looks_two公式があるのかな? と考えずに、地道に経路のパターンを数えよう
図の線上を、点 P から点 R を通って、点 Q に至る最短経路は何通りあるか。
ア 16 イ 24 ウ 32 エ 60
このような数学的な問題を見ると「公式があるのかな?」と思うかもしれません。
そういう人に知っておいてほしいのは、「基本情報技術者試験には、あらかじめ公式を暗記しておく必要のある問題が出たことがない」ということです。
それでは、どうやって、この問題を解けばよいのか?
指でたどって、地道に経路のパターンを数えればよいのです。 ただし、公式の暗記は不要でも、常識的な判断は必要です。
点 P から 点 R を通って、点 Q に至る経路の数を求めるのですから、点 P から 点 R へ行く経路の数と、点 R から 点 Q へ行く経路の数の掛け算になります。
それでは、数えてみましょう。
まず、点 P から 点 R へ行く経路の数です。 以下のように、全部で 6 通りです。
次に、点 R から 点 Q へ行く経路の数です。 以下のように、全部で 10 通りです。
したがって、点 P から 点 R を通って、点 Q に至る経路の数は、6 × 10 = 60 通りなので、エが正解です。
解答エ
厳選問題looks_3花文字の回転は、2 つの解き方のわかりやすい方を使おう
配列 A が図 2 の状態のとき,図 1 の流れ図を実行すると, 配列 B が図 3 の状態になった。 図 1 の a に入れるべき操作はどれか。 ここで,配列 A, B の要素をそれぞれ A( i, j ), B( i, j ) とする。
ア A( i, j ) → B( 7 – i, 7 – j )
ウ A( i, j ) → B( i, 7 – j ) エ A( i, j ) → B( j, 7 – i )
アスタリスク(*)を並べて、大きな文字の形にしたものを「花文字」と呼びます。 花を並べて作った文字のようだからです。
この問題は、 F という形の花文字を右に 90 度回転させるには、配列 A から 配列 B に、どのように個々の要素をコピーすればよいかを答えるものです。 問題の解き方は、2 つありますので、わかりやすい方法を使ってください。
1 つ目の解き方は、具体的に 1 つの要素を想定して、それを選択肢の i と j に入れて成り立つものを選ぶという方法です。
たとえば、配列 A の A( 3, 4 ) という要素は、配列 B の B( 4, 4 ) にコピーされます。 選択肢の左辺の A( i, j ) に A( 3, 4 ) を想定したので、右辺の i に 3 を代入し、 j に 4 を代入すると、
- ア
- B( 4, 3 )
- イ
- B( 3, 4 )
- ウ
- B( 3, 3 )
- エ
- B( 4, 4 )
ここでは、B( 4, 4 ) になればよいので、エが正解です。
解答エ
searchタグで関連記事をチェックテクニック 具体的な値を想定
もう 1 つの解き方は、練習しておけば、こちらの方が簡単でしょう。
配列 A では、 i が上から何個目かを示し、 j が左から何個目かを示します。
配列 B では、配列 A の i で、右から何個目かを示します(これは水平方向です)。
右端は、 7 なので、右から何個目かは、 7 – i です。 配列 B では、配列 A の j で上から何個目かを示します(これは垂直方向です)。
したがって、配列 B の B( 垂直方向, 水平方向 ) は、B( j, 7 – i ) であり、エが正解です。
searchタグで関連記事をチェック花文字
厳選問題looks_4セクタとブロック、ディスクの構造を知っておこう
500 バイトのセクタ 8 個を 1 ブロックとして,ブロック単位でファイルの領域を割り当てて管理しているシステムがある。 2,000 バイト及び 9,000 バイトのファイルを保存するとき,これら二つのファイルに割り当てられるセクタ数の合計は幾らか。
ここで,ディレクトリなどの管理情報が占めるセクタは考慮しないものとする。
ア 22 イ 26
ウ 28 エ 32これまでにも何度か説明しましたが、基本情報技術者試験の計算問題の多くは、その計算が実務で頻繁に行われるから出題されるのではなく、
「仕組みがわかっているなら、この計算できるよね」
というものです。
この問題も、「ディスクの構造がわかっていれば、この計算できるよね」というものです。
ディスクを読み書きする最小単位を セクタ と呼びます。
ただし、小さなセクタの単位で読み書きすると、細かすぎて時間がかかってしまうので、実際には、いくつかのセクタをまとめた ブロック という単位で、ディスク上のファイルが読み書きされています。
1 つのブロックに複数のファイルが格納されることはありません。 ブロックの一部に空きができても、そのままにします。
ここまでが、ディスクの構造に関する知識です。
それでは、問題を解いてみましょう。
500 バイト の セクタ が 8 個で 1 ブロックなので、 1 ブロックのサイズは、
chevron_right500 バイト × 8 = 4000 バイト
です。
2000 バイト のファイルは、 1 つのブロックに格納されます( 2000 バイトの空ができます)。
9000 バイト のファイルは、
chevron_right4000 + 4000 + 1000( 3000 バイトの空ができます)
に分けられて、3 つのブロックに格納されます。
ブロックの合計は、
chevron_right1 + 3 = 4 ブロック
です。
1 ブロックが 8 セクタなので、
chevron_right4 ブロック = 4 × 8 = 32 セクタ
です。
したがって、エが正解です。
解答エ
いかがですか。「ディスクの構造がわかっていれば、この計算できるよね」という問題だったでしょう。
searchタグで関連記事をチェックディスク
厳選問題looks_5この問題で SQL の集約関数をまとめて覚えよう
“出庫記録” 表に対する SQL 文のうち,最も大きな値が得られるものはどれか。
商品番号 | 日付 | 数量 |
---|---|---|
NP200 | 2015-10-10 | 3 |
FP233 | 2015-10-10 | 2 |
NP200 | 2015-10-11 | 1 |
FP233 | 2015-10-11 | 2 |
ア
SELECT AVG(数量) FROM 出庫記録 WHERE 商品番号 = 'NP200'
イ
SELECT COUNT(*) FROM 出庫記録
ウ
SELECT MAX(数量) FROM 出庫記録
エ
SELECT SUM(数量) FROM 出庫記録 WHERE 日付 = '2015-10-11'
SQLには、データの合計値や平均値などを求める関数が用意されていて「集約関数」と呼ばれます。
この問題を通して、集約関数の種類と機能を覚えておきましょう。
COUNT 関数だけ、カッコの中に列名ではなくアスタリスク (*) を指定することもできます。
集約関数 | 機能 |
---|---|
SUM(列名) |
列名のデータの合計値を求める(sum = 合計値) |
AVG(列名) |
列名のデータの平均値を求める(average = 平均値) |
MAX(列名) |
列名のデータの最大値を求める(max = 最大値) |
MIN(列名) |
列名のデータの最小値を求める(min = 最小値) |
COUNT(列名) |
列名のデータが NULL でないレコード件数を求める(count = 数量) ( NULL は “何もない” ということを指します) |
COUNT(*) |
NULL のデータも含めたレコード件数を求める(count = 数量) |
集約関数の種類と機能がわかったら、問題を解いてみましょう。
- ア
- 商品番号 が「 NP200 」であるレコードの 数量の平均値 なので、 3 と 1 の平均値で 2 が得られます。
- イ
- 出庫記録のレコード件数 なので、4 が得られます。
- ウ
- 数量 の最大値なので、3 が得られます。
- エ
- 日付が「 2015-10-11 」であるレコードの 数量の合計値 なので、 1 と 2 の合計で 3 が得られます。
したがって、最も大きな値が得られるのは、イです。
解答イ
searchタグで関連記事をチェックSQL
記事をお読みいただきありがとうございます。
もしも、一度解いただけでは、よくわからない問題があったなら、わかるまで何度でも練習してください。 「やるべき問題」は「わかるまでやるべき問題」だからです。
この厳選問題大全集が、受験者の皆様のお役に立てば幸いです。
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