情報処理安全確保支援士試験の“特徴”と“合格しやすい人”
今,最も国が力をいれている資格が“セキュリティ”分野の情報処理安全確保支援士です。全区分でセキュリティ分野を重視するようになったこともあって,全区分制覇を狙っている人は,早めに仕上げておきたい分野の試験だと言えるでしょう。
どういう特徴があって,どういう人が合格しやすい(チャンスがある)のでしょうか?
もくじ
情報処理安全確保支援士試験の特徴は?
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情報処理安全確保支援士試験の3つの特徴
- 覚えることが多い
- と言っても知識だけでは合格できない
- 新規問題がある程度は予想できる
この試験の最大の特徴は,覚えることが多いことです。それは午前問題の種類数に表れています。
例えば,平成7年から開催されているプロジェクトマネージャ試験では120問ほど,同じく平成7年度から開催されているデータベーススペシャリスト試験では200問ほどに対し,平成13年に情報セキュリティアドミニストレータ試験が開催されてから,ほぼ春と秋の両方開催されてきたとはいえ,情報セキュリティ分野の問題数は530問にのぼります(筆者調べ)。それだけ,覚えなければならないことが多いということです。
しかし,知識だけあれば合格するわけではないところが厄介です。
知識があれば,午前Ⅱまではクリアできます。しかし,午後Ⅰ,午後Ⅱの記述式試験では,問題文中に書かれている状況と問われていること(設問)を速く正確に理解した上で,解答として速く正確に表現しなければなりません。特に,字数制限があるので,そこに時間がかかってしまうと合格点は取れなくなります。
また,他の試験区分は新規問題(過去問題には見られなかった新しいキーワードを用いた問題)の予想が難しいのですが,この情報処理安全確保支援士だけは,比較的新規問題の予想が可能です。
というのも,情報処理技術者試験や情報処理安全確保支援士試験を主催しているIPAでは,セキュリティセンターも運営しており,そこで情報提供をしているからです。重要なことは同じですからね。
もちろん新規のキーワードを知らなければ合格できないということはありません。しかし,新規問題の場合,その新しいキーワードを知っていれば,とても簡単な問題が多いので,高得点を取るチャンスになります。
合格しやすい人は?
このような特徴を持った試験なので,次のような条件に合致する人は合格しやすいと思います。
受験区分で迷っている方で,次の条件をクリアしている人には,情報処理安全確保支援士試験に挑戦することをお勧めします。
そして受験を決めたら,“強み”になるのか“弱み”になるのかを確認してみてください。
そして,学習計画を立てる際の参考にしていただければ幸いです。
その1:セキュリティがしっかりしている企業に勤務している人
覚えないことが多い分野ではあるものの,既に“情報セキュリティを守らされている立場”で知っていることが多い場合があります。
パスワードの運用規則やウイルス対策ソフトの運用規則,出張時の無線LANの利用規定,パッチの適用,アプリケーションをリリースする時の手順など,勤務先や取引先のセキュリティレベルが高ければ,知らず知らずの間に知識は身に付いています。
特に,ISMSやプライバシーマークを取得していたり,CSIRTが設置されている場合,かなり有利になります。
筆者が情報処理安全確保支援士試験の講座をやっている場合などは,必ず試験直前にこう言っていて,それで合格した人も少なくありません。
「思うように学習が進まなかった人でも,CSIRTの問題や,パスワードの運用ルールなど,会社で普段やっている問題が出ることがあります。したがって仕上がり具合に関係なく,ひとまず受験会場に行きましょう。合格する可能性は全然あります。」
その2:ITサービスマネージャ試験かプロジェクトマネージャ試験で,記述式問題(午後Ⅰ等)が短時間で解けるようになっている人
特徴のところでも説明しているように,知識だけではなく記述式問題を速く正確に解くことが必要になります。これは,裏を返せば,他の高度系試験区分で記述式問題をきちんと仕上げている人にとっては有利な点なのです。
特に,記述式問題が同じ構成パターンで同じような解き方になるITサービスマネージャ試験やプロジェクトマネージャ試験で,しっかりと練習してきた人にとっては,その延長線上で同じ練習方法で構わないのでチャンスです。
その3:普段から情報セキュリティの最新情報をチェックしている人
後は,普通に普段から情報セキュリティの最新情報にアンテナを張っている人です。特に,IPAのサイトを定期的にチェックしていたり,日経NETWORKを定期購読していたりする人は,知識はもちろんのこと新規問題にも対応できる可能性が高くなっています。
試験対策は?
合格しやすい人の条件は以上です。覚えないといけないことが多いし,記述式問題の練習も必要で,新規問題への対応も求められるこの試験区分は,一言で言えば“仕上げるのに時間がかかる”という特徴があります。
そのため,しっかりと時間をかけて実力を身に付けることが必要なのですが,自分でも知らない間にもう既に身に付いている部分のあるので,そこをしっかりと見極めたうえで,不十分なところから補充していくことが重要になります。
では,具体的にどんな試験対策が必要なのでしょうか?
それを次回,整理してみたいと思います。試験勉強の計画を立案する際に,参考にしていただければ幸いです。
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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