情報処理安全確保支援士試験ガイド 難易度や合格のしやすさ | 令和元年 秋期試験にむけて


2019-05-17 公開
資格紹介

情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティに携わるプロフェッショナルの資格で、日本の情報を守るべく、国が今、最も力を入れている分野になります(下図参照)。

産業構造・市場取引の可視化(METI/経済産業省) より一部加工)

なお、試験そのものは、旧情報セキュリティスペシャリストの内容を引き継いでいますが、合格後に登録し、定期的に研修を受けてスキルを維持するような制度になっているのが特徴です(登録は任意)。

受験者層から見た試験の特徴

情報処理安全確保支援士試験は、一言で言うと “全てのITエンジニアに必要な資格” 区分です。

というのも、情報セキュリティは、企画・開発・運用と全てのフェーズで考慮すべき対象なので、どういう役割であろうと避けては通れないのです。

国も、国防の一分野と位置付けるほど重視していて、平成26年度からは情報処理技術者試験の全区分で情報セキュリティ関連の出題を増やすという変化をももたらせました。

したがって、”情報処理技術者試験” をキャリア形成に活用している人にとって、避けては通れない分野になったというわけです。

 

そういう試験なので、基本、受験者層の担当業務はバラバラです。開発担当者も運用保守の担当者も、コンサルタントも受験しています。

もちろん、中にはセキュリティの専門家やネットワークのエンジニアもいますが、必ずしも有利だとは言えません。

セキュリティの専門家も担当している製品や分野が細分化しているので、非担当分野の知識は勉強で補わないといけない点は、他の受験生と変わりないからです。

難易度や合格率

難易度で言うと、一つ気になることがあります。

難易度が微妙に下がったかもしれません。特にIPAから公表された訳ではないのですが、平成31年度の春期試験 が例年に比べて簡単だった、という声が多いのです。当然、筆者自身も同意見です。

合格率はまだ出ていませんが、平成31年度の春試験の合格率が20%を超えていたら、ひょっとしたらそういうことなのかもしれません。興味深く合格発表を待ちましょう。

ちなみに、直近の合格率はこの通りです。

(参考)情報処理安全確保支援士 変更後の合格率
年度/期 合格率
平成30年度 秋期 18.5%
平成30年度 春期 16.9%
平成29年度 秋期 17.1%
平成29年度 春期 16.3%

ひょっとすると、情報処理安全確保支援士の “登録者数” が想定以上に少なくて計画に満たないので、登録者を増やすことを狙ってのことかもしれません。難易度を下げて合格者が増えれば、登録者も増えますからね。

この試験だけは、他の試験区分とゴールが違います。あくまでも IPAが目標としているゴールは “登録者数” です。

勝手な想像ですが、そういう可能性も十分合理的だと思います。

 

それともう一つ。

他区分では、ITエンジニアの担当業務が難易度や合格率に影響しますが、この情報処理安全確保支援士は 勤務先のセキュリティレベル によって合格しやすかったり、難しかったりする印象があります。

セキュリティポリシの有無、CSIRTやインシデント対応手順の有無、IDとパスワードの運用、スマホやノートPCの利用規約、入退室管理など…自社のセキュリティレベルが高ければ、それを守る立場で、十分な知識がすでに付いている可能性があるからです。

実際に、これまでも「全く勉強できなかったけれど、偶然自分の知っている問題ばかり出て合格した」という人も、結構いました。

 

以上のような観点を踏まえて、難易度や合格率は、次のような知識や経験によって変わると考えておけばいいでしょう。

  1. “セキュリティ” の知識を使う業務を担当している
  2. 自社のセキュリティ対策が進んでいる(しっかりと対策が行われている)
  3. 他の高度系区分に合格している。もしくはそのレベルの対策をしたことがある
  4. 日経NETWORKを定期購読したり、IPAの資料をこまめにチェックしている

上記の 1. ~ 4. の中でどの部分が自分に欠けているのかを正確に把握して、難易度及び合格率を考えましょう。いかに弱点をカバーするのか、それにかかっていると言えます。

2019年度 春期試験 受験者からみた情報処理安全確保支援士試験

もしも、あなたが2019年4月21日に春期試験を受験していたのなら、その時に勉強した “知的資産” の有効活用を考えましょう。

活用できれば、それだけ勉強時間も少なくなりますからね。多忙な社会人にとって “勉強する順番” はとても重要 です。

それに、自分自身のキャリアを考えるうえで、情報処理安全確保支援士試験と他の試験区分との関係性も知っておくことは “損” にはなりませんから。

春期の受験区分 情報処理安全確保支援士との関連(3つで評価)
SC

(1) 情報処理安全確保支援士

(合格しやすさ:★★★ おススメ度:★★★

春期試験で情報処理技術者試験を受験して、残念ながら不合格だった場合に、再度受験するパターンだと思います。

「何としてもセキュリティに強くなる!」というのはキャリア形成の観点からは間違っていません。

春試験の時にしっかりと勉強したにもかかわらず不合格だったのなら、連続して受験して「今度こそ合格するぞ!」というスタンスで挑むことは大正解だと思います。全てが蓄積になりますからね。

加えて、課題が明確なら、合格もしやすいと思います。単に知識が足りない場合は知識を補い、時間が足りなかったり、答えはわかっているんだけれど字数にまとめるところで点数を落としている場合は、解答手順を見直せば、それで春よりも前進しますからね。

AP

(2) 応用情報技術者

(合格しやすさ:★★ おススメ度:★★★

レベル4(高度系)の最初の試験に情報処理安全確保支援士を選択するのは、いいアイデアだと思います。

前述の通り、全区分で情報セキュリティの問題が重視されているからです。

特に、SM 、AU 、NW の 3 区分は午後の問題でも情報セキュリティが出題される可能性がありますからね。

但し、合格するには高度系の記述式の試験問題に慣れておく必要があります。特に午後Ⅰは時間内に解けるかどうかによって、合格できるかどうかが変わってくるので、その練習が必要でしょう。

AU

(3) システム監査技術者

(合格しやすさ:★★ おススメ度:★★★

この試験区分を先に受験したケースだと、しっかりと情報セキュリティの勉強をしたかどうかで “合格のしやすさ” も “おススメ度” も変わってきます。

当然ですが、しっかりと勉強している場合はいずれも高くなります。

また、この試験区分で午後Ⅰ対策をしっかりとしていたのなら、それも有利になるでしょう。

SG

(4) 情報セキュリティマネジメント

(合格しやすさ: おススメ度:★★★

情報セキュリティマネジメント試験は、利用者側の非 IT 人材向けの試験です。しかし、同じ “セキュリティ” をテーマにしたものです。

したがっておススメです。

ただし、レベル 2 の試験から、レベル 3 を飛び越してレベル 4 なので、勉強時間も多めにかかってしまいます(午前Ⅰ対策も必要なので)。

そこは、どちらの試験でも出てくる部分があるので、それらを有効活用しながら効率よくしていきましょう。

PM

(5) プロジェクトマネージャ

(合格しやすさ:★★★ おススメ度:★★

高度系の最初でもなく、なぜ、ここでこの試験区分を受験するのか?

その理由もいろいろあると思いますが、今回、情報セキュリティの重要性を知ったので、この秋に取得しておこうと考えたのなら、正解だと思います。やはり情報セキュリティの知識の獲得は早いほうがいいですからね。

“合格のしやすさ” は高くなります。午後Ⅰの解答手順が PM と同じだからです。

したがって “解答技術” に関しては有効活用できるので、知識獲得に十分に時間を使えるでしょう。

DB

(6) データベーススペシャリスト

ES

(7) エンベデッドシステムスペシャリスト

(合格しやすさ:★★ おススメ度:★★

PMのところで説明しているように、やはり早い方がいいのは間違いありません。

したがって、情報セキュリティの知識獲得の必要性を痛感したために、急遽この試験区分を受験することにしたのなら、その決断は良いと思います。

しかし “合格のしやすさ” はPM ほど高くありません。午後Ⅰの解答手順が、ES や DB とは異なるからです。したがって “解答技術” の習得にも力を入れなければなりません。

FE

(8) 基本情報技術者

(合格しやすさ: おススメ度:

レベル 2 の基本情報技術者から、レベル 3 の応用情報を飛び越してレベル 4 に挑戦する場合、合格は不可能とは言いませんが “かなりの勉強時間” が必要になるのは間違いありません。上記の応用情報技術者試験後に準備する以上に時間がかかるでしょう。

したがって、何かしらこの資格を必要な理由がある場合以外はおススメできません。

勉強方法や勉強時間

このあたりは、今後の記事にご期待ください。

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