2018年度(平成30年度) 基本情報技術者試験 午前免除(修了試験) の講評 ~6月10日実施

2018年6月10日(日)に実施された基本情報技術者の午前免除 修了試験の講評をさせていただきます。

結論を言うと、これまでの午前免除試験と同様でした。それでは、午前免除試験の対策は、どうすれば効率的で効果的なのでしょう。今回の試験を例にして、ポイントを説明します。

 

ほぼ100%が過去問題の再利用である

午前免除試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)から認可を受けた教育機関で既定の学習を終了した人が、実際の試験の前に受けられます。

午前免除試験に合格すれば、実際の試験の日には、午後試験だけを受験すればOKになります。通常の受験と比べて、圧倒的に有利ですので、午前免除試験を利用することを強くお勧めします。

情報処理技術者試験 基本情報技術者 午前免除制度 利用ガイド

 

午前免除試験の内容は、通常の午前試験の内容と同じです。2時間30分(150分)の制限時間内に、80問の選択問題を解きます。

問題の構成は、テクノロジ系が50問、マネジメント系が10問、ストラテジ系が20問です(若干異なるときもあります)。試験の合格点は、100点満点で60点以上です。早い話が、どれも通常の午前試験と同じです。

 

通常の午前試験と比べて、午前免除試験には、過去問題の再利用が多いという特徴があります。

筆者の独自調査では、通常の午前試験は70%程度が過去問題の再利用ですが、午前免除試験は、ほぼ100%と言えるほど過去問題が再利用されています。

出題数が多い情報セキュリティの分野で、過去問題が再利用されていることを確認してみましょう。以下は、今回の午前免除試験を調査した結果です。

問番号 テーマ 同じ過去問題
問36 DNSキャッシュサーバ H29春問36など
問37 情報の完全性 H26春問39など
問38 ディジタル署名 H22秋問39など
問39 ブルートフォース攻撃 H29春問38など
問40 無線LANのWPA2-PSK H27秋問39(応用情報)など
問41 公開鍵暗号方式RAS H29春問40など
問42 タイムスタンプサービス H29春問41など
問43 水飲み場型攻撃 H29春問40(応用情報)など
問44 ファイアウォールとDMZ H26秋問40など
問45 2要素認証 H27秋問45など

 

情報セキュリティの分野の10問中、問40と問43を除く8問(80%)が、過去問題の再利用でした。

ただし、問40と問43も、まったく新しい問題ではなく、応用情報技術者試験の過去問題の再利用でした。したがって、これらも再利用にカウントすれば、100%の問題が再利用ということになります。

応用情報技術者試験の過去問題まで勉強する必要はありませんが、午前免除試験に合格するには、とにかく過去問題を勉強することです。

 

実際の試験によく出る問題は、午前免除試験にもよく出る

筆者は「情報処理教科書 出るとこだけ! 基本情報技術者 テキスト&問題集(翔泳社刊)」という本を書き、その中で「よく出る問題Top100」を紹介しています。

これは、平成21年度春期から平成29年度春期の午問試験の問題全17回を、独自に調査したものです。実際の試験によく出る問題は、午前免除試験にもよく出るのでしょうか?

 

以下は、「よく出る問題Top100」の上位20位と同じテーマの問題が、今回の午前免除試験に出題されたかどうかを調査した結果です。「午前免除試験」の欄に、出題されていることを○、出題されていないことを×で示しています。

上位20位と同じテーマの問題が8問あるので、実際の試験によく出る問題は、午前免除試験にもよく出ると言えるでしょう。したがって、よく出る問題を取り上げている市販教材を使って勉強することが効果的です。

順位 出題 テーマ 分野 午前免除試験
1 15回 稼働率の計算 T
2 14回 アローダイアグラムの使い方 M
3 13回 MIL記号による論理演算 T ×
4 13回 リピータ、ブリッジ、ルータの説明 T ×
5 12回 SQLのSELECT命令 T
6 11回 著作権の対象 S
7 11回 伝送時間の計算 T ×
8 10回 工数の計算 M ×
9 9回 LRU方式の説明 T ×
10 9回 エンタープライズアーキテクチャの説明 S ×
11 9回 再帰呼び出しの仕組み T ×
12 8回 MIPSの計算 T
13 8回 RFIDの説明 T ×
14 8回 WBSの説明 M
15 8回 音声サンプリングの計算 T ×
16 7回 E-R図の説明 T ×
17 7回 キャッシュメモリの計算 T
18 7回 ディジタルディバイドの説明 S
19 7回 プロダクトライフサイクルの説明 S ×
20 7回 公開鍵暗号方式の鍵の取り扱い T ×

※「分野」欄は、T=テクノロジ系、M=マネジメント系、S=ストラテジ系を意味します。

 

まとめ:午前免除試験を受ける人へのアドバイス

それでは、最後に、ここまでの説明をまとめておきます。

 

【ポイント1】午前免除試験は、ほぼ100%と言えるほど過去問題が再利用されている。

【試験対策1】午前免除試験に合格するには、とにかく過去問題を勉強すること。

 

【ポイント2】実際の試験によく出る問題は、午前免除試験にもよく出る。

【試験対策2】よく出る問題を取り上げている市販教材を使って勉強すること。

 

今後、午前免除試験を受ける皆様のご健闘をお祈り申し上げます。それでは、またお会いしましょう!

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IT技術を楽しく・分かりやすく教える“自称ソフトウェア芸人”

大手電気メーカーでPCの製造、ソフトハウスでプログラマを経験。独立後、現在はアプリケーションの開発と販売に従事。その傍ら、書籍・雑誌の執筆、またセミナー講師として活躍。軽快な口調で、知識0ベースのITエンジニアや一般書店フェアなどの一般的なPCユーザの講習ではダントツの評価。
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