略語でわかる MIPS の計算方法|かんたん計算問題


2020-04-09 更新
かんたん計算問題とは
この連載では、基本情報技術者試験で、多くの受験者が苦手意識を持っている「計算問題」に的を絞って、問題の解き方をやさしく説明します。

今回のテーマは、「 MIPS 」の計算問題です。はじめに、MIPS という略語の意味を説明します。意味がわかれば、計算方法もわかります。

ただし、様々な切り口で出題されるので、過去問題をよく練習しておきましょう。

MIPS とは?

MIPS は、 Million Instructions Per Second の略語で、「ミップス」と読みます。それぞれの英単語を日本語に訳してみましょう。

Million
「百万」
Instructions
「命令(複数形)」
Per
「~あたり」
Second
「秒」

したがって、 MIPSは、「 1 秒間に実行できる百万単位の命令数」という意味 であり、コンピュータの処理能力を示す単位です。

Per を「 / 」で表すと、MIPS は、「 百万命令 / 秒」と示せます。たとえば、2 MIPS のコンピュータなら、2 百万命令 / 秒の処理能力があります。

 

MIPS の意味がわかれば、計算方法もわかるでしょう。

たとえば、1 分間に 3 億個の命令を実行できるコンピュータの処理能力は、何 MIPS でしょうか。

 

1 秒間に実行できる命令数を求めればよいのであり、

1 分 = 60 秒なので、
3 億個 ÷ 60 秒

という計算で求められます。その際に、 計算結果を 100 万単位にすることに注意してください。100 万は、指数で表すと 106 です。

以下のように計算して、答えは 5 MIPS です。

3 億個 ÷ 60 秒
= 300 × 106 ÷ 60
= 5 × 106
= 5 MIPS

それでは、逆に、5 MIPS の処理能力があるコンピュータの平均命令実行時間(命令 1 個を実行するのに要する平均時間)は、何秒でしょうか。

 

5 MIPS は、 1 秒間に 5 × 106 個の命令を実行できるという意味なので、命令 1 個を実行するのに要する平均時間は、

1 秒 ÷ ( 5 × 106 )個

という計算で求められます。以下のように計算して、答えは 0.2 マイクロ秒または、 200 ナノ秒です。マイクロとナノのどちらにするのかは、試験の問題文や選択肢に示されます。

10-6 がマイクロで、 10-9 がナノであることを覚えておきましょう。

1 秒 ÷ ( 5 × 106 ) 個
= 0.2 × 10-6 ( 0.2 マイクロ秒)
= 200 × 10-9( 200 ナノ秒)

平均命令実行時間から MIPS を求める問題

問 9 (平成 22 年度 秋期)

平均命令実行時間が 20 ナノ秒のコンピュータがある。このコンピュータの性能は何 MIPS か。

ア 5  イ 10  ウ 20  エ 50

それでは、過去問題を解いてみましょう。はじめは、平均命令実行時間から MIPS を求める問題です。

平均命令実行時間が 20 ナノ秒とは、 1 個の命令を実行するのに 20 ナノ秒かかるということです。

MIPS は、 1 秒間に実行できる命令数ですから、 20 ナノ秒かかる命令を実行できる個数は、 1 秒 ÷ 20 ナノ秒という計算で求められます。

以下のように計算して、答えは 50 MIPS です。

1 秒 ÷ 20 ナノ秒
= 1 ÷ ( 20 ×10-9 )
= 0.05 × 109
= 50 × 106
= 50 MIPS

正解

MIPS から平均命令実行時間を求める問題

問 9 (平成 22 度 秋期)

50 MIPS のプロセッサの平均命令実行時間は幾らか。

ア 20 ナノ秒  イ 50 ナノ秒
ウ 2 マイクロ秒  エ 5 マイクロ秒

次は、MIPS から平均命令実行時間を求める問題です。これは、先ほどの問題と逆の手順になります。

処理能力が 50 MIPSということは、
1 秒間 に 50 × 106 個の命令を実行できます。

1 秒間に 50 × 106 個の命令を実行できるなら、
1 個あたりの実行時間は、
1 秒 ÷ ( 50 × 106 ) 個 という計算で求められます。

以下のように計算して、答えは 0.02 マイクロ秒または 20 ナノ秒です。選択肢にあるのは、 20 ナノ秒です。

1 秒 ÷ ( 50 × 106 ) 個
= 0.02 × 10-6( 0.02 マイクロ秒)
= 20 × 10-9( 20 ナノ秒)

正解

MIPS から 1 トランザクションの平均処理時間を求める問題

問 11 (平成 28 年度 秋期)

オンラインシステムにおいて, 1 トランザクションの処理に平均 60 万命令を実行し,平均 2 回のファイルアクセスが必要であるとき, CPU 性能が 30 MIPS であるコンピュータの 1 トランザクションの平均処理時間は何ミリ秒か。ここで,ファイルの平均アクセス時間は 30 ミリ秒とし,当該トランザクション以外の処理は発生しないものとする。

ア 8  イ 40  
ウ 62  エ 80

今度は、 MIPS から 1 トランザクションの平均処理時間を求める問題です。

トランザクションとは、何らかの機能を実現する処理のまとまりのことです。問題文の内容をよく見てください。

1 トランザクションで、

平均 60 万命令の実行と、
平均 2 回のファイルアクセス

が行われます。

CPU の性能が 30 MIPS なので、 60 万命令の実行には、以下のように計算して、 20 ミリ秒の時間がかかります。

60 万命令 ÷ 30 MIPS
= 60 × 104 ÷ ( 30 × 106 )
= 2 × 10-2
= 20 × 10-3( 20 ミリ秒)

この 20 ミリ秒に、以下のように、 30 ミリ秒のファイルアクセスを 2 回分加えて、答えは 80 ミリ秒です。

20 ミリ秒 + 30 ミリ秒 × 2 = 80 ミリ秒

正解

MIPS からトランザクションの処理能力を求める問題

問 9 (平成 25 年度 秋期)

1 件のトランザクションについて 80 万ステップの命令実行を必要とするシステムがある。プロセッサの性能が 200 MIPS で,プロセッサの使用率が 80 % のときのトランザクションの処理能力 ( 件 / 秒 ) は幾らか。

ア 20  イ 200  
ウ 250  エ 313

最後は、 MIPS からトランザクションの処理能力を求める問題です。

プロセッサの使用率が 80 % であることに注意してください。これは、プロセッサの性能が 200 MIPSであっても、実際には、その 80 % の 200 MIPS × 0.8 = 160 MIPS しか利用できないということです。

1 件のトランザクションで 80 万ステップ( 80 万個)の命令が実行されるので、それに要する時間は、以下のように計算して 0.5 × 10-2秒です。

80 万個 ÷ 160 MIPS
= 80 × 104 ÷ ( 160 × 106 )
= 0.5 × 10-2

1 秒間に処理できるトランザクションの件数は、以下のように計算して、 200 件です。

1 秒 ÷ ( 0.5 × 10-2 秒)
= 2 × 102
= 200

正解

以上、「 MIPS 」の計算問題の解き方を説明しましたが、十分にご理解いただけましたでしょうか。

もしも、すぐに理解できない問題があったなら、同じ問題を繰り返し練習してください。

基本情報技術者試験では、同じ問題が何度も再利用されているので、できない問題をできるようにすることが、必ず得点アップにつながるからです。

それでは、またお会いしましょう!

 

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IT技術を楽しく・分かりやすく教える“自称ソフトウェア芸人”

大手電気メーカーでPCの製造、ソフトハウスでプログラマを経験。独立後、現在はアプリケーションの開発と販売に従事。その傍ら、書籍・雑誌の執筆、またセミナー講師として活躍。軽快な口調で、知識0ベースのITエンジニアや一般書店フェアなどの一般的なPCユーザの講習ではダントツの評価。
お客様の満足を何よりも大切にし、わかりやすい、のせるのが上手い自称ソフトウェア芸人。

主な著作物

  • 「プログラムはなぜ動くのか」(日経BP)
  • 「コンピュータはなぜ動くのか」(日経BP)
  • 「出るとこだけ! 基本情報技術者」 (翔泳社)
  • 「ベテランが丁寧に教えてくれる ハードウェアの知識と実務」(翔泳社)
  • 「ifとelseの思考術」(ソフトバンククリエイティブ) など多数