基本情報技術者試験 科目A免除試験の講評 ~ 2026年7月26日実施
試験対策講座の講師として、誠に勝手ながら、2026年7月26日(日)に実施された基本情報技術者科目A免除試験(修了認定に係る試験)の講評をさせていただきます。
今回受験された人は振り返りの題材として、今後受験される人は対策の資料として、参考にしていただければ幸いです。
| 実施月 | 問題 | 解答 |
|---|---|---|
| 2026 年 7 月 | 問題 | 解答 |
もくじ
問題の内容
表1は、今回の科目A免除試験の内容です。
問題の番号、分野、テーマ、難易度、および過去問題の再利用かどうかを示しています。
表1 今回の科目A免除試験の内容
| 番号 | 分野 | テーマ(分類) | 難易度 | 過去問題 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | T | 浮動小数点数の形式(情報の基礎理論) | 中 | H21秋問2 |
| 2 | T | 標準偏差の範囲(情報の基礎理論) | 中 | (なし) |
| 3 | T | AIにおけるヒューリスティックス(情報の基礎理論) | 中 | (なし) |
| 4 | T | 方程式の解を求める二分法(アルゴリズム) | 難 | (なし) |
| 5 | T | データ構造の種類(アルゴリズム) | 中 | H17秋問13 |
| 6 | T | 先頭からのバブルソート(アルゴリズム) | 中 | (なし) |
| 7 | T | HTML文書にJavaプログラムを埋め込むもの(ソフトウェア) | 中 | (なし) |
| 8 | T | 外部割込みであるもの(ハードウェア) | 中 | H23特別問9 |
| 9 | T | ライトスルー方式の説明(ハードウェア) | 中 | (なし) |
| 10 | T | 3Dプリンターの材料押出法(ハードウェア) | 中 | (なし) |
| 11 | T | 現用系の故障に備えるシステム構成(システム構成) | 中 | H20春問31 |
| 12 | T | コンピュータシステムの経過時間(システム構成) | 易 | H28春問43(SG) |
| 13 | T | マイクロカーネルの説明(ソフトウェア) | 中 | (なし) |
| 14 | T | コンパイラの処理の流れ(ソフトウェア) | 中 | H13問44(SW) |
| 15 | T | Web画面に対する操作を自動化するOSS(ソフトウェア) | 中 | (なし) |
| 16 | T | 二つの安定状態を持つ順序回路(ハードウェア) | 中 | H26秋問22 |
| 17 | T | 画像処理のレンダリング処理(マルチメディアとヒューマンインタフェース) | 中 | (なし) |
| 18 | T | 関係代数を使って導出した仮想的な表(データベース) | 中 | (なし) |
| 19 | T | 正規化の説明(データベース) | 中 | (なし) |
| 20 | T | SQL文を実行した結果(データベース) | 難 | (なし) |
| 21 | T | 表のデータのグループ化(データベース) | 中 | (なし) |
| 22 | T | ロールフォワードによって回復されるトランザクション(データベース) | 中 | (なし) |
| 23 | T | 回線利用率の計算(ネットワーク) | 中 | R07公開問7 |
| 24 | T | コンテンション方式を採用している通信方式(ネットワーク) | 中 | (なし) |
| 25 | T | 一つのグローバルIPアドレスを共有する仕組み(ネットワーク) | 易 | R2秋問34(AP) |
| 26 | T | SDNを実現する規格(ネットワーク) | 中 | (なし) |
| 27 | T | サービスを不能にする攻撃(セキュリティ) | 中 | H28春問2(SC) |
| 28 | T | ハイブリッド暗号で組合せる暗号技術(セキュリティ) | 中 | (なし) |
| 29 | T | デジタル証明書の無効化を担うもの(セキュリティ) | 中 | (なし) |
| 30 | T | 情報セキュリティマネジメントにおけるトップマネジメント(セキュリティ) | 中 | H30秋問2(SG) |
| 31 | T | WAFの説明(セキュリティ) | 易 | R07公開問10 |
| 32 | T | サンドボックスの説明(セキュリティ) | 中 | (なし) |
| 33 | T | S/MIMEの機能(セキュリティ) | 中 | H31問23(SG) |
| 34 | T | オブジェクト間の相互作用を時系列に表す図(開発技術) | 中 | H29秋問46 |
| 35 | T | オブジェクト指向のメッセージの説明(開発技術) | 中 | (なし) |
| 36 | T | サーバのスケールアウトの説明(開発技術) | 易 | (なし) |
| 37 | T | 判定条件網羅(分岐網羅)によるテスト(開発技術) | 中 | (なし) |
| 38 | T | IaCによって省力化や作業品質が向上する作業(開発技術) | 中 | (なし) |
| 39 | T | スクラムにおけるプロダクトバックログの扱い方(開発技術) | 中 | (なし) |
| 40 | T | アジャイル開発のレトロスペクティブで用いる手法(開発技術) | 中 | (なし) |
| 41 | M | プロダクトパフォーマンスのベースラインの説明 | 中 | (なし) |
| 42 | M | アローダイアグラムからプロジェクトの所要日数を求める | 中 | (なし) |
| 43 | M | サービスマネジメントに置ける問題管理 | 中 | (なし) |
| 44 | M | IaaSで運用費用が最も高いサービス | 中 | (なし) |
| 45 | M | システム監査人として適切なもの | 易 | R01秋問59 |
| 46 | S | BCPの説明 | 中 | R4秋問61(AP) |
| 47 | S | 四つの視点から定量的な指標を設定する手法 | 易 | (なし) |
| 48 | S | ファブレスによる変革の事例 | 中 | (なし) |
| 49 | S | PEST分析の環境要因の種類 | 中 | (なし) |
| 50 | S | カニバリゼーションの説明 | 易 | (なし) |
| 51 | S | ERPパッケージ導入による効果 | 中 | (なし) |
| 52 | S | イノベーションのジレンマの説明 | 中 | (なし) |
| 53 | S | LiDARの応用事例 | 中 | (なし) |
| 54 | S | MaaSの説明 | 易 | (なし) |
| 55 | S | フィンテックのアカウントアグリゲーションの特徴 | 中 | R01秋問72(AP) |
| 56 | S | 企業の中に擬似的な会社組織を設ける形態 | 易 | R07問15(IP) |
| 57 | S | 利益を最大化する価格 | 中 | (なし) |
| 58 | S | 文書における単語の出現頻度の分析手法 | 中 | R01秋問50(SG) |
| 59 | S | 損益分岐点に関する記述 | 中 | H24春問77 |
| 60 | S | 著作権法による保護の対象となるもの | 中 | H23秋問80(SG) |
●分野
T=テクノロジ系、M=マネジメント系、S=ストラテジ系
※テクノロジ系は、カッコ内に問題のテーマの分類を示す
●難易度(筆者の講師経験から設定)
易=受講者のほぼ全員ができる問題、中=受講者の半数ぐらいができる問題、難=受講者の数名しかできない問題
●その他
・過去問題の再利用(まったく同じ問題、もしくは、ほとんど同じ問題)である場合は、出題された年度と問題番号を示す。
・基本情報技術者試験の過去問題ではない場合は「H28春問43(SG)」のようにカッコの中に試験区分の略称を示す。
(略称)AP=応用情報技術者試験、IP=ITパスポート試験、SG=情報セキュリティマネジメント試験、SW=ソフトウェア開発技術者試験(旧制度)、SC=情報セキュリティスペシャリスト試験
・同じ問題が複数の試験区分と年度で何度も再利用されている場合も、ここでは、1つの試験区分と年度だけを示す。
・過去問題の再利用でない場合は、「(なし)」と示す。
・春・秋の表記がないのは、年に1回だけ問題が公開される試験です。
従来より過去問題の再利用が減った(前回と同様)
今回の試験は、前回の試験と同様に、従来の科目A免除試験と大きく異なります。過去問題の再利用が減り、難易度がアップしています。
まず、過去問題の再利用を見てみましょう。
表2は、今回を含めた直近3回の試験で再利用された過去問題の試験区分と問題数です。
従来(1月25日以前)の科目A免除試験は、すべての問題が過去問題の再利用でした。
それに対して、今回の試験は、過去問題の再利用がわずか21問だけです。過去問題の再利用でないものは、まったく新しい問題の可能性もありますが、公開されていない問題(実際の試験に使われているが公開されていない問題)かもしれません。
表2 今回を含めた直近3回の試験で再利用された過去問題の試験区分と問題数
| 試験区分\試験実施日 | 1月25日 | 6月14日 | 7月26日 |
|---|---|---|---|
| 基本情報技術者試験 | 37問 | 16問 | 10問 |
| 応用情報技術者試験 | 16問 | 4問 | 3問 |
| その他の試験 | 7問 | 1問 | 8問 |
| 合計 | 60問 | 21問 | 21問 |
従来より問題の難易度が上がった(前回と同様)
次に、問題の難易度を見てみましょう。
易が9問、中が49問、難が2問です。
易が90%できて、中が50%できて、難が25%できる(四択問題なので最低でも25%できます)とすれば、正解数の期待値は、9×0.9 + 49×0.5 + 2×0.25 = 33.1問です。合格基準は、60問中36問以上の正解なので、がんばって勉強していない限り、残念な結果になってしまった受験者が多かったでしょう。
表3は、今回を含めた直近3回の試験の正解数の期待値です。
今回の問題は、前回と同様に、従来の試験と比べて、かなり難しかったといえます。
表3 今回を含めた直近3回の試験の正解数の期待値
| 試験実施日 | 1月25日 | 6月14日 | 7月26日 |
|---|---|---|---|
| 正解数の期待値 | 39.2問 | 32.1問 | 33.1問 |
※60問中36問以上の正解で合格です。
今後の試験を受ける人へのアドバイス
最後に、今後の科目A免除試験を受ける人にアドバイスをさせていただきます。
今回の試験は、前回と同様だったので、今後の試験も同じ傾向だと思われます。
過去問題の再利用が減り、難易度が上がっているのですから、過去問題を数多く練習するという学習だけでは、合格点を得るのは困難でしょう。
それぞれの分野に出題されるテーマを、より深く理解する必要があります。
そのためには、新たな知識を得ることを楽しむ、という意識を持ってください。
以下に、今回の試験で難易度に「難」を付けた問題(全部で2問あります)と解説を示しますので、新たな知識を得ることを楽しんでください。
今回の試験で難易度に「難」を付けた問題(その1):問4
方程式 x³+x²-1=0 の解を二分法によって求めた場合,得られる解の範囲として適切なものはどれか。ここで,区間は (0, 1) から始める。
一般的な教材で基本情報技術者試験の勉強をしているなら、「二分法」という用語を見たことはないでしょう。
二分法は、べき乗、三角関数、対数などを含む、複雑な方程式を解くための技法です。
以下の手順で、f(x) = 0(f(x)はxを未知数とした何らかの方程式だとします)の解の範囲を得ます。
(1) f(a)×f(b) < 0となる2点を探します。これは、f(a)とf(b)の符号が異なるという意味なので、f(x) = 0の解は、aとbの間にあることになります。
(2) c = (a+b)/2という計算で、aとbの中間点cの値を求めます。
(3) もしも、f(a)×f(c) < 0なら、f(x) = 0の解はaとcの間にあるので、b = cとして(2)に戻ります。
(4) そうでないなら、f(x) = 0の解はcとbの間にあるので、a = cとして(2)に戻ります。
(5) この手順を繰り返し、解の範囲を絞り込んでいきます。
この問題では、f(x) = x3+x2-1 = 0という方程式で、f(a)×f(b) < 0 となる2点が a = 0、b = 1 として与えられています。
aとbの中間点 c = (0+1)/2 = 1/2 です。
f(a) = f(0) = -1、f(c) = f(1/2) = -5/8 であり、f(0)×f(1/2) < 0 なので、解は1/2と1の間にあります。
これは、選択肢にないので、 a = 1/2、b = 1 として、さらに解の範囲を絞り込んでいきましょう。
aとbの中間点c = (1/2+1)/2 = 3/4です。
f(a) = f(1/2) = -5/8、f(c) = f(3/4) = -1/64 であり、f(1/2)×f(3/4) < 0 ではないので、解は3/4と1の間にあります。
これは、選択肢エにあるので、ここで絞り込みを終了します。正解は、選択肢エです。
今回の試験で難易度に「難」を付けた問題(その2):問20
“部品” 表と “在庫” 表に対して SQL 文を実行した結果はどれか。ここで,実線の下線は主キーを表す。
〔SQL 文〕
SELECT 部品名,
CASE WHEN 部品 ID IN
(SELECT 部品 ID FROM 在庫
WHERE 場所 = '東京' AND 在庫数 > 10 ) THEN '○'
ELSE '×' END AS 東京,
CASE WHEN 部品 ID IN
(SELECT 部品 ID FROM 在庫
WHERE 場所 = '大阪' AND 在庫数 > 10 ) THEN '○'
ELSE '×' END AS 大阪
FROM 部品
一般的な教材で基本情報技術者試験の勉強をしているなら、「CASE」「WHEN」「THEN」「ELSE」「END」というSQLのキーワードを見たことはないでしょう。
これらは、以下の構文で、プログラミング言語の分岐処理(選択処理)に似たことを、SQLで実現するものです。
チェック対象の列名が条件1に一致するなら値1、そうではなくて条件2に一致するなら値2、・・・、そうでなく条件nに一致するなら値n、そうでないなら(どの条件にも一致しないなら)値n+1を結果とします。これを「CASE式」と呼びます。
CASE チェック対象の列名 WHEN 条件1 THEN 値1 WHEN 条件2 THEN 値2 : WHEN 条件n THEN 値n ELSE 値n+1 END
ここでは、「部品表」からデータを取得するSELECT命令の中で、CASE式を使っています。
SELECTの後に「部品名」があるので、「部品表」のすべてのレコードの「部品名」が取得されます。
その後にある1つ目のCASE式は「部品表の部品IDが、在庫表から、場所 = 東京、かつ、在庫数 > 10という条件で取得した部品IDの中にあるなら○、そうでないなら×を値とする」という意味です。
この列には「AS 東京」で東京という名前を付けます。さらに、その後にある2つ目のCASE式は「部品表の部品IDが、在庫表から、場所 = 大阪、かつ、在庫数 > 10という条件で取得した部品IDの中にあるなら○そうでないなら×を値とする」という意味です。この列には「AS 大阪」で大阪という名前を付けます。
「部品表」の「メモリ(部品IDは01)」は、「在庫表」で、「東京」の「在庫数」が10で、「大阪」の「在庫数」のデータがないので、「×」「×」です。
「部品表」の「ディスプレイ(部品IDは02)」は、「在庫表」で、「東京」の「在庫数」のデータがなく、「大阪」の「在庫数」が25なので、「×」「○」です。
「部品表」の「ディスク(部品IDは03)」は、「在庫表」で、「東京」の「在庫数」が20で、「大阪」の「在庫数」のデータがないので、「○」「×」です。
「部品表」の「マウス(部品IDは04)」は、「在庫表」で、「東京」の「在庫数」が20で、「大阪」の「在庫数」30なので、「○」「○」です。
「部品表」の「キーボード(部品IDは05)」は、「在庫表」で、「東京」の「在庫数」のデータがなく、「大阪」の「在庫数」のデータもないので、「×」「×」です。
したがって、選択肢ウが正解です。
以上、試験対策講座の講師として、誠に勝手ながら、試験問題の講評をさせていただきました。
今回の試験に合格した人は、ここで気を緩めずに、本試験に向けて科目Bの学習をしてください。残念な結果になってしまった人は、ここで気を落とさずに、本試験に向けて科目Aと科目Bの両方の学習をしてください。
どちらの場合も、コツコツと学習を続けていれば、必ず良い結果が得られるはずです。
皆様のご健闘をお祈り申し上げます!
免除試験を受けた 74.9% の方が、科目A免除資格を得ています。
※独習ゼミは、受験ナビ運営のSEプラスによる試験対策eラーニングです。
基本情報技術者試験 科目A免除試験の講評 ~ 2026年7月26日実施
update
基本情報技術者試験 科目A免除試験の講評 ~ 2026年6月14日実施
update
【2026-2027年度】情報処理技術者試験が大幅刷新!応用情報・高度試験の再編や、基本情報技術者試験への影響まで解説!
update
基本情報技術者試験 科目A免除試験の講評 ~ 2026年1月25日実施
update
基本情報技術者試験 科目A免除試験の講評 ~ 2025年12月14日実施
update
令和7年度 基本情報技術者試験 公開問題の講評
update
基本情報技術者試験 科目A免除試験 (旧 午前免除試験) の講評 ~ 2025年7月27日実施
update
基本情報技術者試験 科目A免除試験 (旧 午前免除試験) の講評 ~ 2025年6月8日実施
update
基本情報技術者試験 科目A免除試験(修了試験)の講評 ~ 2025年1月26日実施
update
基本情報技術者試験 科目A免除試験(修了試験)の講評 ~ 2024年12月8日実施
update- 基本情報技術者試験 の受験勉強をレポート頂ける方を募集中です!
- ツイッター で過去問を配信しています
姉妹サイト 「IT資格の歩き方」 では応用情報技術者以上の情報処理技術者試験の対策記事があります!
基本情報技術者試験を合格されたら、「IT資格の歩き方」で末永く、スキルアップにお役立てください!





