はじめての記述式 勉強方法 【午後Ⅰ(午後1) 対策】|高度情報処理技術者 共通


2021-01-20 公開

午後Ⅰ記述式問題の対策にも、ほとんどの人が “過去問題” を活用していると思います。午後Ⅰは時間との闘いで、合格を分けるのは解答するスピード次第だということを知っている人は、試験区分ごとにある程度決まっている問題の分量でしか練習できないということもわかっているからです。

問題の分量を把握する!

過去問題を見る限り、試験区分ごとに問題や設問の分量は一定です。

もちろん、長期的には微妙に増減していますが、前回と比較して驚くほど変化しているということはありません。

したがって、まずは自分の受験する試験区分の記述式問題のページ数、設問数、その他特徴を把握する必要があります。

アセスメントで課題を抽出!

受験区分の問題の分量が把握できたら、次に、実際に時間を計測して問題を解いてみましょう。

目的は、課題(合格点が取れない要因、不合格になるリスク)を明確にするためです。

過去問題を何問か解いてみて、何回解いても、おおよそ解答例の通りで 8 割以上正解していて、間違っているところも全て理由が明確なら、特に問題は無いでしょう。

しかし、そうでない場合、課題を明確にした上で、それを解消する練習が必要になります。

一般的に、課題は次の 2 点です。

  1. 時間が足りなかった
    • 制限時間内には解けなかったが、後 ○ 分、もしくは ○ 時間あれば 8 割は取れる。
  2. 知識が足りなかった
    • いくら時間をかけても 8 割以上は無理。

午後Ⅰは時間との闘いです。時間が足りなくなるように設計されているとしか思えないほど、試験中は(時間的に)余裕がありません。一度で受験してみれば実感できるはず。合格ラインをクリアするためには “かなりの解答スピード” が必要で、のんびり熟考できないケースが多いのです。

また、時間的には余裕があっても、それが「答えが全くわからない設問がいくつかあった」からというのでは意味ありません。往々にして、知識がない場合には早く解答できますからね。その場合は、知識が足りないことが課題になります。

ちなみに、合格ラインは 6 割( 60 点)以上ですが、それを 8 割以上にしているのは、何回解いてもその基準を大きく上回る 8 割以上正解できていれば、試験本番時に多少ミスがあっても 6 割はクリアできると思われるからです。

午後Ⅰの対策(全区分共通)

後は、課題に応じて…その課題の対応策を考えます。

1. 時間が足りないことが課題
arrow_forwardどうすれば速く解けるのか、考えながら、時間を計測して試行錯誤し、早く解くための技術を会得する。
2. 知識が足りなかった
arrow_forward午後Ⅰ記述式対策の前に、午前対策を実施するとか教科書を読むとか、まだ 1. の練習をするのが時期尚早なので、他の対策にシフトする

要するに、午後Ⅰ記述式対策は…知識があることが前提で行わなければならないということですね。順番からすると 2. arrow_forward 1. です。

あとは…解答スピードを上げる練習は、やみくもに数をこなせばよいというものではありません。同じプロセスで何問解いたところで、何の進化もないからです。それどころか、限りある過去問題を浪費してしまいます。そうではなく、 1 問 1 問を大切に扱い、次の 1 問を解くまでに、じっくりと時間をかけて…いろいろなことを考えた上で…

「よし、今度はここをこうしてみよう!!」

ということを決めたうえで、その新しい解答手順で解いてみることが重要になります。

 

過去問題を解いた後には、自分の解答プロセスを振り返り、改善の余地がないかどうかを考えます。そして改善した方がいいと判断したら、改善後のプロセスを頭の中で繰り返しトレースします。俗に言う “イメージトレーニング” ですね。ここでたっぷりと時間をかけます。そうすることで、次の 1 問を解く時に、改善後のプロセスを試すことができるようになるというわけです。改善すべきかどうか確信が持てなくても構いません。練習中は、様々な方法を試してみればいいんです。試行錯誤を繰り返すことも練習のひとつ。大事なことなんです。

コラム

筆者は、特にゴルフが得意というわけでもなく好きなわけでもありませんが、たまに “打ちっ放し” に練習に行きます。そして、金にものを言わせて(笑)大量に球を買い、できる限りたくさんの球を打ちます。中には、会心の当たりなんかもあって、いい汗かいて満足して帰ります。でも、これだとスッキリ満足できても全然うまくならないんですよね。それに対してプロは違います。同じ時間の練習でも 10 発ぐらいしか打ちません。1 球打っては、その後ずーっと考え込んで、時に素振りしてみたりしながら… 5 分、 10 分…。そして、満を持して次の 1 球を打つ。それがプロの練習方法なのです。これと同じように、 1 問の過去問題を大切に考えて練習するようにしましょう。

試験区分によって解答手順は異なる

但し、高度系の午後Ⅰ記述式問題は、試験区分によって、速く解くための “解答手順” が異なります。そのため、いくら他の高度試験に合格しているからと言って、その “解答手順” が他の試験区分に通用しない可能性があるのです。過去の成功体験が、必ずしも次につながらないんですよね。

したがって、これまで他の試験区分で午後Ⅰをクリアしてきた経験があっても、試験区分によっては、また新たにその試験区分の解答手順を練習して会得しなければならないことも考えておかなければならないでしょう。

これまでの解答手順と同じで良いのか、変えた方がいいのか、そのあたりは試験区分ごとの午後Ⅰ記述式対策でご確認ください。

過去問題以外は練習する?

これは個人的な見解ですが、筆者は予想問題集や模擬試験は作りが粗く、本番試験とは乖離しているものが多いという印象を持っています。本番試験で使用する問題は、難易度の調整のために、ページ数、設問数などの質や量が一定になるように考えられていて、十分にコストをかけて入念にレビューも行われているようです。だから「時間内に解く」ことが、試験本番で使用する読み書きのスピードの練習になるのです。

考えてみてください。合格率って毎年一定ですよね。今は「 60 点以上が合格」なので…そういう絶対評価にもかかわらずです。相対評価なら問題の難易度や分量などを考えなくても、採点結果の上位何 % を合格にすればいいだけなのですが、絶対評価の場合はそうもいきません。入念に問題の難易度や分量などが考えられているからでしょう。

 

しかし、予想問題集や模擬試験には、当然ですがそこまでのコストはかけられません。筆者も昔はそういう仕事をしていた時期があるので良く知っていますし、今は作成依頼があっても断っています。過去問題と同レベルの品質の物を作るには、投資効果が悪いからです。それほど多くの原稿料を貰えないにもかかわらず、多大な労力がかかるからです。 45 分で解いてみた時に一定の割合の人が 60 点を超えて正規分布に近くなるように作成しようと考えただけで、その難しさはわかりますよね。

だからだと思います。過去問題以外でオリジナルで作成された問題には、本番試験と乖離した分量、視点などがあり、そういう問題を解いていると、変な癖がついたりしますから、筆者は推奨していないのです。わざわざ時間をかけて勉強しても、それが裏目に出てしまっては元も子もありません。筆者自身は受験時に使ったこともありません。これまで数多く開催してきた対策講座でも、(過去問題のなかった新設当時の)テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)の 1 年目と 2 年目だけは仕方なしに使用しましたが、それ以外では一切使ったことはありません。

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