文系の営業職でもAI資格「G検定」に合格できた方に対策を聞いてみた!


2019-04-08 公開

話題の AI の資格「G検定」を、IT エンジニアやデータ分析職ではなく営業職で取得された畑さんに、気になる試験の難易度や対策の内容や、オススメの参考書・問題集など、勉強方法をインタビューしました!

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お話を伺った方

畑 友里菜 さん
株式会社SEプラス
e&TS Division チーフ

自己紹介

-今日はよろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!

-早速ですが、畑さんは普段はどのようなお仕事をされているのですか?

SEプラスという会社で、SIer やソフトウェア開発企業の研修部門向けに自社の e ラーニングや研修コースの企画・提案営業をしています。

-そのポジションでどれぐらい経験されているのでしょうか?

3 年半ぐらいですね。

また、大学は文系で、前職で 1 年ぐらい証券営業をしていて、今の会社に入ったときは IT はまったくの未経験でした。

G検定 と、取得したメリットは ?

-では、改めて、取得されたのはどのような資格ですか?

「G検定」という資格です。日本ディープラーニング協会( JDLA ) という一般社団法人が実施・認定しています。

その認定資格が 2 つあり、1 つは私が取得した G検定 (ジェネラリスト) と、もう 1 つが E資格 (エンジニア) です。

G検定 はビジネス職向けでディープラーニングを事業に活かす知識があるかが問われます。
E資格 は IT エンジニア向けでディープラーニングを実装する知識があるかが問われます。

参考リンク:
人材育成 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会 Japan Deep Learning Association

-研修の企画や提案でそこまで知識がなくても OK な気がしますが、なぜ、取得しようと思ったのですか?

一番は「業務に活かしたい」という思いからです。

SEプラスでも、AI に関連する研修を幾つか実施しているのですが、他の技術研修と比べて非常に人気が高く、お客様の関心が強い分野である一方、私自身の知識が不足しているという意識がありました。

G検定 を取得することで、AI に関する専門的な知識を獲得することができて、結果、お客様にも自信をもってご提案が出来ると考えました。

といいつつ、個人的に AI の最新テクノロジーに興味があり学んでみたかった、というのも多分にありました。(笑)

-興味があっても勉強はしないケースが多いので、すごいですね。
ちなみに、取得されて何か変わったことはありますか?

G検定 の勉強を通して得た知識が、営業しているときに活きました。

例えば、AI 開発のフレームワークやライブラリに関する話をしたり、AI の時事ネタでお客様と盛り上がったり、今までになかった話の引き出しが増えたと感じています。

今後、SEプラスで AI やディープラーニングに関する研修企画が増えると思うので、その際に声を掛けてもらえるよう、さらに知識を磨いていきたいです。

 

合格ラインに数学の知識はどこまで必要?

-勉強する前の知識はどの程度あったのですか?

特に専門的な知識はありませんでした。

ただ、興味本位で Youtube の GLOBIS チャンネルで、この試験を運営している JDLA の理事長 松尾豊さんが出演されている、AI に関するディスカッション動画を視聴したりなど、表面的な知識はかじっていました。

-なるほど。興味があるけど、特に専門的な知識を持っていた訳ではないのですね。
この G検定 では数学の知識も必要になりますが、試験はどれぐらいのレベルだったのですか?

E検定 のような応用数学の知識は全くなく、いわゆる数ⅡB・数ⅢC の初歩レベルという感じですね。

具体的には、関数、行列演算、確率関連 (標準偏差、分散、正規化とか) などなどです。

数学 B
参考リンク:高等学校学習指導要領解説 数学編 p.45
数学 C
参考リンク:高等学校学習指導要領解説 数学編 p.52

-そう伺うと、ちょっと難易度が高そうに聞こえますね

といっても、総問題数に対して数学系の問題は 1 割でるかどうかの感覚なので、ある程度、目をつぶってもよいかもしれません。

ただし、関数など数学の用語がわからないと、そもそも試験範囲の内容が理解できない可能性があるます。特に微分は必須です。

なので、しっかり勉強したほうがよいと思います。

 

ろくに勉強しないと合格しなかった1回目

-いよいよ対策について伺いたいのですが、最初どのような学習計画をたてたのですか?

恥ずかしながら、実は 1 回目は準備不足で不合格だったんです。

- 1 回受験されているんですね! そのときはどんな勉強をされたのですか?

正直ろくに勉強していませんでした。(笑)

話にならないのですが、試験中に Web で検索ができる!という理由でたかをくくっていました。

結果、問題数が多すぎて、いちいち検索していたらあっという間に 2 時間たち、当然不合格でした。

これはちゃんと勉強しないと受からないと身に染みてわかったので、気持ちを切り替えました。

-試験中に検索してよいとは珍しい!! たしかにサボってしまいそうですね。
そこで、1 回目の失敗で 2 回目はどのように?

今回は試験の 2 ヶ月前ぐらいから、できる限り毎日勉強を行いました。

まずはインプットのために 1 ヶ月公式テキストで勉強し、残りの 1 ヶ月はとにかく問題を解いたりノートにわからないところを書きだすなど、アウトプットすることを意識しました。

-どれぐらいの時間、勉強されたのですか?

勉強した日は 1 ~ 2 時間くらい勉強したので、おおよそ 60 時間位だと思います。

-社会人の場合、勉強する日を確保するのが難しいと思いますが、何かコツはありますか?

これは人によって違いますが、私の場合はモチベーションをあげるために、とにかく投資しました。

たとえば、高いブランドのノートやボールペンを買ったり、行きたいカフェに行くついでに勉強するなどして、毎日勉強している自分をかっこいいと思い込んでどうにかしていました (笑) 。

-とてもユニークなモチベーションの高め方ですね!!

 

役に立ったのは推薦図書と松尾豊先生のYoutube!?

-では、勉強していて役に立った勉強法やツールはどのようなものですか?

テキストでは、

まず、この公式テキストの基本をなぞりながら勉強するのがオススメです。

次に、公式テキストを勉強し終えたら、問題に慣れる必要があります。そこで使ったのが、

です。

公式テキストでは触れられていない問題も出てくるので、それはこの問題集でカバーできました。

また、その公式テキストを読む前に参考にしたのがこの本です。

AI がまったくわからないという方は、先にこの本を読むと、AI に関する概要がさっと頭に入ってくるのでオススメです。

JDLA でも推薦書籍に挙げている本ですね。

-推薦図書は本当に推しなんですね。テキスト以外ではどのようなものを使ったのですか?

この資格特有になると思いますが、事前の検索 ですね。

先程お話した通り、試験中に検索できるので、試験前に必ず開いておいてスグに見れるようにしておいた方が良いです。

-しっかり失敗を活かしていますね! 他にオススメはありますか?

イマドキな対策かも知れませんが、Youtube で “松尾 豊” を検索して、その動画を見ました。

中でも、個人的に理解が進んだのが、この動画です。

非常にわかりやすく説明してくださるので、本はちょっと読む気がしない、という方はまず動画からなんとなくみてみると、意外と理解が進むように思います。

-すごい。確かにとってもイマドキですね。
では、逆に役に立たなかった勉強方法やツールはどのようなものですか?

なかなか挙げるのが難しいのですが、「AI白書」 です。
推薦図書として挙がっていて、白書そのものはとても有益で、「 AI を学ぶ」にはうってつけでした。

ただ、「試験に合格する」ということを考えると、量が多すぎて全部読み切るのは大変でした。また、サイズが大きいので持ち歩きしにくいんです。

今のところは、電子版が無いようなので試験勉強用には不向きかもしれません。

あと、関連して、書籍は沢山買わないほうがいいと思います。

-それは何か逆説的ですね

公式テキストでわからないところがあれば、穴埋めするようなイメージで、JDLA が載せている推薦書籍で勉強する方がいいです。

先走って、とりあえずディープラーニングの専門書を買ったものの、数式まみれで素人には無理でした。

というより、G検定 ではそこまで問われませんでした。。。同じ書籍で覚えるべき知識をしっかり習得した方が良いですね。

参考リンク:
推薦図書 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会 Japan Deep Learning Association

-勉強方法では、他にどのようなことをされたのでしょうか?

あえていうと、試験対策の王道、「過去問の演習」は出来ませんでした。

当たり前ですが、過去問が出回っていないので、テキストで勉強するのが一番手っ取り早いです。

先程の問題集と、公式テキスト内の問題を何周かして覚える。意外と試験でも同じような問題が出てきました。

 

対策勉強中に心が折れたこと

-2 ~ 3 ヶ月の勉強時間は社会人にとっては期間が長いと思うのですが、その中でモチベーションになったものはなんですか?

ディープラーニングの流れや大まかな仕組みが、少しですが理解できたときです。

もちろん、複雑な関数まではまだまだ勉強不足ですが、ディープラーニングはどういう課題を抱え、かつ改善されてきたのか、またディープラーニングに使用されている関数の特徴などがわかってきたときは、とても面白かったですね。

わかる、わかるぞー、という感覚です。

-それはなんとなくわかります (笑)
逆に心が折れそうになったのはどのようなときでしょうか?

やはり数学がでてくる分野です。割とそこかしこに出てくるのですが…

ディープラーニングの仕組みに使用される関数の特徴や種類、その仕組みが腑に落ちるまではとても時間がかかりました。

私もそうですが、文系の方は時間がかかるかもしれません。

-ちなみに、どうして心が折れなかったのでしょうか?

現在、会社が営業への資格取得を推奨していることと、世の中の AI やディープラーニングへの関心が高まっている中で、G検定 を取得できれば、「私にとってプラスにしかならない」と言い聞かせていたので、継続的に勉強出来ました。

結果、社内でも関心が高まっているので、合格できて良かったです。

-本当におめでとうございます!

 

これから受験されるかたへ

-では、最後にこれから受験しようかな、と思うかたにメッセージをお願いします!

AI、特にディープラーニングに興味のある方には、まず、AI がどういう世界なのか、そもそものあらましが大局的に学べるので非常におすすめです。

やや試験料が高いのが気になりますが…

先日も「政府、AI 人材年25万人育成へ 全大学生に初級教育 」というニュースも出ていたので、これから早めに勉強しておいて損は無いと思います。
また、苦手と思う方が多い数学も関数・線形代数・確率などの基本をおさえれば、大丈夫です。

なので、AI というと、IT エンジニアや分析職の方向けと思われがちですが、私のような営業や HR 関連、職種を問わずチャレンジできると思います!!

今日はありがとうございました!

ありがとうございました!

IT 資格の歩き方では情報処理技術者試験やベンダー資格に加えて、比較的あたらしい AWS 資格や、AI 資格、認定スクラムマスター資格など、受験された方に受験体験をインタビューしています。

OK だよ! というかたはぜひお声がけくださいませ!

 

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