情報セキュリティマネジメント試験ガイド 難易度や合格のしやすさ | 令和元年 秋期試験にむけて
情報セキュリティマネジメント試験は、情報システムの利用部門の方々に取得してもらうことを狙った “情報セキュリティ” に関する資格です。ITSSのレベルは基本情報技術者試験と同じ “レベル2” になります。
受験者層から見た試験の特徴
この試験は“情報システムを利用している人”を対象にしています。しかし、実際にはITエンジニアも受験していますし、(レベル2にも関わらず)情報処理安全確保支援士や高度系区分の資格保有者も受験しています。
IPAが公表している統計データによると、例年、コンセプト通りだと想定される 非IT企業の応募者は4割強 で、半分以上はITエンジニアが受験しています。合格率が異常に高かった初回試験でも、この割合はそんなに変わりはありません。
難易度や合格率
前回(平成31年春)の合格率は 51.9% でした。最初の3回を除き、4回目(平成29年秋期試験)以後は 50%前後 で落ち着いてきています。今は、この50%前後だと考えておけばいいでしょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成28年度 春期 | 17,959 | 15,800 | 88.0% |
平成28年度 秋期 | 18,630 | 13,105 | 70.3% |
平成29年度 春期 | 17,045 | 11,324 | 66.4% |
平成29年度 秋期 | 17,039 | 8,590 | 50.4% |
平成30年度 春期 | 14,749 | 7,926 | 53.7% |
平成30年度 秋期 | 15,579 | 7,220 | 46.3% |
平成31年度 春期 | 13,761 | 7,148 | 51.9% |
ちなみに、最初の3回の合格率が異常に高かったのは、 情報処理安全確保支援士や他の高度系区分の資格保有者の受験者が多かったから だと思います。
特にデータがあるわけではないのですが、筆者自身も、筆者の周囲の情報処理安全確保支援士や他の高度系区分の資格保有者も、こぞって初回試験を受験していました。久々の新区分(平成21年以来)だったのでそうなったのでしょう。
難易度に関しては、あくまでも “レベル2” であり、利用部門の方(非ITエンジニア)向けの資格であることから、ITエンジニアにとっては “やさしい” 試験だと思います。全問マークで、記述式の設問もありませんから。
一方、利用部門の方々(ITエンジニアではない方々)にとっては、覚えなければならないことも多く、午前問題ではITに関する基礎知識も必要になってくるので、かなりハードルは高いと思われます。
ただ、その割には初回試験から今回の試験に至るまで、特に、ITエンジニアの合格率が高いわけではありません。
IT企業に勤務している人の合格率と,非IT企業に勤務している人の合格率に、それほど “差” はみられません。どちらの立場であれ、テストで問われるところは、ちゃんと勉強しておかないといけないということでしょう。
2019年度 春期試験を受験した人へ
そして最後に、今年の春期試験(2019年4月)を受験された方向けに、合格のしやすさとおススメ度を紹介したいと思います。
情報セキュリティマネジメント試験は利用部門の方向けの試験なので、通常なら “初挑戦” になると思うでのすが、ITエンジニアの場合は基本情報技術者試験の方を先に受験していると思います。
多忙な社会人にとって “勉強する順番” はとても重要です。知的資産の再利用を考えて上手に順番を組めば生産性が高まりますからね。勉強時間も少なくてすみます。
2019年度春期の受験区分 | 情報セキュリティマネジメント試験との関連(★3つで評価) |
---|---|
(1) SG (情報セキュリティマネジメント) (不合格) |
(合格しやすさ:★★ おススメ度:★★★)
引き続き、必要な知識を覚えていきましょう。 |
(2) FE (基本情報技術者) | (合格しやすさ:★★ おススメ度:★★★)
この順番はオーソドックスな順番のひとつです。 基本情報技術者試験のあとには、応用情報技術者試験を受験するのが王道です。しかし、情報処理安全確保支援士試験を狙う場合や、先に情報セキュリティを仕上げたい場合などは、この情報セキュリティマネジメント試験を受験するのもアリだと思います。 マネジメント系の部分だけになりますが、情報セキュリティ分野の知識を整理していくことができるので、応用情報技術者試験を受験する前に、この試験で情報セキュリティ分野を仕上げておくのもいいアイデアだと思います。 その場合は、応用情報技術者試験の情報セキュリティ分野の問題も活用して、情報セキュリティのテクニカル系の部分も含めて仕上げていくと、さらに良いと思います。 |
(3) AP (応用情報技術者)
(4) 高度区分 (5) 情報処理安全確保支援士 |
(合格しやすさ:★★★ おススメ度:★★★)
高度系区分の資格をいくつか取得した後に情報セキュリティマネジメント試験を受験するのもいいでしょう。 特に舐めてかからず、きちんと参考書と過去問題を使って知識の補充をするのなら、そんなに時間をかけなくても合格できるでしょう。 |
勉強方法や勉強時間
このあたりは、今後の記事にご期待ください。
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
-
- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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