ズバリ聞きます!資格って役に立ちますか? ~技術士~
もくじ
私のキャリア
坂東 大輔 さん
坂東技術士事務所
- 現在のお仕事
- フリーランス(個人事業主)のITコンサルタント
- システム開発(IoTがメイン)
- セミナー講師
- 書籍の執筆
- 保有資格
- 技術士含め計24種
「一生涯修行中」の信念で資格取得に励んでおり、取得資格は計24種となりました。今回は、屋号で名乗っている「技術士」資格についてお話します。
技術士とは? 取得するメリット
「技術士」は文部科学省が認定するエンジニアの国家資格です。
技術士資格は計21種の技術部門に分かれており、登録者数は9万人を超えます。そのうち、半分くらいの技術士が建設部門などのゼネコン系です。私の技術部門は「情報工学部門」であり、いわゆる「IT」を専門とする技術士です。
IT資格として「技術士(情報工学部門)」はマニアックな部類に入ります。情報処理技術者試験(ITストラテジスト等)ほどの知名度や人気はありません。
「技術士(情報工学部門)」は2千人(技術士全体の2%)程度しか居らず、天然記念物のような希少種です。そうであっても(そうであるが故に)、「技術士(情報工学部門)」はITコンサルタントの裏付けとして使い勝手が良いと考えています。
その理由は「技術士(情報工学部門)」は希少性の高い「名称独占資格」だからです。国家資格は「業務独占資格」(有資格者のみが特定業務を独占できる。弁護士や税理士等)と「名称独占資格」(有資格者のみが「肩書」を名乗れる。技術士や中小企業診断士等)に大別されます。
個人事業主の屋号として「坂東技術士事務所」と法的(独占的)に名乗ることが出来ているのは「名称独占資格」である「技術士」のお陰です。そうでなければ、無資格で誰でも開業できるコンサルタント業界において、自称 “なんちゃって” ITコンサルタントの中に埋もれてしまい、ほとんど印象(記憶)に残らないでしょう。
現に、「技術士」であるがゆえに「希少性」と「名称独占」の相乗効果は、セルフブランディングに威力を発揮します。
無資格のITコンサルタントと比較して、国家資格を保持している分だけ相手の信頼度が増しているのを肌で実感します。特に、初対面の顧客や “お堅い” 組織(役所、金融機関、公的機関等)と接するときにボディーブローのように効いてきます。
私の仕事ぶりやキャラクターを実際に確認するまでは、国家資格である「技術士」が大きな判断材料になるからです。
コンサルタント、セミナー講師、専門書の著者といった「先生業」の仕事は、先生のプロフィール(キャリア、資格、学歴等)が仕事の質の裏付けとなります。「技術士」資格のような「錦の御旗」があれば、セミナー会社や出版社などの業種にアプローチしやすくなります。
「技術士」独自の人的ネットワーク
日本全国の「技術士」の総元締めと言える組織は、公益社団法人の「日本技術士会」です。正会員15,000名超を誇る大規模な組織です。「技術士」資格の保持が正会員の要件であることから、「日本技術士会」は「技術士」独自の人的ネットワークと解釈できます。
「企業内技術士」の会も設立されており、その最大手と言えるのが日立グループの「日立技術士会」で、会員数は1,000名を超えます。私も「特別会員」(退職済OBの会員)の一人です。日立製作所の社長である東原敏昭氏は「技術士(情報工学部門)」を保持しており、「日立技術士会」の会長でもあります。
日立技術士会の会合にて、日立製作所の元社長の庄山悦彦氏と会話する貴重な機会を頂けました。日立グループのIT子会社の平社員に過ぎなかった私が、超多忙なVIPと面会できたのは「技術士」ならではの特権と言えるでしょう。
「技術士」は日本のエンジニア資格の最高峰に位置づけられており、換言すれば、日本国内の理工系の猛者が挑む資格です。すなわち、「日本技術士会」や「日立技術士会」を代表とする「技術士」のコミュニティは「日本国内トップクラスのエリート技術者が一同に集うサロン」のような性質を自然と帯びます。
「技術士」資格は “サロン” に正々堂々と出入りできる「パスポート」と言えます。
「技術士」は世界で通用する「エンジニア」資格
日本の「技術士」制度に相当するエンジニアの免許制度(Professional EngineerやChartered Engineer)は世界各国で一般的です。日本の「技術士」資格は、海外でも通用する国際的なエンジニア資格を取得するための前提要件となっています。
「APECエンジニア」や「IPEA国際エンジニア」は、日本の技術士資格の延長線上にある国際資格です。私は「技術士(情報工学部門)」取得後に「APECエンジニア(Information)」や「IPEA国際エンジニア」を取得しました。
日本は「資格大国」と言えるほどに資格試験制度が豊富にあるのですが、日本以外の海外でも通用する国際資格は数少ないです。
「APECエンジニア」や「IPEA国際エンジニア」は各国政府間の合意に基づく資格制度であることから、いわゆるベンダー系のIT資格と異なり、「Engineer」としての身分保障の意味合いがあります。
日本国内では誰でも「エンジニア」と勝手に名乗ることができます。しかし、海外では「Engineer」と名乗ることが出来るのは、正規の学士課程(理工系学部)を卒業後に一定年数のエンジニアリングの業務経験を経て、然るべき国家試験に合格した者だけです。モグリの「Engineer」は違法になります。
裏を返せば、海外では「Engineer」は「医師」や「弁護士」に匹敵するステータスと責任を有しています。
上記の事情があるため、残念ながら、日本のIT技術者のほとんどは、外国人から「Engineer」扱いされていないのが現状です。そんな日本人が「Engineer」扱いされるようになる国際資格が「APECエンジニア」や「IPEA国際エンジニア」であり、日本の「技術士」も同等の扱いを受けます。
確かに、私も「技術士」になってからは、名実ともに「Engineer」扱いされているように感じています。
2015年にAPECの国際会議に日本国代表として招かれて英語プレゼンする機会を得たのはその好例でしょう。正直、「技術士」資格が無ければ、国際的な檜舞台に立てなかったと思います。
「技術士」の難易度と企業が求めるエンジニア像
日本の技術系の大企業は「技術士」資格の取得を強く推奨しています。
具体的には、「技術士」資格を昇格要件の一部としたり、資格報奨金(一時金または資格手当)の給付対象にしたりしています。強く推奨している理由は、「技術士」が企業の求めるエンジニア像と合致しているからです。
技術士試験には実務経験に基づく論文や口頭試問も含まれるため、専門知識のみならず業務経歴やコミュニケーション力が要求されています。それ故に、技術士試験への挑戦は、企業の人材育成(人事評価を含む)に活用されています。
「技術士」を目指してみませんか?
「技術士」は「技術の士(サムライ)」と書きます。技術士法第2条によると「高等の専門的応用能力」を有するエンジニアです。
幕末の志士が明治維新を成し遂げたように、21世紀の「技術士」として技術革新(イノベーション)を共に成し遂げましょう。
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『定額制』
高度試験対策研修 KOUDO 初公開!
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- 略歴
- 株式会社エムズネット代表。
大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。 本業のかたわら、大手 SI 企業の SE に対して、資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。 - 保有資格
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- 情報処理技術者試験全区分制覇(累計 32 区分,内高度系 25 区分)
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- 技術士(経営工学)
- 販売士 1 級
- JAPAN MENSA 会員
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