第2回 データベース | 先を見据えた基本情報技術者試験対策

出題傾向

データベースの問題は、午前問題で5問、午後問題で1問(平成29年秋)出題されています。

 

SQL文のSELECT、制約

基本情報技術者試験の試験勉強をしている間に仕上げておきたい分野No.1は、SQL文 になります。

基本情報技術者試験 の 午後問題 の中心になる分野であり、過去に出題された 午前問題 の数も多く、基本情報技術者試験 の合格のためには必須になるところですが、それだけではありません。

次のステップの 応用情報技術者試験 でも中心になり、その次のステップの高度系の データベーススペシャリスト試験 においても、ここ数年は避けては通れない分野になっているからです。

筆者は、平成15年からもうかれこれ15年間にわたって、データベーススペシャリスト試験 の試験対策本を出しています。翔泳社のこの本です。

その中にも書いていますが、以前は SQL の問題を解かなくても合格することができました。つまり SQL の知識が無くても合格できていました。

高度系の中でも特に、データベーススペシャリスト試験 は出題パターンが固定化していたことや、問題数も 午後Ⅰ が 4問 だったこと、午後Ⅱ ではほとんど出題されなかったことなどから避けることができていました。

 

しかし、平成21年から 午後Ⅰ の問題数は 3問 に減少し、平成26年から固定化も崩れ始めました。

午後Ⅱ試験でも 物理設計 の問題が定番化し、性能見積り や 評価 で SQL に関する知識が求められています。

SQLインジェクション対策 などで “セキュアプログラミング” の重要性が高まることも無関係ではないと思います。

 

平成26年以後、SQLは「捨てられない分野」となっています。

基本情報技術者試験では、特に “SELECT文(選択)” と “制約” が中心ですが、実は SQL に関しては、レベル2(基本情報技術者試験)と レベル4(データベーススペシャリスト試験)で大差ありません。

したがって「SQL は 基本情報技術者試験で仕上げておく!」という意気込みで挑めば、後々楽になるのは間違いありません。

高度系では、午後Ⅰ・午後Ⅱ対策としての「概念データモデルと関係スキーマの設計」の学習に専念できます。

 

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正規化(第3正規形まで)

また、正規化 の問題も、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、データベーススぺシャリスト試験 のいずれでも出題されます。

基本情報技術者試験では出題されない年度もあるので、正規化に関する知識が無くても合格できますが、高度系のデータベーススペシャリスト試験では、午後Ⅰ では必須(毎年必ず出題されている)で、午後Ⅱ でも直接的に問われることは無いが “知っていることが前提” で問題が作られています。

このため高度系になると避けては通れない分野になります。

 

そこでおススメなのが次のように段階的に正規化を抑えていくことです。時間をかけてじっくりと熟成させることで、記憶への定着率を高めましょう。

正規化 学習のステップ

  1. ・基本情報技術者試験:第3正規形まで(厳密な定義ではなく、シンプルにキーワードを覚えるイメージ)
  2. ・応用情報技術者試験:特になし
  3. ・データベーススペシャリスト試験:第3正規形(厳密な定義)、第5正規形まで

キー

高度系のデータベーススペシャリスト試験では、

主キー
候補キー
スーパーキー
外部キー
代理キー
代替キー

など様々な “キー” が登場します。

特に、候補キーは午前、午後ともに頻出問題です。

 

このうち基本情報技術者試験では、 “主キー” と “外部キー” が出題されます。

先に説明した “SQL文” でいうところの “主キー制約” と “外部キー制約” です。

この2つの “キー” を、基本情報技術者試験で仕上げておけば高度系の試験対策が本当に楽になります。特に外部キーに関しては覚えることも少なくありません。

しかも、高度系の午後Ⅱ試験で必ず出題されている概念データモデルの作成に関する問題のうち、エンティティ間のリレーションシップを追加時に必要な知識になります。

したがって、レベル2の段階で仕上げておくと高度系ではかなり楽になります。

 

まとめ

データベースはSEの必須スキルのひとつ。テクニカル系分野の中では、覚えないといけない基礎知識は少ない方かもしれませんが、その分、高度系では応用力が試されます。

筆者はデータベーススペシャリストの試験対策もやっていますが、いつも思うのは「SQL に強くあってほしい!」ということです。

経験者でなくても、基本情報技術者試験か応用情報技術者試験で SQL を仕上げておいてほしいところです。

というのも、高度系試験対策で優先されるのは、やはり概念データモデルと関係スキーマの設計や、物理設計、チューニングなどになるからです。

基礎になるSQLの解説をやっていると倍以上に時間がかかりますし、だからと言って SQL を避けると “不合格のリスク” は高まります。

 

そういうわけで、この先データベーススペシャリスト試験の合格を狙っている人は、ぜひ、ここで紹介している分野をしっかりと学習して仕上げておきましょう。

 

 

高度情報処理試験対策のカリスマ

株式会社エムズネット代表。大阪を主要拠点に活動するIT コンサルタント。本業の傍ら,大手SI ベンダのSE に対して,資格取得講座や階層教育を担当している。高度区分において脅威の合格率を誇る。保有資格は、情報処理技術者試験全区分制覇(累計30個,内高度系23個)をはじめ、IT コーディネータ,中小企業診断士,技術士(経営工学),販売士1級 など多数。
著書

  • 情報処理教科書 プロジェクトマネージャ(翔泳社刊)
  • 情報処理教科書 データベーススペシャリスト(翔泳社刊)
  • 勝ち残りSEへの分岐点(翔泳社刊)
  • ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本(翔泳社刊)
    他多数