RAID|つまづきやすいポイントと攻略法 徹底解説!


2026-05-20 更新

この連載は、基本情報技術者試験の受験者を対象としたものです。
毎回1つのテーマにしぼって、多くの受験者がつまづきやすいポイントと攻略法を解説します。

今回のテーマはRAIDです。

RAIDとは?

RAID(レイド)は、Redundant Arrays of Inexpensive(またはIndependent) Disksの略であり、直訳すると「安価な(または独立した)ディスクの冗長な配列」という意味です。
1988年に、米国のデイビッド・パターソン氏の論文で、かつて高価だった磁気ディスク装置(以下では、単にディスクと呼びます)が安価になったので、1つのコンピュータシステムで複数台のディスクを使って信頼性を向上させよう、ということで、RAID1からRAID5という5種類の仕組みが提唱されました。
この論文にはありませんが、複数台のディスクを使ってアクセス速度を向上させる仕組みもあり、これもRAIDに含めて、RAID0と呼びます。

RAIDには、RAID0からRAID5の6種類があることになりますが、これらの中でよく使われるのは、RAID0、RAID1、RAID5の3種類(および、それらの組合せ)であり、試験にも3種類が出題されています。
したがって、RAIDに関する問題の攻略法は、これら3種類の名称と仕組みを対応付けて、しっかりと覚えることです。

とはいえ、RAID0、RAID1、RAID5という番号だけでは、仕組みと対応付けるのが困難でしょう。そこで、それぞれに仕組みを意味する別名があることを知ってください。
RAID0は「ストライピング」、RAID1は「ミラーリング」、RAID5は「分散パリティ」です。
これらの別名から仕組みを理解したら、自分流に理由付けをして、仕組みと番号と対応付けて覚えてください。
理由付けの例は、それぞれのRAIDを説明するときに示します。

RAID0(ストライピング)の仕組み

RAID0は、データをブロックに分割して、複数のディスクに分散して格納します。
それぞれのディスクは、独立して同時に動作できるので、データを1台のディスクに格納するより、アクセス時間を向上できます。
RAID0を実現するには、最低でも2台のディスクが必要です。

この仕組みをストライピングと呼ぶのは、データを複数台のディスクに書き込むと、縞模様(stripe)のようになるからです。
図1は、データをA、B、C、D、E、Fという6つのブロックに分けてストライピングした例です。

【図1】RAID0(ストライピング)の例

RAIDの本来の目的は、信頼性の向上です。
それに対して、ストライピングは、アクセス速度の向上を目的としています。
「ストライピングは、他のRAIDとは目的が違うので0という特殊な番号なのだ」と理由付けして覚えてください。

RAID1(ミラーリング)の仕組み

RAID1は、複数のディスクに同じデータを格納します。
どちらか一方のディスクが故障しても、もう一方のディスクにデータがあるので、信頼性を向上できます。
RAID1を実現するには、最低でも2台のディスクが必要です。

この仕組みをミラーリングと呼ぶのは、鏡(mirror)に映したように、複数のディスクに同じデータがあるからです。
図2は、A、B、Cというブロックからなるデータをミラーリングした例です。

【図2】RAID1(ミラーリング)の例

ミラーリングは、最もシンプルなRAIDだといえるでしょう。
「ミラーリングは、最もシンプルだから1という先頭の番号なのだ」と理由付けして覚えてください。

RAID5(分散パリティ)の仕組み

RAID5を実現するには、最低でも3台のディスクが必要です。
3台のディスクを使う場合は、データを2台のディスクに分散して格納し、それらのパリティ(データを訂正するための符号)をもう1台のディスクに格納します。
3台のディスクに格納されたデータとパリティは、いずれか1台のディスクが故障しても、残りの2台のディスクで復元できるので、信頼性を向上できます。

この仕組みを分散パリティと呼ぶのは、パリティ専用に1台のディスクを使うのではなく、それぞれのディスクにパリティを分散させるからです。
図3は、A1とA2に分散されたデータとパリティAp、B1とB2に分散されたデータとパリティBp、およびC1とC2に分散されたデータとパリティCpによる分散パリティの例です。
Ap、Bp、Cpというパリティが3台のディスクに分散されていることに注目してください。

【図3】RAID5(分散パリティ)の例

分散パリティは、ミラーリング(RAID1)と比べて、かなり複雑です。
「分散パリティは、複雑なので5という大きな番号なのだ」と理由付けして覚えてください。

RAIDに関する問題(1)

RAIDに関する問題を見てみましょう。
以下は、RAIDの仕組みと番号を対応付ける問題(出典:R01秋問15)です。

問題(出典:R01秋問15)

RAIDの分類において、ミラーリングを用いることで信頼性を高め、障害発生時には冗長ディスクを用いてデータ復元を行う方式はどれか。

ア RAID1     イ RAID2     ウ RAID3     エ RAID4

ミラーリングは、RAID1の仕組みを意味する別名です。
したがって、選択肢アが正解です。選択肢には、RAID2、RAID3、RAID4もありますが、これらが試験問題のテーマになったことはないので、気にする必要はありません。
とにかく、「RAID0はストライピング」「RAID1はミラーリング」「RAID5は分散パリティ」の3つを、しっかりと覚えてください。

RAIDに関する問題(2)

RAIDに関する問題を、もう1つ見てみましょう。
以下は、先ほどの問題とは逆に、RAIDの番号と仕組みを対応付ける問題(出典:H29秋問12)です。

問題(出典:H29秋問12)

RAID5の記録方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア 複数の磁気ディスクに分散してバイト単位でデータを書き込み,さらに,1台の磁気ディスクにパリティを書き込む。
イ 複数の磁気ディスクに分散してビット単位でデータを書き込み,さらに,複数の磁気ディスクにエラー訂正符号(ECC)を書き込む。
ウ 複数の磁気ディスクに分散してブロック単位でデータを書き込み,さらに,複数の磁気ディスクに分散してパリティを書き込む。
エ ミラーディスクを構成するために,磁気ディスク2台に同じ内容を書き込む。

RAID5の仕組みを意味する別名は、分散パリティです。
したがって、「複数のディスクに分散してパリティを書き込む」と記述している選択肢ウが正解です。

念のため、他の選択肢も見ておきましょう。
選択肢エは、ミラーリングとあるので、RAID1です。
選択肢アとイは、ストライピングのRAID0ではないので、他の番号のRAIDでしょう。
ただし、RAID0、RAID1、RAID5以外のRAIDが問題のテーマになったことはないので、気にする必要はありません。


今回は、「RAID」のポイントと攻略法を解説しました。このテーマが苦手だった受験者の参考になれば幸いです。

それでは、またお会いしましょう!

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