合格論文を1ヶ月で準備する ~表現力や論文ネタ作りなど (ITストラテジスト/システムアーキテクト/ITサービスマネージャ 午後Ⅱ論文 [午後2] )


2019-09-24 公開

いよいよ、10 月 20 日の情報処理技術者試験まで 1 か月を切りました。対策は順調でしょうか?

今回は、午後 Ⅱ 論述式試験(以下、論文試験という)のある区分 (秋期試験であれば ITストラテジスト、システムアーキテクト、ITサービスマネージャ ) を受験される方向けに、この時期(1か月前)に行う中間チェックポイントを “4 つ” あげてみました。

この4つのポイントで現状をチェックして順調か否かを確認してみてください。

そして、順調であれば今のペースで、そうでなければこの4つの視点を意識して追い込みに入りましょう。

Check-1.過去問題には目を通しましたか?

論文試験では、「問題文に書かれているような状況について、自分自身が経験したこと」について書くことが求められています。

しかも、問題文に書いている状況は、かなり絞り込まれているため、その状況と異なる経験を書いてしまうと合格論文にはなりません。

 

ただ、どんな状況について問われるのかは、試験区分ごとにある程度、決まっています。

それぞれ傾向や外してはいけないポイントがあるので、それを過去問題を通じて把握します。過去問題を暗記するぐらい何度も何度も読み返しましょう。

 

過去問題に目を通せば、少なくとも「どんな状況について問われるのか?」や、「何について書かないといけないのか?」は把握できます。

問題文を正確に読むことができていれば、今の自分の「経験の有無」や「書ける、書けないの判断」ができ、課題設定もできます。そして、問題文を頭の中に叩き込んでおけば自然と考えたり、ネタを探したりするようになるでしょう。

 

それが合格への第一歩になります。

Check-2.自分の経験を正しく表現できますか?

過去問題に一通り目を通したら、自分の経験で書くことができるかどうかを判断し、書くことができる問題に対しては「論文に必要な表現力」を身に着けて、 2 時間でそれができるような練習をしていきます。

具体的には次の 4 点ができるようにならないといけません。

    論文に必要な表現力

  1. 2 時間で書くことができる
  2. 具体的に書くことができる
  3. 客観性のある表現で(必要に応じて数値を)書くことができる
  4. 初対面の第三者に対して伝えることができる

論文試験は、一般的な学術論文のように何かしらの研究テーマで発見した規則性や法則を述べるのではなく、その真逆だと考えてもらえればわかりやすいと思います。

そうした規則性や法則などの “あるべき姿” は問題文に書かれていて、それを知っているかどうか? それを使った経験があるかどうか? が問われています。

だから、 “採用面接” や “口述試験” と考えてもらった方がいい でしょう。

信用も信頼もされていない、すなわち、あなたのことを全く知らない第三者が、その文面だけを見て、経験していることを書いているかどうかを評価するわけです。

したがって、経験者の方が有利であることは間違いなく、経験者は自分の強みをアピールできれば合格に近づくというわけです。

 

しかし、せっかく題材(試験問題)にマッチする素晴らしい経験をしているのに、それを表現できずに合格論文にならない というケースがかなりあります。

採点者は、どこの誰が書いた論文なのかを知りません。

したがって、(当たり前ですが)その論文に書かれている内容だけで評価するので、仮に経験者であったとしても、それが伝わらなければ(信用してもらえなければ) “合格” の評価はもらえないのです。

 

そこで、経験をしっかりとアピールするために、具体的表現や客観的表現、初対面の第三者に正確に伝えるための表現が必要になるのです。

これらの要素は、経験していたら出せるはず。出さないともったいないところです。なにせ未経験者は、喉から手が出るほど欲しているところですからね。

後述するように、時間をかけて、想像して、知識で補ってはまた想像して作り上げているところです。

このあたりはいかがでしょう?仕上がっていますか?

Check- 3 .経験していないことの調査・想像・創作はできていますか?

一方、未経験の状況や事例に対しては、しっかりと調べて、想像力で補うところを補って、例えば「あの時に、同じような状況になっていたら、どうしていただろうか?」という感じで、自分の経験と重ね合わせながら作り上げていく作業が必要になります。

俗に言う論文の「ネタ集め」や「ネタ作り」と言われる作業ですね。

 

この作業に関しては、まずはイメージトレーニングを行い(そのために問題文を頭の中に叩き込んでおくことが有効になる)、そしてじっくりじっくりと時間をかけて練り上げます。時には、調査をしたり、経験者に尋ねたりすることも必要でしょう。

 

この作業には時間がかかります。

 

よく、未経験の事例にもかかわらず「すごく時間がかかって、2時間で書き上げる自信がありません。どうしたらいいのでしょうか?」と質問する人がいるのですが,それは当たり前です。

 

頭の中に無いことは、いくら表現力に長けていても出てきません。

 

試験本番時の 2 時間では 100% を出せないので、事前に何時間、何十時間もかけて作っているわけですから、時間がかかるのは当たり前。その方向で問題ありません。

Check-2. に書いたように「経験したことを、具体的かつ客観的に、初対面の第三者に伝わるように表現する」ことさえできていれば、仮に未経験であっても、ストーリーさえ作り上げておけば合格論文を書くことができます。

 

合格論文に必要な表現を習得することと、未経験のことに対してネタを集めることとは、完全に別物だと考えて、残り 1 か月、それぞれに沿った対策を考えましょう。

さいごに。経験したことに無理やり合わせようとしないこと ~先入観を持たない

それと最後にもう 1 点、注意しなければいけない点も説明しておきましょう。

それは、問題文と自分の経験が似ている時に、無理やり自分の経験に合わせようとすることです。

「あれ、これはあの時の経験に似ているぞ!」
「ほら、きっと同じだ!」
「ちょっと違和感があるけど、いやいや絶対同じ経験だ!」

という感じで、希望的観測の元、自分に都合のいいように解釈してしまうパターンですね。

このケース、論文添削をしていても一番多いケースです。

 

論文試験は、かなり細かい状況設定になっています。

そのため、その試験区分の立場の人でも、問題によっては “未経験” のケースが少なくないのです。

 

「いや、俺は 30 年もやってきているから . . . 」

と言う経験豊富なベテランの方でも、それは同じです。

逆に、そういうベテランの受験生の方が一見すると “似たような経験” をたくさん持っているので、それを書いてしまって “少し違う” という B 評価になったりします。

 

重要なのは、全ての問題を経験に引きずられないようにフラットに読むと言うこと。

変な先入観を持たないこと です。

最初から「自分のどの経験だろう?」ではなく、どんなベテランの方でも「経験していないだろう」という視点で入っていくのがベストです。

そうして、「あれ?」、「あれ?」…「ひょっとして、あの時のあの経験が…」という感じで、問題文を正確に読み込んで、自分の経験を当てはめていく方が安全です。

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